日本人がタイソーセージと呼ぶ食品は、東北式ソーセージ(サイコークイサーン)、北部式ソーセージ(サイウア)、酸肉(ネーム)、香腸(クンチアン)、豚ソーセージ(ムーヨー)の5種がある。今回はその中から豚ソーセージの話。レシピ付き。
タイソーセージの種類
日本人がタイソーセージと呼ぶ食品は以下の通り。
サイコーク イサーン
肉にご飯粒を混ぜて乳酸発酵させ酸味をつけた東北式ソーセージ。
原価を安くするため米を多く詰めたものを米ソーセージ(サイコーク カーオ)、春雨を多く詰めたものを春雨ソーセージ(サイコーク ウンセン)と呼ぶ。
サイ ウア
ご飯粒を加えずハーブ類を練り込んだ乳酸発酵をさせない北部式ソーセージ。
ネーム
豚、もしくは水牛の肉を挽肉状にし、薄く切った皮とご飯粒を混ぜて発酵させた食品。日本人はネームソーセージと呼ぶけれど正しくはソーセージではない。
クンチアン
中国式のやや硬いソーセージ、香腸。少しねちっとした食感がある。通常は豚肉だが魚肉を使ったものもある。保存が効く。
豚ソーセージ、ムーヨー
上の4種のソーセージのほかに日本人がタイ豚ソーセージと呼ぶものがある。
タイ語でムーヨー。本来はバナナの葉で包まれ、直径4㎝長さ10㎝前後の円筒形の肉。
下味をつけて練った豚肉をバナナの葉で包み蒸したもので、製法や味、形はソーセージというより肉のかまぼこといったところ。
簡単に言えば「孤独のグルメ」で取り上げられたベトナムソーセージのタイ版。
タイでは北部、東北部の名物とされ、お土産の定番になっている。
バナナの葉で厚く包まれているわけ
ムーヨーはバナナの葉で厚く包まれ肉にたどりつくまでに幾枚ものバナナの葉を剥いて行かなければならない。
「上げ底だ!」
と腹を立てる人もいるのだけれど、これは大きく見せるためではなく、水が入ってくるのを防ぎ保存性を高めるために厚くしてある。
豚ソーセージの選び方
最近はスーパーやコンビニでビニール包装のムーヨーが簡単に手に入る。
脂や皮を混ぜたもの、黒胡椒を利かせたもの、シイタケを混ぜたものなど種類は色々。
価格は100~200gのもので30~70バーツ。
北部や東北部では昔ながらのバナナの葉で包まれたムーヨーが土産物屋や市場、食料品店などで普通に売られている。
価格は肉の量に比例。
小麦粉などつなぎの多いものは1包み15バーツ前後、ほとんどつなぎをを使っていないものは50バーツ前後。
豚ソーセージの味
ムーヨーは肉のかまぼこ。
しこしこ、ぷりぷり。
癖はないし日本人にもまったく違和感なく食べられる。
ビニール包装とバナナの葉の違いは香り。
バナナの葉で包まれたムーヨーはバナナの葉のよい香りがする。
豚ソーセージの食べ方と保存
肉の代わりにムーヨーを使ったライムの和え物、ヤム ムーヨーは有名。
生でも食べられるし、むろん焼いたり揚げたりしても抜群。
このほか肉代わりとしてあらゆる料理の具に用いられる。
ぼくはバナナの葉の包みから取り出したのをもう一度ボイルして醤油やマスタードと食べることが多い。
ビール党にはたまらないつまみである。
ビニール包装のムーヨーは冷蔵で長期保存が可能だけれどなるべく加熱して食べること。
バナナの葉のものは普通そのまま食べる。
ただ、傷みが早く常温だと数日しか持たないので食べる前によく確認。
表面がぬるぬるしていたら捨てること。
冷蔵庫に入れておけば1週間以上は持つ。
豚ソーセージの作り方
便利な食材で肉代わりに何にでも使えるし手作りも難しくはないので暇なときに作ってみるのもよいかもしれない。
肉を包む素材はバナナの葉が一番よいのだけれど、ラップやアルミホイルでも代用できるとのこと。
材料
豚挽肉 500g
にんにく 3-4片
小麦粉もしくは片栗粉 大さじ2
塩 大さじ 1/2
ナムプラー 大さじ1
(黒)胡椒 大さじ1
膨らし粉 小さじ3/4
好みに応じて砂糖などを追加。
作り方
・ミキサー、フードプロセッサーなどを使いすべての材料を混ぜよく練る。
コツは豚肉を冷たく保つことで、水を加える場合はクラッシュアイスの氷水がよいそう。
・アルミホイル全体に油を塗り練った肉を円筒形に包む。
(包む前、冷凍庫で肉を20分ほど寝かせるとよいというレシピや、アルミ箔は裂けやすいのでアルミの上からさらにラップで包むめというレシピもあった)
・中火で30分ほど蒸せばできあがり。
以上。
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