食は広州にあり、と言われますがタイの食材の豊富さは広州をもしのぐに違いありません。その数多の食材から比較的日本人にもなじみやすいだろうと思われる珍味ベスト10を選んでみました。今回はそうちの10位から6位まで。
10.カブトガニのタイ風サラダ
〈ヤム カイ メンダー〉
日本では天然記念物に指定されているカブトガニ、タイでは一般食材として扱われています。
「天然記念物」というところに心をくすぐられ、食べてみたい、と思われる方は少なくないようですね。
カブトガニは甲羅の間にぎっしり詰まった卵を食用にします。
家庭では汁物、料理店ではライムで卵を和えたヤム カイ メンダー タレーが定番。
カブトガニの卵は磯の匂いが強く、ゆで卵の黄身をねちっとさせた感じの食感です。
カブトガニには、大型でやや緑色がかった皿型カブトガニ(メンダー チャーン)と、中型で赤茶色ぽい茶碗型カブトガニ(メンダー トエ)の二種がいます。
どちらも通常は無毒なのですが、茶碗型カブトガニの方は2月から4月頃にかけて毒を持つようになります。
この毒はフグの毒同様、熱で分解されず、口にすると、頭痛、吐き気、呼吸困難、などを引き起こし最悪の場合死に至ります。
9.カニ味噌の甲羅焼き
〈プーオーン〉
タイ北部にはプーオーンなるカニ味噌食品があります。
日本だけじゃないんですねカニ味噌食べるの。
プーオーンに使うカニは田に棲む小さなカニ。
稲刈りの季節(11月頃)が旬で、穴に潜むカニを1匹ずつクワで掘って捕ります。
そのカニから味噌を取り出し、ねぎと塩を加えてよく混ぜた後、甲羅に詰め、弱火で焼いたものがプーオーン。とても手間暇のかかる食品です。
味はカニ味噌。ウニの風味も少し。
もち米と食べると最高!だとか。
家にくる日本の若い女の子や娘たちはプーオーンをうまそうに食べます。
日本酒にも合いそうですね。
プーオーンは1つの甲羅にカニを5匹以上使います。
利益を上げるため卵や小麦粉を混ぜて増量し色までつける売り子もいるので要注意。
タイ北部の市場などで売っています。
4個セットで20バーツぐらいから。
8.ヤシの芽先のソムタム
〈ソムタム ヨート マプラーオ オーン〉
ヤシの木って食べられるんですよ。
もちろん、木をガジガジ齧ったりするんじゃなくて、木の先端の柔らかい野菜でいえば芽先の部分を食べます。
名付けてヤシの子
タイ語ではヨート マプラーオ「ヤシの先っぽ」と呼んでおります。
ヤシの子、料理店でもわりと定番の食材で、ヤシの子のトムヤムや炒め物がメニューに載っています。
食感は、竹の子の先の柔らかい部分があるでしょ、あんな感じ。
でも竹の子のようなシャキシャキ感はなく味はほんのり甘い。
日本人だったら刺身にして食べちゃいそう。
このほか、ソムタム、酸っぱ煮、辛子味噌炒め、ライム和えなどにすることもあります。
癖がないのでどう調理してもいけますよ。
7.タガメの辛子味噌
〈ナムプリック メンダー〉
日本では絶滅が危惧されているタガメ(タイ語でメンダー)。
タイ人はこの凶悪な面構えの虫を古くから愛し続けてきました。
タガメが体内に持つ化粧品のような香りがたまらなく好きらしいんです。
タガメはタイ人にとって最も身近な虫、というかごく一般的な食材で虫という意識はほとんどありません。
タガメを珍味と言われればタイの人たちは心外に違いありません。
日本人になじみがない虫なので知らない人は、
「タイ人はゴキブリを食べている!」
などとネットで騒いでますが、認識不足もいいところ。
思い込みを捨て冷静に客観的に目をつぶって味わって見れば今まで食べなかったことを後悔するかも。
タガメ、いけます。
さしずめ「沼のドリアン」といったところでしょうか。
揚げたやつをそのままバリバリやってしまうこともありますが、タガメを焼いて唐辛子などと一緒に臼で搗き、ナムプリック メンダー(辛いなめ味噌のようなもの。ディップ)にして食べるのが王道。
タイの有名な家庭料理の一つです。
6.メコン大ナマズのトムヤム
〈トムヤム プラーブック〉
タイとラオスの国境を流れるコーン川ことメコンには世界最大級のナマズ、プラーブックが生息しています。
大きいものは体調3メートル、重さ200キロオーバー。
世界で最も食べでのある巨大ナマズ。
この大ナマズがなかなかの珍味かつ美味。
獣肉じゃないかと思うような味です。
以前はとても貴重だったのですが養殖に成功して以来あちこちの市場に出回っています。
値段もかつての半分以下。
料理店では、緑の若胡椒や唐辛子などとともに辛子味噌で炒めたパットペット プラーブック、あるいはニンニクと粒コショウをして揚げたプラーブック トード カティアムプリックタイにすることが多いようです。
*タイ嫁が好きなので家ではプラーブックのトムヤム、ソテー、フライがよく出てきます。
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