観光にしろ長期滞在にしろ、どの国でも絶対にやってはいけないことがあります。それは外国人にはなかなか理解し辛いものですが、知らないでやり過ごすことはできません。タイでの侵すべからずタブーの話です。
タイの三大タブーとは
まず始めにタイの国旗を見て下さい。
タイの国旗は、青、白、赤、の三色よりなっています。
青は国王、白は宗教、赤は国家と民族。
これがタイ人と接するにあたっての三大タブーです。
タイの三大タブー
1.王室批判
2.宗教軽視
3.国家、国民蔑視
王室に関するタブー
タブーで一番気をつけないとならないのは青。
王室に対する批判、侮辱するような行為は絶対にしてはいけません。
タイは建国以来の王国で王室をとても敬う民です。
もしこれに抵触すれば不敬罪があなたを待っています。
そして不敬罪というのは重罪であることを知っておいて下さい。
くれぐれも軽く見ないように。
駅やバスターミナルなどでは毎朝八時と夕方六時に国歌がスピーカーから流されます。
そういう場に遭遇したときは、国歌が終わるまで直立不動の姿勢をとるのがタイの常識。
映画館では上映前に王室賛歌が流され、これまた直立不動。
外国人だからかまわないだろう、と椅子に座ったままだと、お叱りを受けることになります。
ひげの落書きをして捕まった西洋人
昔、王様のポスターにヒゲの落書きをして捕まった白人がいました。
白人は刑務所に何年も入れられ、日本や西洋諸国では信じ難いニュースとして面白おかしく報じられましたが、タイの人たちからすれば極めて当然のこと。
絶対に赦せない行為なのです。
日本の常識にどれだけ反していようとも、タイではタイの方が正しい。
タイにはタイの常識があります。
ちなみにその白人、確かオーストラリア人だったと思いますが、彼の政府が働きかけたこともあり、数年後に恩赦で釈放、国外追放となりました。
宗教に関するタブー
次いで白の宗教。
南部に多いイスラム教徒に配慮して明記はされていませんが、90%以上の人たちが仏教徒であるため事実上仏教がタイの国教です。
タイの人たちにとって寺はとても神聖な場所であり、坊様は私たちの想像する以上に敬われています。
お寺へ行ったり坊様に接触したりするさいは細心の注意を払い言動に気を付けて下さい。
僧との接し方
最近はお坊様も戒律を守るのが大変らしく破戒僧のニュースが新聞やテレビで頻繁に報じられます。
逆に言えばそれだけ人々の僧に対する関心が高いということ。
ちなみに、僧が犯罪を犯した場合はたとえ現行犯であっても警察は手錠をかけません。
別の僧を呼んできてその場で還俗させ、黄衣を剥ぎ取ったうえで逮捕します。
僧はタイ人にとって侵さざるべき絶対的存在なのです。
というわけで、一般人はたとえ外国人といえども不敬な態度をとってはいけません。
タイで特に注意しなければならないことの一つです。
仏像の扱いにも気をつける
タイではどんなに出来のよくない仏像でもそれが仏像である限り決して疎かにしてはいけません。
とりわけ人目につくところの仏像、仏像に模したディスプレーなどは置き方や置き場所が悪かっただけでも大問題です。
ときどき西洋人が仏像を単なるインテリアとして飾り、炎上しています。
お守りの仏像ペンダントなども雑に扱うとお叱りを受けるので要注意。
民族に対するタブー
最後に赤の国家と民族。
タイ人の愛国心半端ないです。
何事につけタイが一番だと信じています。
日本人は批判されてもけっこう平気で真摯に受け止める人も少なくありませんが、タイ人はタイとタイ人を蔑視するような言動をとても嫌います。
これも警察沙汰にされてもやむを得ないことです。
日本語だから大丈夫だろうなんて思わないでください。
けっこういるんですよ。日本語のできる人がそこら中に。
そしてそういう批判に対してはとても敏感な耳を持っています。
気をつけられたし。
以前、タイの有名女優の写真が中国かどこかの小さなソープ店の看板に使われた、ということで大騒ぎになった事件がありました。
結局タイ政府が介入、相手国に抗議、看板を書き換えさせたようです。
ちなみに日本の女優の写真がタイでは無茶苦茶無断使用されていますが問題視されたという話は聞いていません。
政府への批判も外国人は気をつけた方がいいです。
タイは自由に政府を批判できる日本とは違います。
特にSNSとかで迂闊なことを書いたりしないように。
以上がタイの三大タブーです。
あなたがどう思われようとそれは自由。
ご自分の主義、主張に基づいて行動するのはけっこうなことです。
しかし、タイにはタイの社会、倫理があり、それを無視すれば彼らの法によって処理されることになります。
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