大麻料理を提供する店が激増している。そもそもなぜ大麻草を料理に混ぜるのか。危険性はないのか。酩酊しないのか。大麻入り料理や菓子の安全性についての話。
なぜ大麻を飲食物に入れるのか
大麻解禁以来、タイでは大麻フィーバーが起き、ダムが壊れたような勢いで大麻入り料理を提供する店が全土に満ちたわけだけれど、そもそもどうして料理に大麻を入れるのだろうか。
一つはメディカルハーブとして。
大麻草に含まれるCBD(カンナビジオール)は中毒性や酩酊性がなく、不安軽減、リラックス効果、ストレス緩和、不眠緩和、などによいと言われる。
そしてもう一つは料理の味をよくするため。
大麻の研究が進んでいなかった昔からタイの人たちは大麻の葉を料理に使っていた。
経験的に大麻の葉が食欲を増進させ料理をおいしく感じさせることを知っていたのだ。
田舎では身近なハーブだった大麻
ぼくの暮らす村周辺でも大麻草を料理に使うのは普通のことだった。
でも次第に大麻の取り締まりが厳しくなり表だっては使われなくなった。
それが近年また復活して迷惑している。
葬式とか冠婚葬祭で振る舞う料理に大麻を入れる人がいるのだ。
しかも田舎の人たちは正しい使い方の知識があまりない。
無造作に大麻草の束をぽいと料理に放り込んだりする。
これでは逆効果。ただでさえおいしいとはいえない葬式飯がさらにまずくなり、ひどいときは、頭痛、胸焼けまで引き起こす。
困ったものだ。
大麻草入り料理を食べると酔うか
大麻を摂取して酔うのはTHCという成分のため。
植物の大麻草に含まれるのは主にTHCA。これが熱や乾燥によってTHCに変わる。
だからサラダや添え物、飾りとして使われている生の葉はほとんど酔わない。
ジュースも同様。
逆に熱を通した煮物、汁物は酔いやすい。
それから油で炒めた場合もTHCが多く出る。
揚げ物の場合は逆にTHC、CBDが油に溶け込むため通常よりも少し多めに摂取可能だ。
THC、CBDについてはこちら

THCAとは
THCA(テトラヒドロカンナビノール酸)は大麻草に含まれるカンナビノイド。
THCの前駆体にあたり、乾燥や熱によってTHCに変わる。
THCとの大きな違いは酩酊作用があるかどうか。
大麻草に含まれるのは主にTHCA。
THCAに酩酊作用はないので生の大麻を食べても高揚感(ハイ)は得られない。
大麻入り飲食物の適量
タイ保健省が推奨する適量は以下の通り。いずれも大麻草の生葉を使用。
・炒め物、卵焼き1枚。
・汁物、煮物、鍋に1枚。
・揚げ物 1、2枚。
・飲み物 200CCにつき1枚
だいたい1メニューにつき生の葉1枚、1日あたり5-8枚が適量とされている。
揚げ物だけ2枚となっているのは上にもあるようにTHC、CBDが葉から油に溶け出し含有量が減ってしまうため。
これらの量は恐らくどんな人でも安全と思われる量で、かなり低く設定されているようだ。
実際には1つの料理に数枚使用するところが少なくない。
大麻の葉を食べると副反応はあるのか
副反応は大麻に含まれるTHCの摂取量による。
過剰摂取すると口やのどの乾き、眠気、目眩、頭痛、動悸などの症状が30分ぐらいから現れはじめ1-3時間でピークになる。
適量を知るまでは決して摂取しすぎてはいけない。
アルコール同様、まったくだめな人、かなりの量でも平気な人、体質によって適量は大きく異なる。
軽いのどの渇きやめまいであれば水を多く飲んだりライムジュースを飲んだりすればよいという。
大麻入り料理を安全に食べる方法
タイでは古くから大麻を生薬の1種として扱ってきた。適切に扱えばそれなりの健康効果が得られるそうだ。
大麻入りメニューをおいしく安全に酔わず合法的に食べるためには以下のようなことをチェック。
・ジュースやサラダなど、新鮮な葉を食べる。
・THCを取りすぎないために長時間熱を加えたものはなるべく避ける。パット カパオ(ガパオ炒め)など短時間で調理したものが望ましい。
・煮物、汁物を食べる場合は汁を飲んでも葉は食べないこと。
・医薬局の許可を受け栽培しているところから仕入れた大麻を使っている店を選ぶこと。
この点、名もなき小さな店より有名店の方が安心。
・アレルギー、もしくは酔いやすい体質かもしれないので初めては少しずつ、1日1枚くらいからためし適量を知ること。
・体に蓄積するかもしれないので大麻メニューは1日1食にすること。
・熱を通した葉を1日に5-8枚以上食べないこと。
酔うと食欲が異常に増進したりおしゃべりになったり笑い上戸になったり甘いものが食べたくなったり。これも酒と同じだ。
・熱を通した葉の料理と油を多く含む料理はTHCが多く含まれるので食べ過ぎないこと。
・古い老いた葉や乾燥葉は生葉よりTHCが高いためなるべく避けること。
・アルコールと一緒に摂取しないこと。
・人によっては健康効果より副反応の方が大きいので注意すること。
摂取してはいけない人
・20歳未満の子供、若者(25歳以上が望ましい)
・高齢者
・授乳中、妊娠中、妊娠計画中の女性
・腎臓、肝臓、心臓、血管などに疾患のある人
・薬を常用している人
・アレルギーのある人
バンコクの大麻草料理提供店
参考までにバンコクで大麻料理を提供している店をいくつかご紹介。
キオカイカー เขียวไข่กา
人気料理は、タイ風卵焼き、グリーンカレー、揚げ大麻のライム和え、鶏のタマリンド揚げ、など。
バンコクラードプラオ店(02 227 0685)チェンマイ支店(091 074 0498)
ロット ディー デット
肉麺、ハッピー火鍋、ガパオ炒め、焼き肉、アイスクリーム、などが看板料理。
ラーマ4通りソイチュラー9(087 168 4598)
GTG cafe
日本スタイルカフェ。大麻を使ったパン、ジュース、ケーキなどを提供。
チェンライの大学協力の大麻ファームで育てられたCBDの高い品種を使っているため大麻酔いしないとのこと。
スクムウィット通りソイ36
420 Cannabis Bar
カフェとバーをミックスした感じ。店の自慢は大麻ティー。
スィーナクリン ソイ57、スクムウィット ソイ71、アーリーの3店。
3Koko Japanese Restaurant
きゅうり酢の物、金目鯛、ウニの天ぷらなど日本料理と大麻草を組み合わせた料理を提供。
サートーンヌア通り(02 115 7628, 088 627 8264)
Highland Café
大麻利用カフェの有名店。ビール。ハンバーガー、グリーンカレー、など。
12/7 ラードプラーオ通り
Le Maison by Chef Billy
パスタ、ステーキ、バーガー、など。
1561 ラーサーン通り
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