ズッドドドドン!と脳天に突き抜ける激辛タイ料理。カプサイシンのビッグバンに涙された方も多いのではないでしょうか。辛いですよね、あの辛さ。というわけで、涙ぽろぽろ鼻水だらだらのときにどう対処すればよいのか、激辛王国タイの人たちはどうしているのか、という話です。
辛さを感じる仕組みと辛さを消す原理
辛さは口の中にある受容体が唐辛子のカプサイシンに反応し熱さとして脳に認識されます。
この受容体は本来、人体にとって危険な温度である43度以上の熱に反応するセンサー。
その危険に対して脳は痛みという信号で異常を知らせているのだそうです。
辛さを消す方法をあれこれ調べた結果、現在辛さ対策に挙げられているいずれの方法も次の2つに当てはまります。
その1。
辛さは口の中の温度が高いほど辛く感じられるため冷たい物で口の温度を下げる。
その2。
油脂等を含んだ物を摂取する。
辛さの原因であるカプサイシンをこれでブロックしたり洗い流したりしようというわけです。
これらの方法が果たして本当に効果があるのかどうかを今から検証していきたいと思います。
日本のサイトにあった辛さ対策
日本ではどんな方法で辛さを和らげているのが調べてみました。
牛乳を飲む
「辛さ対策」で検索しますとすぐに出てくるのは「牛乳を飲む」方法。
理由は、牛乳に含まれるカゼイン(酪素)というタンパク質が辛味成分をブロックするから。
アイスクリーム、ヨーグルトを食べる
冷たさが口の温度を下げ辛さを緩和する。
またカプサイシンは油脂に溶ける性質があるため、これらの食品にたくさん含まれる脂肪分が辛味成分を洗い流すとのこと。
マヨネーズをむさぼる
これも油でカプサイシンを洗い流そうというもの。
アイスコーヒーを飲む
コーヒーの油脂分に辛さを和らげる働きがあるとのこと。
タイのサイトにあった辛さ対策
さて、辛さに関して日本人はまだまだおこちゃまレベル。
辛さを極めたタイの人たちはどうやって辛さに対処しているのでしょうか。
牛乳を飲む
カゼインがセンサーにくっついたカプサイシンを引っぺがしてくれるんだ。
特に冷たい牛乳が効果的。
口に含んでそのまま我慢。後は吐き出すもよし飲み込むもよし。
ヨーグルト、チーズ、アイスクリームもお勧めだよ。
ライムジュースを飲む
ライム、ミカンなどに含まれる酸はカプサイシンと化学反応を起こし、カプサイシンが効力をなくすから辛さが和らぐんだよ。
オリーブオイル、ココナッツオイルを口に含む
カプサイシンは油に溶ける。
だったら油を飲んでしまえいいじゃないか。
油でうがいして吐き出したら辛さなんてすぐに消えちゃうよ。
もし手元に油がなければ、カイトード(鶏の揚げ物)やムートード(豚の揚げ物)を食べてみて。
お湯、または熱いスープを口に含む
これはちょっとハードコアな方法。
でも本当に素早く辛味を消すことができるから。
やり方は簡単。お湯、スープを口に含んで吐き出すだけ。
お湯は口にくっつくカプサイシンを溶かしちゃうんだ。
ぼくもやったことがあるけど、たった一度でまったく辛い物を食べなかったようにきれいさっぱり辛味がとれちゃった。
でも、口に入れて吐き出すまでは頭にガンガンきて涙が溢れ地獄だったけどね。
塩を口に含む
塩を口に含んでごらん。
塩が溶ける頃には辛さも和らいでいるから。
辛さを塩辛さに入れ替えようという戦法さ。
砂糖、ハチミツをなめる
これも辛さを甘さに置き換えようという作戦だよ。
アルコールを飲む
カプサイシンは油脂によく溶け、アルコールはそれを溶かす働きがあるんだ。
アルコール度数が高く冷たいお酒を飲めば辛さなんてたちまち消えちゃうよ。
でもアルコール度数が低ければ辛さが消えるどころか冷水を飲んだときのようにますます辛くなるから気をつけてね。
冷たくきついアルコール。
これさえあればどんなに辛いつまみでもどんとこいだ。
ご飯、パンを食べる
ご飯、パンをたくさん食べてごらん。
デンプンが糖分に変わりカプサイシンを吸い取ってくれるから辛さが消えちゃうよ。
鼻水よだれを流れるがままにする
これは一人のときにお勧めの方法。
あまり美しくないからね。
口を開け、犬のようにただひたすら舌を出してぜいぜいしてみて。
よだれの数滴も落ちる頃には辛さも引いているよ。
どうしてかっていうと、辛さを感じた人の身体は唾液を分泌してカプサイシンを追い出すんだ。
待っている間は死ぬほど辛いけどね。
タイ式辛さ対策に対する疑問と感想
・タイでも牛乳がよいと言われるものの、否定的意見もあります。
・酸味がよいそうですが、ライム入りのトムヤムはあれで辛さが和らいでいる常態なのでしょうか。
タイサラダ、ヤムはライムで締める料理なのになぜ辛いのでしょうか
・揚げ物とタイ料理、よくある組み合わせですけど、やっぱり辛く感じます。
・毒をもって毒を制す。辛いときに絶対避けるべき熱い物で対処するとは恐れ入りました。
でも、辛いのが辛いからその解決策を知りたいのにますます辛くしてどうするんでしょう(笑)。
・砂糖、ハチミツを口に含む、というのは昔からタイで言われていた方法。
タイ嫁も、そう教えてくれたことがあります。
でも、辛いものには甘い物ってあまりもイージーじゃないですか。
ぼくは試しもせず鼻で笑っていたのですが、ある実験では甘味が唐辛子の辛さの単位、スコビルを減らすことができたのだそうです。
・思えば辛い物を食べるときアルコールを飲んで胃を壊したんだよなあ。
辛い物ときついアルコールって一番胃にくるんだから。よほど胃が丈夫でないと無理そうです。
・ご飯とパンはあり得ません。
だって辛いものとご飯、一緒に食べてるじゃないですか。
それでも辛いから何とかしてくれという話です。
辛さ対策の結論
上に挙げた方法の中でぼくがよさそうだなと思ったのはアイスクリーム。
温度が低く、油脂と砂糖を含んでいます。
経験上、よいと思われるのは、バナナなどの甘い果物。
そして水気のある野菜、特にキャベツ。
タイの辛い料理にはよくキャベツが添えられていますが、あれをかじると幾分辛さが和らぎます。
理由はわかりません。
というわけでぼくは辛いとき青虫のようにひたすらキャベツをかじっております。
ちなみに、辛さによくないと思うのは冷水や氷、ビール。
口にしているときはよいのですが、その後のぶり返しが強烈です。
以上。
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