タイ米を食べ続けて数十年。今も毎日タイ米です。日本米の味は忘れてしまいましたが(笑)、タイ米については多少語ることができます。というわけで、おいしいタイ米とは、その選び方は、などの話です。
タイ米の品種の選び方
まずは品種。
タイには、サオ ハイ、ホーム パトゥム、スパン、チャチュンサオ、など実にたくさんの種類がありますが、スーパーで簡単に手に入り、日本人がおいしく食べられるレベルの米はもうほとんどジャスミン米一択。
ジャスミン米(カーオ ホーム マリ)は世界中に輸出されているタイを代表するブランド米です。
・ジャスミン米は総称で カオ カーオ ドーク マリ105 、コーコー15 などの品種があります。
・米に番号がついている場合、奇数はウルチ、偶数はモチ米を表します。
・カオカーオ(カーオカーオ)は白米の意味で、前のカーオが米、後ろのカーオが白を指します。
カタカナで書くと同じですがタイ語で書いてもほぼ同じ。声調記号が少し違うだけです(笑)。
ややこしいですね。
新米より古米が高いタイの不思議
品種の次は新米か古米かの選択。
日本人には信じられないのですが、タイでは古米が新米と変わらない値段、ときには新米以上の価格で売られています。
なぜタイ人は古米を好んで食べるのでしょうか。
お米は気温の変化などで日に日に劣化が進み、色も香りも変わってしまいます。
常識的に考えて古米がおいしいはずないですよね。
少し本気で調べてみました。
古米が好まれる理由
古米(カオ カオ。後ろのカオは「古い」の意味です)。
一般には収穫から1年経った米のことですが、人によってはそれ以前でも古米と呼ぶことがあります。
水分が飛んだ古米は炊くと米粒がよく膨れ鍋に盛り上がります。
これをクン モーといい、タイ人がとても喜ぶ炊きあがりです。
米粒がくっつかず、粘りが少なく、新米より硬め。
「古米はタイ料理にとてもよく合う。ぐちぐっちゃり潰れないし甘く滋味がある」
「パラパラだから炒飯にも最適」
タイの人は言っています。
新米をありがたがらない理由
「水分の多い新米は炊いても膨れない」
「粘り気が強く粒がくっつき合ってどう炊いてもべとべと」
タイ人が困惑するのはこのべとつきです。
粘りけがあると汁気が弾かれタイのおかずと合いません。
古米が新米より好まれるのはこの点です。
日本人の大好きなふっくらもちもち感をタイ人は嫌います。
面白いものですね。
これが新米を避ける原因にもなっているのですから。
日本人が求める米のおいしさを全否定しているわけです。
ご飯の好みに関して日本とタイは対極にあるといえます。
とはいえ、最近は食のグローバル化が進みタイ人の嗜好もかなり変化し新米を好む人も増えてきました。
新米の良さは何と言っても香り。
タイの人もこれは認め、お粥(カオトム)やチョーク(砕米粥)には新米がよいと言っています。
タイ米の等級は長さで決まる
タイの米の袋に表示されている等級は米の長さです。
1級から3級の順に短くなり、1級の上には特級(特別選別米。カット ピーセード)があります。
長さが味にどう関係するのかわかりませんが、たぶん短い米は成長が不十分で味も今ひとつ、ということではないでしょうか。
そう高いものではないのでなるべく1級以上を買った方が良いと思われます。
でも1級を買ってかなりまずいものに当たったことがありますから、等級よりもメーカーを指標にした方がよいかもしれません。
特級はまあまあ大丈夫です。
袋にタイ語しか書かれていない場合は値段を目安にしてください。
スーパーに並べられている特級5キロ入りで一番高いはのは 290 バーツ前後。
安い物は5キロ入りで 100 バーツちょっとぐらいでしょうか。
確実にいえるのは、安物米はまずいです。
白米(カオカーオ)100%とは何か
等級のほかに白米(カオカーオ)100%。5%、10%、15%、といった分類をすることがあります。
これは折れていない米、砕米(さいまい。折れ米)の含有率を表しています。
日本米と違いひょろ長いインディカ米はどうしても精米の過程で折れやすいのでこのような分類が必要になるのでしょう。
たとえば ホーム マリ 1級 100% とあれば、1級(7mm以上)の米が40%以上含まれている、という意味です。
このほか砕米の含有率とか細かく規定されているのですが説明は省きます。
100%はわかるとして、5%と10%、15%では、5%の方がよいので間違えないで下さい。
砕米の多い下級米を食べ、いつもと違う食感に気持ち悪くなったとがあります。
100%をおすすめします。
タイ米の選び方 結論
日本の方にはジャスミン米100% 特級の新米をおすすめします。
これがまずいと感じられるようでしたら、タイにあなたの舌を満足させることのできる米はないかもしれません。
新米は精米後2週間、籾は2ヶ月で変質。
食べられはするけれど、もう当初のおいしさはないといわれます。
真空パックなら1年ぐらい保存できるらしいので、拘りのある人は精米後すぐに真空包装されたものを選んで下さい。
もちろんこういう手間をかけたものは高いです。
使い切れなかった分は冷蔵保存。
もう常識ですよね。
以上。
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