知られていそうで意外に知られていないトムヤム。トムヤムの本当の意味、作り方のコツ、ペーストの選び方、具材やスープの種類など、トムヤムについて知っておくと得する話。
トムヤムのスープの種類
まずはスープについての説明から。
トムヤムのスープは、
・濃厚なナム コン
・あっさりしたナム サイ
の2種があります。
ナム コンのコンは「濁った、濃厚な」の意味。
ナムプリック パオという複合調味料やココナッツミルクを加えるため、スープが赤く口当たりが滑らかなのが特徴です。
トムヤム クンなど魚介類によく合います。
一方、ナム サイのサイは「澄んだ」の意味。
ナムプリック パオ、ココナッツミルクを使わないため白っぽく、酸味と辛味が生きたすっきりした味が特徴です。
トムヤム ガイ(鶏)など肉類によく合います。
ココナッツミルクが苦手な人、カロリーが気になる人もこちら。
*ナムはナーム、「水、汁」のことです。
*通常、レストランで出されるトムヤムはナム コンですが、もともとはナム サイだったと思われます。
*コンかサイかは注文時に選べます。
トムヤムの素、ペーストの選び方
トムヤムは材料も少なくかなり簡単な料理ですが、トムヤムの素を使えば面倒な買い出しと味付けの手間が省けますのでさらに時間の節約になります。
トムヤムの素には、ペーストタイプ、固形タイプ、粉末タイプ、スープタイプ、があります。
いずれもナム コンとナム サイが用意されてますので購入のさいに確認してください。
ほとんどのものはトムヤムの素を熱湯に入れ、エビやキノコといった具材を加えるだけでできあがります。
価格は、20B~90B程度。
売れ筋のトムヤムの素
参考までにタイで売れ筋のメーカーを載せておきます。
・ローボー 袋入り。ペーストタイプ。
・ロットディー 味の素が出している粉末タイプのトムヤムの素。
・クノール ご存じ固形タイプのトムヤムの素。
・ローイタイ 箱入りスープタイプのものはそのまま暖め具を入れるだけ。
・メープローイ 袋入り。ペーストタイプ。値段は少々高め。
トムヤムを作るときのコツ
トムヤムは味を染みこませる煮込み料理ではありません。
さっと煮てさっと味付けをするのがポイント。
*インスタントラーメンにトムヤムペーストを少し入れるとトムヤム ラーメンになります。
トムヤムとは…タイ語トムヤムの本当の意味
トムヤムとはエスニックなハーブの香り漂う酸っぱくてうま味のある激辛スープ。
外国人にはタイ料理の代表のように認識されています。
トムは「煮る」、ヤムは「混ぜる」。
と、どのサイトも説明しているわけですが、なぜ煮て混ぜるのかまでは説明していません。
実はトムヤム、以前は食べる直前に器へ取り、器の中で調味料を混ぜて調味していたんです。
だから、トム、ヤム。
ヤムは「和えるように混ぜる」ことです。
*家を含め、今でもこういうやり方をしている人はけっこういますよ。
器調味法のよさは、一回ごと器で味付けするので鍋に残ったスープは元のまま。
味付けに失敗しても全滅にはなりません(笑)。
トムヤムに入っているハーブと調味料
トムヤム独特の香り、風味を醸し出しているのは、レモングラス、こぶミカン、ガランガ。
味付けはナムプラーとライム、唐辛子。
トムヤムは本来とてもシンプルなスープです。
*市場やスーパーなどでは、レモングラス、こぶミカン、ガランガをまとめたトムヤムセットが売られています。
*ガランガ(なんきょう)はショウガ科の植物。香りは化粧品系。
*こぶミカンは表面がでこぼこしたライムほどの柑橘類。これも化粧品系の香りで料理には葉を使います。
トムヤムの具材、具の種類
トムヤムというのは調理名。
この後ろに具の名前をつけたものが料理名になります。
たとえばエビ(クン)のトムヤムならトムヤム クン
という具合。
よく食べられているトムヤム
・トムヤム クン -------- エビのトムヤム
・トムヤム ガイ -------- 鶏肉のトムヤム
・トムヤム プラー ------- 魚のトムヤム
・トムヤム フアプラー ----- 魚の頭のトムヤム
・トムヤム タレー ------- シーフードトムヤム
・トムヤム ヘッド ------- キノコのトムヤム
・トムヤム スィーコーン ムー - スペアリブのトムヤム
トムヤムの鍋
トムヤムに使われる中央に煙突のある鍋は火鍋です。
炭もしくは固形燃料で熱を加え続けますのでアツアツが食べられます。
レストランでトムヤムを注文しますと火鍋、一般食堂ではどんぶりが多いようです。
火鍋か器かは注文時に選べますが、火鍋の方が値段は高くなります。
*鍋で欲しい場合は ペン モー、丼で欲しい場合は ペン トエ、といいます。
*トムヤムは普通の食堂だと1鍋150B~300B。
*火鍋も燃料も大手スーパーなどで売っています。
トムヤムは本当に世界3大スープなのか
日本の人がトムヤムについて書くと必ず「世界3大スープの一つ」というフレーズが挿入されますが、これは日本人の間で語られる伝説のようなものです。
あくまでも個人の意見。
少なくとも当のタイの人たちはトムヤムが「世界3大スープの一つ」であることを知りません。
ちなみに日本で言われる「世界3大スープ」残りの二つはブイヤベースとフカヒレだそうです。
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