ソムタムはパパイヤ料理の最高傑作です。
でも注文がけっこう難しく店まかせにすると
しばしば口に合わないものを出されてしまい
ます。というわけで自分の口に合った
ソムタムをタイ人のように注文する方法の
話です。
人を虜にするパパイヤサラダ、ソムタム
ソムタム、おいしいですよね。
食べれば思わず
「幸せ~」
と叫びたくなってくるくらい。
これほど多くの人の心をわしづかみにする料理も珍しいんじゃないかなあ。
日本人にももうすっかりおなじみのソムタムですが、一応説明すると、ささがきにした青パパイアを手臼に放り込んで搗き、ライム、ナムプラー、パームシュガーで味付け、和えた料理です。
本家タイではサラダではなく臼を使うタム(搗く)という料理に分類されています。
タイ式ソムタムとラオス式ソムタム
ソムタムにはタイ式ソムタム(ソムタム タイ)とラオス式ソムタム(ソムタム ラーオ)があります。
どこが違うのかというと、タイ式は基本的に生トウガラシで魚の塩辛(プラーラー)は入れません。
いいわゆる普通のソムタム。
ラオス式は基本、乾燥トウガラシを使い魚の塩辛を入れます。
実際にはラオス式というより、魚の塩辛入りソムタム、塩漬けカニ入りソムタム、あるいは塩漬けカニと魚の塩辛入りソムタム、という風に分けられることが多いです。
干しえびとピーナッツで味を出すタイ式は洗練されていてスマート。そのぶん味の深みは今一歩。
ラオス式は魚の塩辛で味を出し、田舎料理っぽく臭いけど味は惹きつけられるものがある、といったところでしょうか。
カニを入れるべきか入れざるべきか
ようするにソムタムを注文するさいには、魚の塩辛、カニを入れるか入れないかのチョイスがあるのですが、まさか、カニ抜きを選んだりしませんよね。
数あるソムタムの中でもカニ入りソムタム、ソムタム プーはとりわけおいしいんです。
あの強烈な匂い、味。ああ、癖になっちゃう。
でも世の中、意外にカニを避ける人が多いみたいです。
あのおいしさを知らないの?信じられない。
なあんてね。
ほんとうは塩漬けのカニ大嫌い。
すっげえくっせえもの。
臭いにさえ耐えられればおいしいんだろうなあ、とはなんとなくわかります。
でもだめ。
カニはおいしくても衛生管理に問題
ソムタムに使うカニは田や海の小型のカニを塩に漬けて発酵させたもの。
一種独特のうま味を醸し出しますが、上にも書いたようにこれの入ったソムタムは臭いです。
その上、衛生管理に問題があることが多く、食べた後はたいてい腹を壊すしジストマも怖い。
下痢もジストマも火を通せばある程度防げるのに面倒がって生を使う店が少なくありません。
でもツウにいわせれば
「カニ抜きのソムタムなんてソムタムじゃねえ!」
のだそうです。
立派なツウになるためには悪臭にも負けず下痢にもめげないタフな心身が必要です。
ツウになれそうもない方はカニ抜きをどうぞ。
プラーラーを入れるべきか入れざるべきか
ラオス式ソムタムに使われるプラーラーというのは、魚に塩と炒り米を加え瓶に漬けて発酵させた魚の塩辛です。
発酵といえば聞こえはいいですが、ようするに腐敗一歩手前の魚。
身の溶けかかった魚がドロドロの液に浸かってとても人間の食べ物には見えません。
こいつが見かけそのままにむちゃくちゃ臭い。
タイの臭いものベスト10に必ず入る実力者です。
漬けカニ同様うま味の調味料なのですが火を通さずに使うとやっぱり下痢、ジストマの原因になります。
もちろん、ツウの人たちは
「プラーラー抜きのソムタムなんてソムタムじゃねえ!」
とおっしゃります。
ソムタム注文の実践
「ソムタムを食べなけきゃタイに来たとはいえないよ」
こんな言葉にだまくらかされてひっくり返った外国人は数え切れず。
ソムタムはとてもおいしいけれどとても辛いです。
通常ソムタムに使われるトウガラシはタイのトウガラシの中で最も辛いネズミのうんこちゃんトウガラシ(プリック キーヌー)。
ソムタム屋で単に「ソムタム」と注文したのでは、極悪非道の辛さに鼻水ズルズル涙ポロポロのみっともない姿をさらしかねません。
こういう憂き目に遭いたくなければ、どういうソムタムを望んでいるのかをきちんと伝えることがおいしいソムタムにありつくコツです。
まずは、ラオス式かタイ式か。
タイ式を指定しておけば、少なくともプラーラーの襲撃だけは抑えることができます。
ついで辛さ対策。
「辛くないとおいしくない!」
とかいってキーヌートウガラシを10個以上も放り込む人たちとまともに張り合ってはいけません。
笑われようが馬鹿にされようがおばちゃんに手加減をお願いしましょう。
この場合、マイ ペット(辛くないの意。つまり甘口)といってもいいのですが、トウガラシレベル10のソムタムに慣れているおばちゃんにとってはレベル5でも十分甘口。
でもレベル0が出発点である日本人にはレベル5でも耐えがたく辛いです。
より確実に辛さを加減してもらいたいときは、はっきりトウガラシの数を指示してください。
普通の日本人ならせいぜい2つがいいところでしょうか。
そして最後に マイ サイ プー(カニ抜きで)と付け加えれば、まずまず、おいしいソムタムにありつけるはずです。
では、おいしい自分好みをソムタムをお楽しみください。
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