辛いときに水を飲んだりすると逆効果。氷もいけません。辛さを和らげようと思ってしたことが反って辛さを増幅してしまうことがよくある、という話です。
水を飲むのは逆効果
辛い物を食べるとたいてい
「水、水!」
と騒ぎながらコップに手を伸ばしますが、水を飲んで辛さが治まったことありますか?
確かに飲んでいるときは辛さが和らいだように感じますが、その後は前にもまして辛くなり、また水を飲み・・・何度もこういうことを繰り返していると気分すら悪くなってきますよね。
辛い物を食べたときに水を飲むのは逆効果。
タイに暮らし初めて数週間で気づかされました。
後にその理由を科学が解明。
辛さの原因であるカプサイシンは水には溶けない性質のため、水では洗い流すどころか逆に拡散してしまい、ますます辛さが増すそうです。
激辛王国タイで耐え難きを耐え、何十年も生き延びてきた経験から言っても水は止めた方が良いと思われます。
氷、冷たい物も要注意
それから氷。
辛いときは冷たい物で口の温度を下げるのが有効、と専門家はいいます。
冷たい物、といえば氷。
実際、タイ人でも氷を口に含んで辛さを和らげようという人がいますが、これは水より辛さのぶり返しが強烈です。
氷がなくなったとたん襲ってくる激烈な辛さといったらあなた・・・。
ぼくは「口中の温度を下げる」という解決策には疑問を持っています。
どうしてかというと冷水を浴びた後は身体が温かく感じるでしょう。あれと同じですよ。
それに口の中って36℃ぐらいに温度が保たれていてずっと冷やし続けるわけにはいかないじゃないですか。
でもアイスクリームは別。
カプサイシンを溶かす油脂類が豊富だし、甘味は辛さのレベルを引き下げる働きがあるというし、たくさん食べられるし、大好きだし(関係ないか)、試したことはありませんが、辛さを柔らげるほぼすべての条件に適っているのでけっこう有効なのではないかと思っております。
熱いものは辛さを倍増させる
辛さは口の中の温度が高いほど辛く感じられます。
冷めたトムヤムと熱々のトムヤム、どちらが辛くないか、といえば冷めたトムヤムです。
では、冷めたトムヤムと熱々のトムヤム、どちらがおいしいか、といえばやはり熱々ですよね。
辛くない方を取るか、おいしい方を取るか。
難しい選択です。
本当のことをいえば、タイ料理ほどのレベルになると、熱くても冷たくてもあまり関係ありませんがね。
きついアルコールの摂取は厳禁
激辛料理を食べてウイスキーなんぞをストレートで飲んだりすれば胃の弱い人はイチコロです。
ぼくはタイに暮らし始めた頃、現地の人に負けまいと激辛料理を出されるままに食べ、きつい密造焼酎を勧められるままに飲み干して慢性胃炎になってしまいました。
治るまで5年以上はかかったんじゃないかな。
それ以来、辛さでタイ人と競り合うなんてしょせん常人には無理なことだと悟り、馬鹿みたいに辛い料理はは避け、酒をストレートで飲むことも止めてしまいました。
激辛料理と酒の組み合わせは本当に最悪です。
気をつけないと食べたいものも食べられず飲みたいものも飲めず腹を抱えてうんうんうなることになりますよ。
牛乳を飲めば辛さが治まる説は本当か
日本でもタイでも「辛いときは牛乳を飲めば辛さが治まる」という牛乳一推し説が大勢のようです。
でも「牛乳にそんな効果はない!」と書くサイトもいくつかありました。
理由は、カプサイシンに反応するセンサー「TRPV1」が一度働いてしまうと途中で止めることはできないから。
それにこのセンサー、表面でなく少し内部にあるらしく、そこの染みこんだカプサイシンに反応するため、牛乳を飲んだぐらいでは洗い流すこともできない、ということらしいです。
実際に試された方の感想を読んでも牛乳で辛さを消すのは無理なのではないかと思います。
辛さ対策が難しい理由は、上にも書いたようにカプサイシンが少し深いところのセンサーで感知されているため、何を食べようが何を飲もうがその多くは表面を流れるだけなのであまり効果がない、ということのようです。
辛くしないで、といっても無駄な理由
辛い物が苦手な人の多い日本人。
タイに滞在し食事をするときには、
ヤー タム ペット、マイ ペット(辛くしないで)
などと店の人にいうわけですが無駄です。
どんなに頼んでもほぼ辛い料理が出てきます。
それはなぜか。
辛くないと思うレベルが違うからです。
辛さレベル10に慣れているタイ人にとって辛くないとはレベル5ぐらい。
でもレベル0が出発点である日本人にはレベル5でも耐えがたく辛い、というわけです。
日本人が「辛い物はだめ」というと本当にだめで、唐辛子が少し入った甘いタレを一口なめて飛び上がり、慌てて水を飲む人さえいます。
アレルギー反応と変わりません。
これが現地の人にはわからないのです。
タイにも辛いのがだめな人はいますが、それでも幼い頃から何度も経験して多少は食べられますからね。
このことをぱっと入った店で理解してもらうのは至難の業です。
というわけで、辛い物がだめな人は最初から辛い料理に手を出さないのが一番。
意外に知られていないようですがタイ料理って辛い料理ばかりではありません。
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