タイのモチ米は文句なしにおいしい。日本人に大人気のソムタム、カイヤーンなどもおいしいモチ米があっての料理。そのモチ米の種類、選び方、そして黒米などについての話です。
モチ米にもこだわるタイ料理ツウ
日本人に大人気の、ソムタム、焼き鶏(カイヤーン)、串豚(ムーピン)。
これらはみなモチ米とセットで食べる、というのはきっとご存じでしょう。
タイにはモチ米あっての料理がたくさんあります。でも、
「ソムタムはラオス式に限るね!」
とか
「やっぱりカイヤーンはウィチアンが一番だよ!」
などと、料理には一家言持つ人が多いのに、モチ米には無頓着な人が少なくないようです。
どんなにおいしい料理でも肝心のご飯が今ひとつではおいしさが半減。
逆にいえば、料理が多少残念でもご飯さえよければけっこうおいしく頂ける、というわけです。
タイ産モチ米のベスト3
現在、タイで食べられているモチ米は、コーコー6(ホック)、蛇の牙(キオグー)、サンパトーン(チェンマイの地名)、がベスト3。
コーコー6
世界的に有名なウルチの銘柄米ジャスミン105が放射線照射によって突然変異を起こしたモチ米。
これがタイの放射線照射による品種改良米の最初の成功例といわれています。
蛇の牙(キオ グー)
コーコー6の改良品種。
カオニオ ムーン(ココナッツライス)の需要増大に伴い開発されたそう。
コーコー6より粒が小さく先細りであることから付けられた名前が蛇の牙。
普通に食べてもとてもおいしいです。
サンパトーン
サンパトーンはウルチ米とモチ米の交配種。
収穫量が多いので蛇の牙よりはわずかに安めです。
ただ、キオグーにしろサンパトーンにしろ産地によって価格は異なるので一概にはいえません。
大人気、チェンライ産「蛇の牙」
3種の中で最も人気なのがチェンライ県産の蛇の牙。
1ライ(1600㎡)当りの収穫量が少ないため価格も他品種より高め。
続いてサンパトーン。コーコー6
この3種は大手スーパーでも簡単に手に入ります。
ちょっと面倒ですが、自分で蒸してみるのも面白いかもしれません。
買うのなら1級以上をお選び下さい。
価格は1キロ入りで45バーツ前後です。
玄米も売ってますが価格は倍近くします。
お米の鮮度
お米は生産されてからの期間により、
新米(カーオ マイ) 6ヶ月以内
中米(カーオ クラーン ピー) 6ヶ月~12ヶ月
古米(カーオ マイ) 12ヶ月以上
という風に分類されています。
モチ米の場合、古米は仕上がりが硬くなるので新米か中米がよいと言われます。
が、家のタイ嫁のように、古米が一番!という人も少なからずいて、日本みたく何がなんでも新米、というわけではなさそうです。
最高級黒米カオ ルーム プア
タイ西部ターク県の山では少数民族のモン族が昔からカーオ ルーム プアという米を栽培していました。
常食する米ではなくて祭り用の濃紺の餅米。
モン族の村では新年、妻たちがこの米を貪り食らい亭主を忘れて遊びまくる祭りがあるのだそうです。
何でもカーオ ルーム プアには大麻に似た成分が含まれ、食べるとハイになってぶっ飛んじゃうのだとか。
そこでつけられた名前がカーオ(米)ルーム(忘れる)プア(夫)。夫忘れ米。
亭主を忘れてしまうほどおいしい?
まあ、たまには亭主を忘れて日頃たまった鬱憤を晴らしたいときもあるでしょうが、これは巷に広まっている冗談なので本気にしないで下さい。
名の本当の由来は、ピサヌローク県の農業試験場で働いていたモン族の青年が、
「この米はあまりのおいしさに嫁さんが夢中になって食べるんで、我に返ったときはお櫃がすっからかん。亭主に残しておくのを忘れるくらいなんですよ」
と、いったのを受けて試験場の人が、
「じゃあ、亭主忘れ米だね」
と、返したのが始まりだそうです。
どっちにしろ亭主側からすればあまりありがたくない米には変わりありませんね。
近年、カーオ ルーム プアは強い抗酸化作用を持つ健康食品として注目され、その印象的な名と味のよさも手伝い、広く栽培されるようになっています。
「健康によくて、香りがよくて、ぷちんとはじける食感が心地よくて、おいしい」
絶賛です。
大手スーパーでも手に入りますよ。
価格は安いもので1キロ数十バーツ、良いものだと180バーツ前後と結構高めですけどね。
以上。タイ北部のモチ米、本当にうまいですから。
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