《タイ最強の生肉料理》リアルラープとプリッツラーブ

料理

タイ限定ご当地プリッツ ラーブ味。
日本人に大人気の定番タイ土産。
そのラーブ、もともとは東北、北部
地方の郷土料理。ラーブには数種
あるのだが今回は北部の豪快な生
ラーブをご紹介。

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プリッツ ラーブは本当にうまいのか

「タイ土産の定番といえばプリッツ ラーブ味!」と以前からガイドブックに載っているし「タイのおすすめ土産ベスト10」とかのサイトにも必ずプリッツ ラーブ味が入っている。
何でこんなものが土産になるのか理解に苦しむのだけど、みんなが買っているのだから自分も買わなきゃ、と思う人は少なくないようで、デパートや大手スーパーには観光客用にダース入りの大箱まで並べられている。
一箱当たり数十円。貰う方はともかくバラまく方は嬉しいに違いない。
まさか自分で食べるために買って帰ったりはしないですよね。

タイ土産の定番プリッツ ラーブ

タイ土産の定番プリッツ ラーブ

と、いう文をあるところに書いたところ、
「いやいや、プリッツ ラーブとてもおいしいです。はまってます」
「棚に並べてあるだけ買います!」
などと思わぬ反論を受けて少しびっくりした。
この世の中、あれを本気でうまいと思う人がいるらしい。
自分がもともとプリッツ系のお菓子が好きでないもので偏見を抱いていたようだ。
好評だから何十年も売られているんだよね。
プリッツ好きにとっては是非にでも買って帰りたいものだそうだ。

プリッツ ラーブのラーブとは

さてさて、そのプリッツラーブのラーブとは何なのか。
パッケージには、
「ピリッと辛いタイ東北料理『ラーブ』がプリッツに!」
「タイ風ピリ辛サラダラーブ」
と表記してある。
昨今、何でもかんでもピリ辛。それに本物はピリ辛ではなく馬鹿辛だし・・・。

代表的東北料理ラーブ イサーン

代表的東北料理ラーブ イサーン

それはともかく、プリッツ ラーブのラーブはラーブ イサーン(東北)のことらしい。
ラーブ イサーンは包丁でトントン叩いた挽き肉をゆがいてナムプラー、ライム、唐辛子で味付け。シャロット、コブミカンの葉、ミント、煎り米などを混ぜた東北地方の代表的料理である
日本人にも人気があり熱狂的なファンも少なくない。

ラーブはハレの日の料理

ラーブはラオスからタイ北部、東北部にかけて見られるハレの日の料理。
祭事には飼っている豚や牛を屠(ほふ)り新鮮な肉でラーブをつくる習慣がある。
つい最近までこれらの地域の最高のご馳走だった。
ラーブがハレの日の料理として好まれるのは「福」という意味のラーブと音が同じ、ということも関係している。
つまり、ラーブを食べればラーブ(福)に通じる、というわけ。
ほんと、根っから語呂合わせの好きな人たちである。

北部の生ラーブで肉のうまさに目覚める

今回ご紹介したいのは上の東北ラーブではなく北部のラーブ、ラーブ ヌア。
ラーブ ヌアは生肉を包丁で叩き香辛料で和えた料理。
熱を通したラーブ スックと生のラーブ ディップがあり、生ラーブの方が本来のラーブ。
豚、牛、水牛などの赤身の一番いいところ(ロースとかヒレとかその辺)をトントントントン包丁で叩いてミンチ状にし、生血や胆汁をかけプリックラーブと呼ばれる複合香辛料で和えたド迫力の料理である。

北部のご馳走生ラーブ

北部のご馳走生ラーブ

不気味さと滅茶苦茶辛い、という点を差し引いて冷静に味わってみればラーブはとてもおいしい。
肉そのものの甘味と胆汁の苦味がじゅわっと舌に染み入り追いかけるように複雑なスパイスの香りが鼻孔をくすぐる。
ラーブは本当にいくら食べても飽きない。
魚は刺身、肉はラーブに限るといってもいいくらいだ。

ラーブは様々な野草と食べる

ラーブを引き立てるのがパック ラーブ。
ラーブには、よくもまあこんなに食べられる植物があるもんだ、と感心するくらい様々な草木の葉や若芽などが添えられる。

ドクダミも生で食べる

ドクダミも生で食べる

甘いのあり、苦いのあり、酸っぱいのあり、えぐいのあり、水が甘く感じられるものがあり。
それらの一つ一つが実にラーブの味をうまく引き立ててくれる。
先人の知恵というのはたいしたものだ。

味の決め手は肉の鮮度と香辛料

うまいラーブは一にも二にも肉の鮮度。
できれば屠りたてのまだ生暖かい湯気を立てているような臓物と肉を使うのが望ましい。
味の決め手は、乾燥唐辛子、シャロット、にんにく、山椒、マレープ、胡椒、パクチーシード、ナガコショウ、ガランガ、レモングラスなどを細かく潰し煎った複合調味料(プリック ラーブ)。
この香辛料の香りがラーブを格段にうまくする。

生ラーブを揚げてみた

生ラーブを揚げてみた

ラーブにも色々あって、通常食べられているのは、豚、鶏、牛、水牛、アヒル、それに川魚。
森で野豚やセンザンコウなどが捕れたときもたいていラーブにしてしまう。
今まで一番うまいと思ったラーブは鹿(キョン)である。
肉が1キロ50バーツだった時代に300バーツもした。
トントン包丁を打ち付けているうち肉がふわーと膨らんだのが不思議であった。
肉は軽く癖がなく、それでいて十分に深い旨味を持っていた。

残念ながら生ラーブは避けた方が無難

ラーブのうまさについて述べているわけだけど残念ながら生ラーブ、特に豚は寄生虫など衛生面の心配がありおすすめはできない。
食べたら必ず身体を壊すわけではないものの(そうでなければ食べ続けてこられたわけがない)、もしも、ということがある。
食べるのなら、生ラーブを炒めたラーブ コアをおすすめする。

生ラーブを炒ったラーブ コア

生ラーブを炒ったラーブ コア

ま、この辺の判断はご自分で。
ぜひ試してみたい!という方はアーハン ムアン(北部料理)の店でどうぞ。市場でも普通に売ってます。

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ぼくもタイ嫁も昔は生ラーブをバンバン食べていたのだけれど、年をとったので最近は生ラーブを買ってきても煎って食べている。
でも生ラーブ、うまいんだよね。
ときどきつい食べてしまうことがある。
無茶苦茶辛いタイ風ユッケといったところかな。
衛生面での心配がなけりゃあ本当、最高の料理なんだけどね
馬肉とかでやったらおいしいかも。

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