タイはカラフルだ。赤、白、黄色、紫、群青、ダイダイ、ピンク、色とりどりの花が年中咲き誇っている。その中から家の庭に咲く花、身近な花をご紹介。
センコウハナビ(フットボール リリー)
タイ名ワーン セーンアーティット、ワーン クマーントーン。
熱帯アフリカ東部原産。
最も暑い4月5月末頃、毎年庭の隅で丸い花を花火のようにポンポン咲かせる。
植えたのではなく昔から生えていた。
あまりにまん丸なので少し笑える。
どことなく彼岸花に似てるなと思えばやっぱり彼岸花科だそうだ。
ハメリア パテンス
タイ名ドーク プラタット。プラタット タイワン、プラタット トーンとも。
中南米原産。アカネ科ハメリア属。
この花にはチョウやハチ、ハチドリに似た太陽鳥などが蜜を吸いによくやってくる。
ほぼ通年花を咲かせるのでチョウや鳥を愛でるのが好きな人には好都合な花。
うんざりするほどよく茂り、邪魔になっては枝をポキポキ力尽くで折りまくっているけど一向に枯れない。
刈り込みに耐える丈夫な木のようだ。
鳳凰木
タイ名ハーンノック ユン ファラン。
マダガスカル原産。ジャケツイバラ科。
4月~6月、暑季から雨季にかけて咲く。
遠くから眺めると木が炎に包まれているように見え、多くの日本人は火炎樹と呼ぶ。
大きく横に広がり木陰を与えてくれせいか公共の場によく植えられている。
サンタンカ
タイ名ドークケム(針花)。
中国南部、東南アジア原産。アカネ科サンタンカ属。
つぼみのうちは天ぷらにしたり卵焼きに入れて食べられる。
それほどの味ではないのか家の食卓に出てきたことはないけれどタイ嫁は子供の頃、この花の蜜をよく吸ったそうだ。
ウィキペディアには
〈昔の人は家にこの花を植えると賢さ、聡明さが得られると信じた。そこから現代では賢く智恵のある人間になれますようにと「先生の日」に先生に捧げたり、神仏や宗教行事に縁起の良い花として捧げられたりする〉
とある。
賢さ、聡明さは針が鋭く尖っているところからの連想。
ちなみに花の効力で鋭い知性を手に入れるには水曜日に庭の東側に植えるべきだそうだ。
*権力をこよなく愛するタイには「先生の日」があり、生徒が先生を敬う儀式が毎年行われる。
チョウマメ(バタフライピー)
タイ名アンチャン。
豆科、蔓性植物。
日本では一年草らしいけどタイでは多年草。
庭に植えたアンチャンはもう5年くらい経つ。
だいたい5月から12月頃まで青い花を咲かせ続け庭に彩りを添えてくれる。
タイではバタフライピーの花を食品の着色に使ったりハーブティーとして飲む。
タイ式生薬方ではアンチエージング、目によいとされ、家でもよくアンチャンティーを飲んでいるのだけれど、効果のほどはよくわからない。
また、髪を美しく健康にすることでも知られアンチャン成分配合の黒いシャンプーが売られている(タイ嫁が愛用)。
ホウガンノキ
タイ名サーラ。
艶やかな朱色の大きな花が幹から直接花柄をにょきりにょきり突き出して咲き、20センチほどもある丸い玉がぽこぽこぶら下がる。
一度見れば忘れられないへんてこな木。
ホウガンノキのホウガンは砲丸投げの砲丸。
言い得て妙。
タイ名のサーラは沙羅双樹のことだけれど、これはサーラ ランカー、スリランカの沙羅双樹と呼ばれ、本物の沙羅双樹とはまったく異なる南米原産の木。
しかしタイでは一般に沙羅双樹と誤解されているため神木として寺の境内に植えられることが多い。
ホウガンノキは大きく育つわりに枝が折れやすく熟れた実が臭い、などの理由から民家の庭には向かないとのこと。
ギンヨウノウゼン(タベブイア アウレア)
タイ名ルアン プリディー ヤートーン。タベー ルアン、ルアン シリントーンとも。
中南米原産。ノウゼンカズラ科タベブイア属。
開花は乾季の2月3月。この頃タイ北部は雲一つない快晴が続き、青い空に黄色い花が映える。
花1つ1つはそうでもないのだけれど、いくつかが塊になって桜のように木一杯に咲いているところはとても美しい。
街道沿いによく植えられており車で通りかかるとつい止めて眺めたくなる。
この木がずらり並んだスパンプリー県やパヤオ県の黄色街道は有名。
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