簡単に作れ、健康によく、しかも安ておいしい。とりわけ主婦にとっては言うことなしの空心菜の炒め物についての話です。
身近な野菜、空心菜
中華の食材として日本人にも認知度が高い空芯菜(ヨウサイ、エンツァイ)。
タイでは最も身近な野菜のひとつです。
ソムタムに添えて生食したり汁物にしたりライムで和えたり、色々な食べ方ができますが、外国人にもよく知られ人気があるのは「炎の空心菜(パック ブン ファイ デーン)」と呼ばれる炒め物。
本当にあっという間にできておいしい1品。
目に良く懐に優しい空芯菜
空心菜は豊富なビタミン、ミネラルを含んでいます。
中でも群を抜いているのがカロテン(ビタミンA)。
タイでは昔から「空心菜を食べると目が美しくなる」といわれてきました。
科学的な知識はなくても経験的に目に効能があることを昔の人は知っていたんですね。
このほか、カリウム、カルシウム、鉄、葉酸、食物繊維などを多く含み、生活習慣予防、骨並びに体力増強、血の健康力向上などによいと言われます。
そして、なにより、安い。
家計にも優しい空心菜です。
というわけで、主婦たちに愛されまくっている空心菜の炒め物。
家でも頻繁にお世話になってます。
嫌になるほど。
タイ語の意味
「炎の空心菜」はタイ語でパック ブン(空芯菜)ファイ(火)デーン(赤い)。
空心菜を炒めるさい、盛大な炎が上がるところから名づけられました。
なぜ炎があがるか
熱く熱した中華鍋で油が蒸発したところへ空芯菜を放り込むと付着していた水の蒸気が油と反応、炎となる、とタイでは説明されています。
だから炎を上げるポイントは油の煙が立ち上るほど熱したところに多少濡れた空芯菜を入れるのがコツらしいです。
完全に乾いた空芯菜では炎が上がらないとのこと。
うそか本当かは知りません。
料理人の腕は空芯菜炒めでわかる?
上手に炒めた空心菜はとてもおいしい。
同時に、上手に炒めるのは難しい。
べちょっとした空心菜炒め、よくありますよね。
タイでは料理人の腕を見るにはパックブン ファイデーンを作らせろ、と言われています。
というのはウソですが、そういいたくなるほど難しい料理ではないかと思います。
おいしい空芯菜炒めとは
おいしいパックブン ファイデーンとは、煙がでるほど熱した中華なべに空心菜を放り込んで強火でさっと炒め、にんにく、唐辛子、タオチオ(中国の液状味噌。もろみ)、のバランスが絶妙で、ごく少量の汁にパリッとした空心菜、だとぼくは思っています。
こういうのに出会うと本当にお皿までなめたくなってしまうくらいです。
空芯菜炒め(パックブン ファイデーン)のレシピ
「炎の空心菜」は肉類を使わず唐辛子とニンニクで炒めるのが基本です。
材料
・空芯菜 ----- 1掴み(パックブン チーンと呼ばれる栽培品種)
・ニンニク ---- 大さじ1(皮をむいて潰す)
・唐辛子 ----- 適宜(叩いてつぶす)
・タオチオ ---- 大さじ1(もろみに似た中国味噌)
・カキ油 ----- 大さじ2(本来は入れない)
・砂糖 ------ 小さじ1(本来は入れない)
・水 ------- 大さじ2(本来は入れない)
・油 ------- 大さじ1
作り方
1. 空心菜を洗い適度な大きさに切る。もしくは手でちぎる(たいてい半分くらい)。
2. 冷水にしばしつけたのち水を切る。
2. 空心菜を皿にあげ、すべてをかける。
3. フライパン(できれば中華鍋)を強火にかけて油を熱し、熱くなれば空心菜を入れて素早く炒める。
*とにかく強火で素早く、がコツ。
*空心菜を傷めないようヘラなどの器具を使わずフライパンをゆするだけで炒めるのがコツ、という人もいる。
*氷水につけると色よく仕上がるのだとか。
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