大人気のガパオライス。
でも日本で食べられているやつって
ちょっと違うんだなあ。
本物のガパオライス、パット カパオとは
どいうものであるか、
その作り方のコツなども含めてご説明。
日本式ガパオ ライス
トムヤム、グリンーーカレー(ケーン キオ ワーン)と並ぶ代表的タイ料理にのし上がったパット カパオ(通称ガパオライス)。
赤唐辛子、にんにく、肉、カパオ(カミメボウキ、ホーリーバジル)を炒め合わせた料理で、どういうわけか何十年も前から日本人にひどく人気があります。
ちなみに日本で食べられるガパオライス、入手が安易で安価なスイートバジルを使うことが多いそうです。
ホーリーバジルとスイートバジル、似て非なるもの。
やはりタイと同じ材料を使うのは難しいし、本場のものが日本人の口に合うとも限りませんよね。
それはそれでけっこうなことですけど、一度は本物のパット カパオを味わって頂きたいものです。
まじやばいガパオライスのコツ
「まじヤバイ、パット カパオをおいしくする10のコツ大公開」
というタイ語サイトの記事をもとに、日本人向けパット カパオのコツをアレンジしてみました。
カパオを選ぶ
カパオを炒めるときは主役であるカパオに思いを寄せなければなりません。
カパオには、赤カパオ(カパオ デーン)と白カパオ(カパオ カーオ。緑カパオ、カパオ キオと呼ぶ人も)の二種があります。
「赤カパオは白カパオより匂いがよく、これを使って炒めると香りがぷううんとたつ」
ツウはいいますが、家は白派です。
カパオは葉の大きい部分よりも、花のついた葉の小さな先っぽの部分の方を選んで使うようにするとより香ります。
タイにんにくを使う
続いて香りを高める武器。カパオは1にも2にも香りです。
タイにんにくは小粒で辛味が強く、唐辛子と炒めるだけでよい香りが立ちます。
同様の理由で唐辛子はキーヌー スワンを使用。
こいつは通常のキーヌー唐辛子の倍以上の辛さで、炒めるとぐわんと香り咳き込んでしまうくらいです(辛さに弱い人は避けた方が無難)。
よいナムプラーを使う
マジうまいカパオを作るなら、良いナムプラーを使わなければなりません。
タイ料理を作る上での基礎中の基礎。ナムプラーだけはケチってはいけません。
良いナムプラーを使うことは出来上がりのおいしさが半分保障されたようなものです。
余計なものを入れない
ベビーコーンやキャベツなんぞを入れるのは原価を減らすための悪知恵から始まったもの。
パット カパオの道に外れた行為。
普通、具は長ササゲのみ。まあ、玉ねぎぐらいは許すとしましょう。
まず先に唐辛子とにんにくを炒める
まず先に臼で軽く搗いて潰した唐辛子とにんにくを煙が出るくらいの強火で炒め香りを立たせます。
最近はタイ人でもこの基礎中の基礎を知らず、みな一緒に炒めちゃうらしいです。
ちなみにこの工程中の煙を吸えば、セキ、鼻水、くしゃみが出て大変な目に遭うので注意。毒ガス並に強烈ですよ。
超強火で素早く短時間で炒める
中華鍋をゆすって炒めものをつくるチンさんの魂を乗り移らせ、かしゃかしゃ、パッパッパと炒めます。
汁は少なめに
パットカパオは炒め物です。余分な汁気があってはなりません。
でも、ご飯に汁をかけるのがお好きならば、べちょべちょにならない程度のお汁があってもよいでしょう。
水(またはスープ)はくれぐれも加えすぎないように。煮物になってしまいますよ。
カパオは最後に加える
すべてに火が通ればすぐに火を消し、カパオを入れて余熱で炒めます。
この方法だとカパオがぐんにゃりしません。
・・・そうだったんだ。家ではぐちゃっとなったものしか食べたことがない。そういうもんだと思ってました。
確かにこちらの方がおいしそうだけど、若く柔らかいカパオでないと無理かな。
料理人エーさんが語る激うまカパオの作り方
最近のパット カパオはなってない!とタイのグルメは嘆きます。
以下は料理人エーさんの語るまっとうなカパオの作り方。
カパオという料理のあり方がよくわかるのではないかと思います。
パットカパオは簡単につくれるけれど、おいしくつくるのは簡単じゃない。
近年のカパオはべちょべちょし過ぎている。
コツは強火だ。もし腕に自信があるのなら、強火でさっと炒めなさい。
もたもたせず手際よくパッパッとね。
油はあまりいらない。中華鍋を熱く熱し、にんにく、唐辛子を投下。
もし鶏肉なら脚を使うこと。肉は細切れ、あるいは叩いて挽肉にした方が火が通りやすくてよい。
ナムプラー、白しょうゆ、ソースはお好みで。私はナムプラーは入れないがね。
ソースは調味ソースと甘さ控えめの甘しょうゆ。
ただし、甘過ぎてはいけないぞ。繰り返す。ソースを入れるならほんの少し。
でなければカパオのシロップ炒めになってしまうからな。
私は客がリクエストしないかぎり甘いソースは入れない。
肉に火が通ればカパオ投入。2、3度炒めて返せばすぐに火を止めるのがコツだ。
カパオを炒める(痛める)がノックはさせない。これこそがドライ カパオだ。
もう少しジューシーなカパオを望むならスープを少し加えればよい。
グルメのトゥーさん理想のカパオ
上のエーさんとは対照的にトゥーさんはナムプラーと砂糖を使いやや甘めのカパオが理想のようです。
おいしいカパオをつくるには、まず、パット カパオとは何か、ということを理解しなければなりません。
カパオは真のタイ料理。タイの調味料以外の調味料に極力頼らない.これが大切。
私自身がそうでした。白しょうゆ、黒しょうゆ、かき油、調味ソース、色々なものを入れ、そういうものがおいしいと思っていました。何も考えていなかったのです。
最近のパット カパオは、ベビーコーンや長尺ささげを入れるのが当たり前。あまつさえキャベツまで入れるとは・・・。
カパオに関係のない野菜をどんどん放り込むのは原価を抑えるための不正行為だと私は信じております。
おかげで、そういうものを食べさせられる私たちまで、カパオとは何か、どうあるべきか、ということをだんだん忘れかけているのであります。
今や真のカパオは血眼で捜さなければならない幻の料理。カパオがですよ。ああ。シャムのカパオは絶滅しつつあります。
私は悟りました。初心に帰れ!昔食べておいしかったカパオを思い出せ!
一番けしからんのは、カキ油の影響を受け過ぎだと、いうこと。なんでもかんでもカキ油さえ入れればうまいと思う人が多すぎる。
私のパット カパオは、にんにく、唐辛子、ナムプラー、砂糖、肉、カパオ。これだけで作ります。
タイ在来の小粒にんにく(大きなのはいけませんぞ)と小さなキーヌー唐辛子を炒めて香りをたて、中華鍋の縁の方からナムプラーを回し掛ける。
さすれば、にんにくの味が際立ち、肉を炒めたときによく水気が飛んでさらりと仕上がるのであります。
続いて火を強くし、肉を投入。
火が通ったところでさらにナムプラーを縁から回しかける。
こうしないと底にナムプラーが溜まり、炒めものではなく煮物になってしまうのでおいしくありません。
味を見て砂糖を投下。
味をよく行き渡らせ、なじんだところでカパオ(葉の小さくて花のついているもの)を入れ、香りや味が飛んで黒くなってしまう前にすぐ火を消す。
これだけのことなんですよ。おいしいカパオって。
既成概念を捨てなさい。味付けをすればするほど、何かを入れれば入れるほどおいしくなるという誤った概念を。そうすればカパオはおいしくなります。レス イズ モアは本当なのですよ。
タイ人は何事にもこだわりがなく、料理についても日本人のようにああだこうだと言わないのですが、どういうわけかパット カパオだけは熱く語る人が少なくありません。
人を熱くさせる何かを持っているのでしょうね。
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