本場タイ式バタフライピー ティーの作り方、飲み方

鮮やかなバタフライピーの花 スパイス、ハーブ

タイでは健康飲料として多くの人に飲まれているバタフライピーの花のジュース。その鮮やかな青色は天然色素として菓子の着色にも使われます。
一方、タイに古くから伝わる生薬方(サムンパイ)では、頭髪の増毛、育毛、によいとされていることから、バタフライピーの成分入りシャンプーが人気です。
大活躍のバタフライピー。名探偵コナンのトリックにも使われたことがありますよ。

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バタフライピーとは

バタフライピー(和名チョウマメ)はスイートピーに似た豆科の植物です。
花の形が似ているところから学名はクリトリア(クリトリ・・・のこと)テルナテア。大植物学者リンネが名づけたのだとか。
タイ語ではアンチャン。アンちゃん、兄ちゃん。一発で覚えられる名前ですね。

タイのバタフライピーの話なのでここからはアンチャンと呼ぶことにします。

アンチャンの4大利用法

花のティー(ジュース)で髪をツヤツヤにする

アンチャンの青い花は、頭髪の増毛、育毛を促すほか、色を黒くしたり艶を出したり等の美髪効果があるとされ、昔はこれで頭を洗う人が少なくありませんでした。
今では工場で作られたシャンプーがアンチャンに取って代わられましたが、アンチャンの花が髪によいことは広く知られており、アンチャン入りのシャンプーが多くのメーカーから販売されています。
ちなみに家の隣のおばさんは未だにアンチャンの花の汁で髪を洗っていますが・・・。

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花のジュースで食品をショッキングな青に変える

タイの人たちは昔からアンチャンの花の煮出し汁を利用して食品に青い色をつけてきました。
とりわけ菓子類によく使われ、今も青いタイスイーツはたいていアンチャンで着色されています。

どこかで青いご飯を見かけたことはありませんか。
けっこう衝撃的な青ご飯。
これもアンチャンを使って色付けしたものです。
食べ物には青い色が少ないせいかなんとなく警戒心を持ってしまいますが、大丈夫。むしろ身体によいくらいですよ。

作り方を少し説明します。
餅米バージョンとうるち米バージョンがあるのでまずは餅米の方から。

チョウマメの花で色をつけた青いご飯。

衝撃的な青いご飯。よく菓子に使われる。

1. 餅米を洗い(15分ぐらい明礬に浸ける人もいる)、濃いアンチャン水に一晩浸ける。
2. 蒸す前に餅米を水で洗うのですが、このとき、水をかけるようにして洗い、研いだり、揉んだりしてはいけません。
3. トゥーイの葉をのせて蒸せば鮮やかな青色のご飯が出来上がり。

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*トゥーイはニオイアダンという植物のことで、タイの人たちはこの植物の葉をよく香り付けに用います。炊きたてのご飯にも似た柔らかな香りがするのですが、なければ入れなくてもかまいません。

この青く色をつけて蒸した餅米をそのまま食べることは滅多になく、たいてい甘いココナッツミルクを混ぜてカオニオ ムーン(ココナッツミルクご飯)にします。

うるちの青いご飯はとても簡単。濃いめに作ったアンチャン水を普通の水の代わりに入れて炊くだけ。
淡い色でよければ米を研いだ後に花びらを適宜散らすだけでも色がつきます。
そのまま茶碗によそってもいいし、焼き飯にして周りの人を驚かせするという手もあります。
同様にパン生地をアンチャン水で作れば青いパンができますよ。

花のジュースを飲んで若返る

アンチャンの青い色にはアントシアンが多く含まれ、抗酸化作用によるアンチエージング、血行改善、眼の疲労、などに効果があるといわれています。
そのせいかタイでは女の人、とりわけ容貌の衰えが気になり始めた世代の人がよくアンチャンジュースを飲んでいるようです。

酸で色の変わるバタフライピージュース

ライムやレモンを加えると色が変わる。

アンチャンティーはコップに5つ6つ花(ガクはとった方がいいかも)を入れて湯を注ぐだけ。色が出たら花は取り出して下さい。
花は生、乾燥、どちらでもかまいません。
タイでは冷たく冷やして飲むのが一般的です。
花の量、濃さによって、夏の淡い空の青、冬の深い空の青、紺碧、様々な段階の青が楽しめますよ。
ちなみに家ではヤカンで作り、冷やした後、ボトルに移し換えて冷蔵庫に入れています。

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アンチャンジュースは、ライム、レモンなど酸性のものを加えると色素に含まれるアントシアンが酸と反応、搾る酸の多寡によって紫やワインレッドなどの色を作り出すこともできます。
簡単にいえばリトマス試験液のようなものかな。

ライムで色の変わったバタフライピージュース。

名探偵コナンでこの性質を利用したトリックが使われたこともある、ということは日本では一般に知られていないということですね。
このトリック、タイだと一発でばれてしまいます(ぼくもすぐにわかりました)。

アンチャンジュースはほとんど無味無臭(敏感な人はほんの少し鉄の匂いを感じます)のため氷を入れてそのまま水代わりに飲めます。
シロップや蜂蜜を混ぜて甘くしたり、ライム、ソーダを加えたり、色々な楽しみ方ができるのもアンチャンのよさ。
ジン、ウォッカなどのスピリッツを割るのにも悪くありません。
美しい色に見惚れついつい飲み過ぎてしまいそうですね。

アンチャンを食べる

アンチャンの花はこのほか、和え物、タマゴ焼きなどにも使われ、生食もされます。
揚げ物にもできますが、アンチャンを揚げた後は油が真っ青になりますのでご注意(経験済。笑)

アンチャンには血液をさらさらにする効果、凝固しにくくする効果があるといわれます。従って貧血体質、生理中、妊娠中の方は避けた方が無難です。同じ理由からジュースなどのあまりに濃いものも身体によくありませんのでご注意下さい。

アンチャンの手に入れ方

乾燥させたものは日本でもネットで購入できます。
タイでは健康食品を扱う店やお茶屋さんに置いてあることが多いようです。
なるべく色のきれいなもの。ガクが緑色のものをお選び下さい。

アンチャンはタイでは多年草で庭などによく植えられていますが、生の花はあまり市場に出回らないので手に入れるのは難しいかもしれません。

-以上、アンチャンに関する話でした-

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