ヘルシーなイメージで人気の春雨。タイでもとりわけレディーたちに愛され食べまくられている。タイの春雨は脇役ではなく堂々主役を勤める定番食材、という話。
タイには2種類の春雨がある
春雨は豆や芋の澱粉から作られる。
日本の春雨はジャガイモが主原料。
タイの春雨は緑豆(モヤシをつくる豆)が主原料。
タイで食べた春雨がおいしいかった、という人はこの辺の差を感じたのかもしれないね。
春雨といえばどなたも乾燥春雨を思い浮かべるだろうけれどタイの春雨には生春雨と通常の乾燥春雨がある。
スーパーのチルドコーナーに並ぶビニール袋入り生春雨。
日本でいえば茹でうどんの感覚かな。
君よ知るや生春雨のおいしさ
タイの伝統的春雨の作り方は、
・水に浸け柔らかくした緑豆を挽きタンパク質や水を分離。
・できた澱粉に水を加えて練り、穴あき容器に入れた生地をトコロテンのように熱湯の中に押し出してゆがく。
と、いたって簡単。
ゆがいた春雨を冷水に浸け水切りしたのが生春雨、天日で乾かしたものが乾燥春雨だ。
生春雨のよさはその食感とのどごし。
モチモチ、ツルツル、スルスルスル。
春雨ってこんなにおいしかったのか!
どなたもおどろかれるに違いない。

普通の白い春雨
春雨は危ない?安全な春雨の選び方
春雨を買うさい注意して欲しいのは漂白剤。
メーカーによっては基準を上回る漂白剤を使用していることがあるらしい。
無漂白の春雨も出ているので健康指向の方はそちらを選ぶこと。
ただし値段はやや高め。
漂白する手間がいらないのだからもっと安くしてもよさそうな気がするのだけれどね。
いずれにしろあまりに白すぎるものは避けた方が無難だ。

少し緑っぽい無漂白の春雨
それから原料。
豆澱粉100%のもの、タピオカ澱粉の含有量が高いもの、配合は色々ある。
タイでは緑豆がよいとされているため豆澱粉100%のものはやや高く、ほかの原料を使ったものは安め。
この辺りは好みなので自分の舌に合った春雨を選んで欲しい。
さてさて、問題は生春雨。
生春雨はおいしいのだけれど危ない!と警鐘を鳴らす人がいる。
理由は先の基準を超える漂白剤に加え防腐剤の心配があるのだ。
防腐剤を使わなければ使わないで衛生管理の不備からくる菌汚染の危険性。
買うさいは信用のおけるメーカーを選ぶこと。
春雨とビーフンの違い
春雨とビーフン、よく似ていて混同している人も少なくない。
春雨とビーフンの違いは原料。
春雨が緑豆や芋の澱粉から作られるのに対しビーフンはうるち米が原料。

これは春雨かビーフン、どちらかな
春雨は太らない?ダイエットと春雨
レディーたちに春雨が人気な理由の一つはヘルシーなイメージ。
なんとなくカロリーが低く太りにくい、と思っている人が少なくないのだけれど、製造過程でタンパク質などの栄養分の多くは取り除かれ成分のほとんどは炭水化物。
確かに小麦粉を使ったインスタント麺よりは低カロリーなものの、ダイエットによい、といえるほどの食品ではないようだ。
お勧めタイの春雨料理

春雨のサラダ、ヤムウンセン
春雨のサラダ(ヤム ウンセン)
春雨をライム、ナムプラー、砂糖ベースのタレで和えた料理。
タイの春雨料理といえばまずこれを思い浮かべる人が多いと思う。
タイでも一番人気の春雨料理。
屋台から高級レストランまであらゆるところで食べられている。
家庭でもよく作るし市場の惣菜売り場でも定番。
ちなみに日本では春雨サラダと呼ばれることが多いのだけれど、タイではヤムとサラダは区別されている。
ヤムというのは一言でいえば、ナームヤムと呼ばれるライム、ナムプラーベースのタレを具にかけて和えた料理。
ヤムは「混ぜ合わせる」の意味。
エビとイカの春雨サラダ(ヤム ウンセン タレー)のレシピ
材料 (2人前)
・剥きエビ ------ 6匹(背中を切る)
・イカ -------- 100g(適当に切る)
・春雨 -------- 1カップ(戻して適度に切る)
・タマネギ ------ 1/4個(適当に切る)
・トマト ------- 1個(小ぶり、種を出す、とある)
・芹菜 -------- 1本(クン チャーイ。適当に切る)
・漬けニンニク ---- 1個(ニンニクの甘酢漬け。適当に刻む)
・唐辛子 ------- 大さじ2(タイ人レベル。小粒のキーヌー唐辛子。適当に刻む)
・ライム汁 ------ 大さじ3(マナオ)
・ナムプラー ----- 大さじ3
・砂糖 -------- 小さじ2
・漬けニンニクの汁 -- 大さじ1
(ニンニクの甘酢漬けの汁。よく調理に用いる。なくてもOK)
作り方
・先にタレ作り。唐辛子、ライム汁、砂糖、ナムプラー、漬けニンニクの汁をよく混ぜ合わせる。
・春雨をゆがき混ぜるための器に入れておく。
・エビ、イカをゆがき、春雨の器に入れる。
・タマネギ、トマト、漬けニンニク、芹菜を投入、ヤムタレを注ぎよく混ぜ合わせれば出来上がり。
【春雨のスープ】 トム チュード ウンセン
挽肉で出しを取り春雨を入れて煮た日本人に大人気のスープ。
ほとんど中華の世界だけれどポピュラーな料理で家庭でもよく作られる。
鍋に入れた春雨はおいしい。あの鍋の春雨を手軽に食べたい、という人はこれ。

中国海苔と春雨のスープ
春雨のスープのレシピ
材料 (5~6人前 所用時間15分)
・豚挽肉 ------ 200g
・白しょう油 ---- 大さじ2 肉の下味用
・コショウ ----- 小さじ1/2 肉の下味用
・戻した春雨 ---- 1カップ
・タマゴ豆腐 ---- 2本
・ニンジン ----- 1/2 輪切り
・白菜 ------- 4枚
・スープ ------ 4カップ
・白しょう油 ---- 大さじ3
・コショウ ----- 小さじ2
・砂糖 ------- 小さじ2(好みで)
・タイネギ ----- 2本
・パクチー ----- 2本
・パクチーの根 --- 2本
・揚げニンニク --- 大さじ1
作り方
・挽肉に白しょう油とコショウで下味をつけよく混ぜ合わせる。
・スープを沸かしパクチーの根を入れる。
・肉を適当な大きさにすくって投入、続いてニンジン、白菜を入れる。
・沸騰してくれば白しょうゆ、砂糖、コショウで味付け。
・タマゴ豆腐、春雨を投入。
・ネギ、パクチー、揚げニンニクを散らしてできあがり。
【春雨のガパオ】 パットカパオ ウンセン
ご存じ日本でもおなじみカパオ。
あのカパオに春雨を入れて炒めた料理。
ちなみにカパオはシソ科の植物。
バジルの仲間でholy basilとも呼ばれる。日本語ではカミメボウキ。

大人気のパット カパオ
タイではカパオは「何を食べるか考えあぐねたときのメニュー」と呼ばれる。
早くて簡単。多少不出来でもそこそこ食べられる。
でもおなじみ過ぎて「またか・・・」とつぶやきたくなったときは目先を変えてこの料理。
春雨のガパオのレシピ
材料 (2人前)
・豚挽肉 ------- 100g
・春雨 -------- カップ大盛り(戻してカットしたもの)
・唐辛子 ------- 10個(タイ人レベル)
・ニンニク ------ 5片
・カパオの葉 ----- 1カップ
・シーズニングソース - 小さじ2
・カキ油 ------- 大さじ1 1/2
・砂糖 -------- 小さじ2
・水 --------- 適宜(レシピには 1/4カップとある)
・油 --------- 大さじ2
作り方
・唐辛子、ニンニクを軽く潰れるくらいに臼で搗き(包丁の腹などで叩きつぶしてもOK)油で香りよく炒める。
・豚肉投入。火を通す。カキ油、シーズニングソース、砂糖で味付け。水を加えよく混ぜ合わせる。
・カパオの葉と春雨を入れて混ぜ火が通れば出来上がり。
春雨のエビパッタイ(パット タイ ウンセン クン ソット)
みんな大好きパッタイ。
「タイ炒め」という印象的な名前もあって世界中の人に愛されている。
これはクエティオ(米粉麺)の代わりに春雨を使ったパッタイ。
普通のパッタイよりちょっぴり低カロリーでヘルシー。
何よりプツンプツン切れるクエティオと違い伸びのある弾力が春雨好きにはたまらない。

普通はセンチャンという米粉麺を使う
春雨のエビパッタイのレシピ
材料 (2人前)
・剥きエビ ------ 8匹(背中を切る)
・春雨 -------- 2カップ(戻して適度に切る)
・鶏卵 -------- 2個
・黄豆腐 ------- 半カップ(ウコンなどで着色した調理用の硬い豆腐。小さく切る)
・漬け大根 ------ 大さじ2(砂糖漬け大根。小さく切る)
・干しエビ ------ 大さじ2
・モヤシ ------- 1カップ
・ニラ -------- 2本(適当に切る)
・タマリンド汁 ---- 1/4カップ
・水 --------- 1/3カップ
・パームシュガー --- 1/3カップ
(ナムターン ピップ。ねっとりとした砂糖。普通の砂糖でも代用可)
・辛子ソース ----- 大さじ2(ソース プリック。チリソースの一種)
・煎りピーナッツ --- 大さじ2(小さく砕く)
・粉唐辛子 ------ 小さじ2(タイ人レベル)
・油 --------- 大さじ3(適当に調節)
*タマリンド汁はマカーム ピアックと呼ばれるタマリンドの塊を水に溶いたもの。
酸味をつけるのに用いられる。ライムなどでも代用可。
作り方
・まずはソース作り。タマリンド汁、水、パームシュガー、ソースプリック(少々)を混ぜ火にかける。
・沸騰、砂糖が溶ければ鍋を火から下ろす。
・フライパンに油を入れ豆腐を揚げ炒める。火が通ればエビ、大根、干しエビを加え香りよく炒める。
・春雨、作っておいたソース、唐辛子、ピーナッツを入れ炒め合わせる。
・卵を投入、モヤシ、ニラを加え炒め全体にに火が通ればできあがり。
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🙂 上にあるレシピはタイ語を直訳したものなのでこの通りに作ってもうまくでくきるかどうかは不明。
だいたいこんなものだ、という参考レシピです。
🙂 「これ、カンチャナブリーのお土産。とっても人気のある春雨なのよ」
と、下の娘ミカンが自慢げに持ってきた春雨、地元のスーパーでも売ってました。
気は心・・・。
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