サンダムシが尻からぶらんぶらん
昔は衛生状態が今よりずっと悪かったのでぼくもけっこう寄生虫をもらった。
強烈だったのがサナダムシ。
寄生虫が気になって何回か虫下しを飲んだものの、それまで寄生虫が出たことはなかった。
しかし、何回目かの薬を飲んだ翌日、出た。
白く平たい長い長いやつが出た。
出たはいいが出きれず尻からぶらんぶらん。
ギャー!
年甲斐もなく叫んでしまった。
人生、こんなにショックを受けたことはない。
どうしよう。
よっぽどタイ嫁を呼んで引っ張ってもらおうと思ったのだけれど、便器には便が満ちさすがに気の毒だ。
意を決し自分で引っ張り出した。
ムツゴロウさんのエッセイで「サナダムシは切れやすく、全部出切ればすぽん!と抜ける」とあったのを思い出し、そろりそろり引っ張れば出てくるわ出てくるわ。
恐怖。
すぽん!とならなかったから恐らく途中で切れたのだろうけれど、それでも2メートルは優に超えていたと思う。
いやあ、エグイ体験でした。
タイのサナダムシ最長記録
ニュースを見る限りサナダムシは通常長くても2~3メートルくらい。
でも、2022年、ノンカイ県の67歳のおじさんから出てきたやつは18メートルだった。
これは今のところタイにおけるサナダムシの最長記録である。
18メートルといえばピッチャーマウンドからホームベースまでの距離。
マウンドから紙テープのように丸めたサナダムシを投げればホームベースに届くわけだ。
長いね。
ノンカイのおじさんは生ラーブ(ラープ。豚肉や牛、水牛肉を包丁で叩き、生血をぶっかけ香辛料で和えた料理)が大好きで若いころから頻繁に食べていた。
ときどき便にサナダムシの切れ端が混じっているのを知っていたが虫下しは飲んだことがない。
その代わり「ツムギアリの卵を食べればサナダムシを駆除できる」という迷信を信じてアリの卵をよく食べていたそうだ。
今回はたまたま大学の研究チームが調査中、おじさんに虫下しを飲んでもらい出てきた。
やっぱり生は危ない
ぼくのサナダムシも原因は生肉のタタキ、ラーブだ。
その頃は生のラーブをよく食べた。
村人は「唐辛子を入れているから大丈夫」と言うけれど、生の豚肉、生血が体に良いわけがない。
でもラーブ田舎の大ご馳走でどこへ行ってもこれが出されるため食べざるを得なかったのだ。
生肉の危険性については当時から指摘され、保健局からも再三、生肉料理を食べないように、と指導されていた。
それでも食べていたのは、火を通したものより生の方が断然うまかったからだ。
フグの肝を食べたがるようなものである。
身体を這い回る蕁麻疹
昔はよくミミズ腫れのようなものが身体に浮かび上がった。
それはとても痒く、しかも知らない間にあちこち移動する。
もしかして蕁麻疹ではなく寄生虫?とも思ったのだけれど、当時は情報が少なく、村の人も「ミミズ腫れが体を一周すれば死ぬ」といった程度の知識しか持ち合わせていなかった。
それが顎口虫という寄生虫であるのを知ったのはネットが普及してからだ。
この寄生虫は目や脳に入り込めば重篤な症状を引き起こすらしいが、通常は、皮膚の下を這い回り、その跡が赤く線状に腫れて痒みを伴う程度である。
この他には、歩いていたら突然、コロンとした白いものが尻からぽろり転がり落ちたことがある。
何かと思って見ると蠢いていた。
そういう経験を経ているもので、今はなるべく火を通し、生ものは避けている。
今のところ寄生虫の症状らしきものは感じないし尻から何かがぶらんぶらんすることもない。
****************************
コメント