高菜に似たパッカードーンという漬物を使ったスープの話。
高菜漬けのスープ(トム パッカードーン)
高菜に似たカラシ菜の漬物を豚肉と煮たスープはタイの家庭料理である(特に北部)。
味付けは基本、醤油(またはナムプラー)。
だしは豚肉。スペアリブ、三枚肉がよく使われ、苦瓜(ゴーヤ)を入れることもある。
香辛料、ハーブ、唐辛子の類は用いず、辛くないしエスニック感もない。
タイ料理というより中華料理に近い感じだ。
日本人にもまったく違和感なく受け入れられるなかなかできたスープである。
どこで食べられるか
トム パッカードーンは出来合の惣菜をご飯にかけるタイプの大衆食堂(カオラードケーン)で食べられる。
レストランなどのメニューにはまず載っていない。
家のトム パッカードーン
家のトム パッカードーンはとんでもなくしょっぱい。
そういうものだと思っていたのでまっとうに塩抜きをしたおいしいスープを外で食べたときはびっくりした。
つれあいはどうやら塩抜きをせずに煮ていたらしい。
それが我が家の「お袋の味」だったのだけれど、トム パッカードーンが大好きだというお客さんに出したところ、
「しょっぺえ!」
露骨に顔をしかめられ、つれあいもようやく自分の味覚がおかしいことに気付いた。
以来、きちんと塩抜きをするようになり、感動して「うまい!」を連発したら週に1回は食べさせられるはめになった。
そろそろ嫌いになりそうかと思いきや、意外に飽きないもので先日もおいしく頂いた。
トム パッカードーンの作り方
以下はタイ語のページをそのまま訳したレシピ。
うまくできるかどうかは工夫次第。
材料
・パッカードーン(酸味タイプ)- 350g
・水-------------- 5 カップ
・スペアリブ---------- 600g
・ニンニク----------- 9 片(叩いて潰す)
・醤油もしくはナムプラー---- 大さじ 5
・胡椒------------- 小さじ 1
作り方
・パッカードーンをたっぷりの熱湯で1分ほど煮て引き上げ、水切り後、適度な大きさに切る。
・鍋で水を沸かし沸騰したところで肉を入れ15分(中火)煮る。
・パッカードーン、ニンニクを入れる。
・味付け。
・弱火で軟らかくなるまで煮込む。
*上にも書いたようにおいしいスープと残念なスープの違いは塩抜きの塩梅だと思う。
パッカードーンとは
パッカードーンはパッカード(アブラナ科の植物)ドーン(漬ける)の意味。
カラシ菜(パッカード キオ プリー)を塩と米のとぎ汁(またはご飯粒)で発酵させたもの。
日本語ではよく「高菜の漬け物」と訳される。
パッカード キオ プリーは高菜ではないけれど高菜同様、カラシ菜の変種らしい。
タイ語のサイトには、Mustard Greens,Chinese mustard,leaf mustard,Chinese green mustard,Indian mustard などと呼ばれる、とある。
学名は Brassica juncea(L.) Czern.
*パッカード キオ プリーでなくほかのカラシ菜類を使うこともある。
以上。
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