ヤードムとは何か
ヤードムとは ヤー(薬)ドム(嗅ぐ)。「鼻で匂いを嗅ぐ薬」を意味する。
基本的には気分の悪くなったときなどに匂いを嗅ぎ、リフレッシュ、リラックスにつなげる薬。
タイでは広く普及。外出時の必須アイテムにしている人も少なくない。
近年はタイ土産としても注目され「おすすめタイ土産」で検索するとほとんどのサイトでヤードムを推している。
ヤードムは何に良くどのような時に使うのか
ヤードムは以下のような効果があるとされている。
・緊張緩和(リフレッシュ、リラックス効果)
・乗り物酔いの軽減
・眠気覚まし
・めまい、立ち眩み、吐き気の軽減
・軽度の頭痛の軽減
・鼻詰まり、咳の軽減
・虫刺されによる腫れ、痒みの軽減
※実際にヤードムを使っている人をよく見かけるのは乗り物の中。
乗り物酔いの軽減ということもあるのだけれど、多くは閉鎖空間にともなう息苦しさを緩和するのに使っているようだ。
エレベーターの中で使う人が見られるのも同様の理由。
※虫刺されにもよいらしいけれど普通はヤードムではなくヤーモーン(タイガーバームの類)やナマンルアン(イエローオイル)など虫刺され用の薬を塗る。
ヤードムの種類とおすすめブランド
ヤードムは大きく次のタイプにわけられる。
・スティックタイプ
最も一般的なヤードム。
先に小さな穴の開いたスティック状のプラスティック容器。
扱いやすく携帯にも便利。
日本人がヤードムといえばたいていこのタイプを指す。
・軟膏タイプ
軟膏容器に入っており塗って使用。
虫刺されで有名なタイガーバームなどもヤードム的に使われることがある。
・液体タイプ
多くは透明瓶入り。振りかけるタイプとロールオンタイプがある。
・粉末、固形タイプ
砕いた生薬(あるいは粉末)がカプックと呼ばれる小さな容器に入っている。
蓋を開け直接匂いを嗅ぐ。
人気ブランド
まずはポイシアン。ヤードムといえばこれ。手に入れやすく一番ポピュラー。
このほか、ペパーミントフィールド(Peppermint Field)、VAPEX、黄金杯、ホンタイ、ボーデーン(赤リボン)、などが人気。
ヤードムは何からできているか
ヤードムの主成分は以下の通り。
・メントール
ハッカ脳。ハッカ精油から精製される結晶。
・樟脳
タイ語でカーラブーン。クスノキ精油から精製される結晶。カンフル。日本では防虫剤と知られるが昔は強心剤として使われていた。起死回生の特効薬、カンフル剤のカンフルとは樟脳のこと。
・竜脳(ボルネオール)
タイ語でピムセーン。東南アジアに分布するフタバガキ科の巨木竜脳樹の精油から精製される結晶。
※このほかユーカリ製油、八角、カルダモン、シナモン、クローブ、なども使われる。
ヤードムの買い方
ヤードムは下記のような店で売られ簡単に手に入る。
・コンビニ、ドラッグストアー
・量販店、スーパー
・雑貨屋
ヤードムの正しい使い方とやってはいけないこと
塗る場合もあるけれどヤードムの基本的な使い方は容器のキャップを取って匂いを嗅ぐだけ。
ただし、以下のようなことに注意して欲しい。
・基本は容器を鼻に近づけ匂いを嗅ぐがその際、容器を直接鼻に触れない。
・痒み等を引き起こす可能性があるため鼻の穴に突っ込まない。
・液体、クリーム状のものは薄く胸辺りに塗り揮発させて匂いを嗅ぐ。
・耳の下、こめかみなどに塗る人もいるけれど揮発した成分が目に入ると染みるので避けた方が無難。
・目の付近につけたり目に入らないよう気をつける。
・使った手で目をこするなどして目に入ることもあるので使用後は手を洗う。
・鼻に炎症などの問題がある場合は使用しない。
・感染症の危険があるので他の人が使ったものは避ける。
※ヤードムの効果は一時的なものなので症状が解決しない場合は医者にかかること。
日本人の誤ったヤードムの使い方
日本のサイトにはヤードムを鼻の穴に突っ込んだままにするのが当たり前のように書いているけど、タイでも鼻の穴に入れている人はごく少数派。
逆にタイで日本人のヤードムの使い方が面白がられSNSにアップされているくらいだ。
上にもあるように鼻の穴に突っ込むのは止めた方が良い。ましてや突っ込んだままほかの作業をするのは言語道断。
ヤードムの副作用と危険性
ヤードムの一番の問題は常習性。
「ドはまりした」「やめられません」
という声を聞くのだが、それもそのはず、ヤードムには酒やたばこ同様、神経系に影響し常習性がある。
といってもそれほどひどいものではなく、使用頻度が増え、使わないと、落ち着かない、不安になる、といった程度。
これらを防ぐには必要以上に使用しないこと。
それから、人によっては、使用後、目や鼻が痒くなる、鼻が詰まる、鼻水が出る、などの症状が出ることもある。こういう場合は使用を止める。
また、胸が重い、息ができない、鼓動が早くなる、などの重い症状が出た場合は医者にかかること。
ヤードムの使用を避けた方が良い人
・鼻、のど、肺など呼吸器に問題がある人
・6歳以下の子供
日本への持ち込み
ヤードムを日本へ持ち帰る場合は以下の点に注意。
・ヴィックスインヘラー(Vicks VapoInhaler)は規制薬物L−デソキシエフェドリンが含まれているので持ち込みができないそうだ。
・ヤードム類を持ち込めるのは24個まで。これ以上だと手続きが必要だそうだ。
※要確認
以上。ヤードムは正しくお使いください。
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