《日本人の勘違い》本当のタイカレーとは

料理

タイ料理としてよく知られているグリーンカレーにレッドカレー。あれ実は外国人が勝手にカレーと呼んでいるだけでカレーではありません。本当のタイカレーとはどんな料理か、という話です。

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タイカレーって何?

《日本人は「タイのカレーはどんなの」とよく聞きますが、日本人にとってタイカレーはどんなのかを知りたいです。
もともとカレーはインドのじゃないですか。
タイに何種ものカレーがあるとは思わなかった。
ケーン キオワーンとかはカレーの一種なのかな?
日本人はグリーンカレーっていうけどあれはカレーなの?》

どう見てもカレーじゃないでしょう

どう見てもカレーじゃないでしょう

娘のワカメが日本に留学していたとき送ってきたメールです。
娘によれば、会う人の八割ぐらいは、
「ねえねえ、タイ人って毎日どんなカレー食べてるの」
と訊いてくるのだそうです。

日本人が知らない本当においしいタイカレー
日本でも「とてもおいしい」と好評のタイカレー。でも本場のタイカレーはもっとおいしい、と言いたいところだけれど、実はタイカレー、段々まずくなっている。その理由は何なのか、本当においしいタイカレーとはどんなカレーか、という話。

タイ人は毎日カレーなど食べていない!

「タイ料理といえばカレー」
「タイ人は毎日のようにカレーを食べている」
などと思っていませんか。
娘が書いているようにタイ人はカレーに馴染みがありません。
日本人がカレーと勘違いしている料理はケーン(ゲーン)という料理です。
ケーンは辛子味噌で肉や魚、野菜を煮込んだ汁ものの総称。
簡単にいえば辛子汁。

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ゲーンはカレーにあらず

確かにケーンはインド料理の影響を受けていると言われます。
でもタイの人に 「ケーンはカレーか」 と訊けば、間違いなく 「違う」 と答えるはずです。
ぼくもケーンをカレーと呼ぶには抵抗があります。

日本でレッドカレーと呼ばれるケーンペット

日本でレッドカレーと呼ばれるケーンペット

ケーンはケーン。
人間の祖先はサルですが、人間がサルではないのと同じです。
ケーンとカレーの違いはスパイス。
タイ料理の特徴でもあるのですが、ケーンはスパイスではなく生のハーブを多用します。

カレーはゲーンの一種

タイにもカレーという料理がないわけではありません。
でもそれは、ケーン カリーといって、ケーンの一種として認識されています。
しかも、日本で有名なマッサマン同様、あまりメジャーな料理ではなく、ケーンのベスト3に選ばれることもありません。

カレーのようなカレーでないような

カレーのようなカレーでないような

ケーンがカレーと呼ばれるようになったのは恐らく西洋人向けのメニューが原因。
メニューなんてけっこういい加減に書かれています。
面倒だから辛い汁物はみんなカレーにしちゃえ、という感じでしょうか。

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本当のタイカレーとは

タイの本当のカレー(カリー)は日本人がイエローカレーと呼んでいる料理で、タイ式(南伝)と中国式(北伝)の二つのタイプがあります。

南伝のタイ式カレー

タイ式カレーはじゃがいもと肉を各種香辛料、煎りピーナッツなどで煮込み、マイルドな口当たりでさらりとしたカレーです。
タイ式とありますが南のマレーの方から伝わってきました。

ついでにいえば世界一の料理に選ばれたマッサマンもじゃがいもと香辛料を多用しています。
こういう料理は本来のタイ料理ではないと思って間違いありません。
タイ人は香辛料より生ハーブを好みます。

北伝の中国式カレー

中国式は黄色味が強くとろみがあって日本人のイメージするカレーにわりと近いです。
でも、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもの類は基本的に入っていません(入れる人もいる)。
具はたいてい牛の筋のみ。それをとろとろになるまで煮込んだカレーです。
ココナッツミルクは使わずコーンスターチなどでとろみを出します。
辛味はほとんどありません。

いずれにしろタイにおけるカレーとは口にしたことのない人の方が多いマイナーな料理といえます。

おまけ   カレーといえば・・・

ほとんどの日本人同様、ぼくもカレーが好きである。
小さい頃からたまらなく好きである。
同じものを連日食べるのは大嫌いだけど、カレーだったら4日は許せる。

でもぼくがいうカレーは本格的なやつじゃなく、ハ○○バー○ンドカレー辛口である。
タイ嫁もときどき香辛料を搗いて煮込んだまっとうなカレーを作るけど、やっぱりハ○○バー○ンドカレーの方に惹かれる。

カレーはやっぱり日本カレー

カレーはやっぱり日本カレー

ある日、バー○ンドカレー辛口を12人前作ったので、チェンライの町に暮らしている日本の女の子、ヨシコちゃんとまる子ちゃんを家に招いて一緒に食べたことがある。
二人ともろくな食生活をしていないのでこれくらいでも喜んでくれるのだ。
そのとき、
「やっぱりカレーはバー○ンドカレー辛口だよねえ」
カレーを味わいながらしみじみいったら、まる子ちゃんは口に運びかけていたスプーンを空中でぴたりと止め、

「ちょっと、おっちゃん。何言うてはるてんですか。ご馳走して頂いてなんですけど、カレーいうたらバー○ンドカレー中辛やおまへんか」
本気で怒った。
「な、な、な、なんちゅう物知らずな小娘よ。中辛いうたらバー○ンドカレーの中で一番まずうて猫でも食べんで(当たり前だ)」
おじさんも思わず訛りが出てしまうほど腹を立てた。
そしたら、薄ら笑いを浮かべて聞いていたヨシコちゃんが

「二人とも何馬鹿なことで喧嘩してんですか。カレーといったらジ○ワカレーに決まってるじゃありませんか」
と、のたまったのでまる子ちゃんと二人してウェスタンラリアットを決めてやったら椅子ごとひっくり返った。

世の中、それだけは許せない、ということがある。
好みの問題なのだから言い争いをしても無意味なんですけど、なぜか熱が入りますよね。
ぼくは普段、料理に関しては天然、本物志向で化学調味料は絶対使わないしインスタントもの人工的なものを加えた食べ物は極力避ける。

でもカレーと福神漬けはだめである。
幼いころに刷り込まれた味からは死ぬまで逃れられないのだろう。
みなさんはこんな弱み持ってませんか。

追記
近頃はバー○ンドカレー辛口では辛さが物足りなくなりジ○ワカレーの一番辛いやつに惹かれています。
毎日タイ料理でしごかれていると日本の辛口、大辛がまったく辛くなくなるのは困ったことです。

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