ソムタムはカイヤーン(焼いた鶏)を添えもち米と食べるもの。これほど完璧な献立がこの世にあろうかといいたくなるぐらい絶妙な組み合わせです。恐らくソムタムはパパイヤ料理の中で世界一おいしい。そんなソムタムについてのあれこれです。
ソムタム カイヤーンは究極のメニュー
ソムタムはカイヤーン、カオニオ(もち米)と食べます。
カイヤーンは焼き鶏のこと。
といっても日本風の鶏の切り身を串に刺したやつじゃなく丸焼き、もしくは開いて焼いた鶏。
恐らくソムタムはパパイヤ料理の中では世界一おいしい。
もうこれ以上おいしい料理は考えられない。
そしてタイの焼き鶏も世界トップクラスのおいしさだと思っております。
ソムタム、カイヤーン。
最高の組み合わせですね。これを知らない人が不幸に思えてくるほどです。
ソムタムは生ビーフンともよく合う
ソムタム、カイヤーン&カオニオなんですが、家で食べるときはカオニオでなくカノムチーンと組み合わせます。
カノムチーンというのは練った米粉を熱湯の中に搾り出して作る生ビーフン。
ちょっと見、そうめん。
家ではソムタムはたいてい昼食用。
もち米だとついつい食べ過ぎて夕飯も食べられない、という結果になりますが、カノムチーンは消化がよく軽くて後が楽。
あ、そうそう、これに豚の皮の揚げ物、ケーブムーを添えてもいけますよ。
これまたベストコンビです。
パパイヤは勝手に生えてくる
家ではこの20年ほど、パパイヤを買ったことがありません。
パパイアは年中、その辺になっていて誰かからもらったりもらいに行ったりするものなんですよ。田舎では。
基本、田舎のコンムアン(北部人)というのはケチで、人に物をあげたりしないものですが、パパイヤだけは気前よくほいほいあげちゃう。食べきれず処置に困るんでしょうね。
パパイヤは、食べる際に出た種をその辺に捨てておけば勝手に生えて勝手に実をつけます。
家は種を捨て蒔くことすらしません。
どこかで種を食べた鳥が糞を落とし、庭の隅で知らないうちに大きくなっています。
ほんと、これほど手に入れやすい果物はありません。
家で作るパパイヤも最近はたいてい庭の鳥糞パパイヤを使っております。
ソムタムを好みの味に
ソムタムの味はワーン(甘)、プリアオ(酸)、ペット(辛)の三本柱で成り立っています。
で、たとえばソムタム屋さんで注文するとき、甘味を強くして欲しい時はワーン。
酸味ならプリアオ。
両方を強調する濃い味が望みならワーン プリアオと言ってください。
間違ってもペット(辛い)だけは口にしないように。
ロシアン唐辛子
トウガラシは同じ種類でも辛さにバラつきがあって、ときどき異様に辛いやつが混じっています。
困ったことに、それは実際に食べてみるまではわかりません。
つまり、いつもと同じ数だけソムタムにトウガラシを入れたとしても、こういうやつに当たれば大泣きすることになります。
こればかりは防ぎようがないので諦めて泣いてください。
暗いところのソムタムに注意
トウガラシを臼で搗くとナガササゲそっくり。
よく間違って口に入れ火を噴いている人を見かけます。
ソムタムを暗いところで食べるととても危険です。
明るいところでどうぞ。
辛さの連続攻撃はキャベツでいなす
ソムタムには必ず生の空芯菜やキャベツが添えられているでしょう。
あれは箸休めというか辛味休め。
合間合間に口にして辛さの連続攻撃をいなします。
ソムタムの謎
ソムタムはソム(ミカン、酸っぱい)タム(搗く)。
ソムにはミカンの意味もありますが、ミカンは使っていないのでここでは「酸っぱい搗いたもの」ということになろうかと思います。
しかし、一般に「酸っぱい」はプリアオという言葉が用いられることからソムタムを「搗いたミカン」と解釈し、
「なぜミカンを使っていないのにソムタムなんだろう」
と疑問に思うタイ人もいるようです。
一方、北部ではソムタムのことをタムソムといいます。
もしかするとこれがひっくり返ってソムタムになったのかもしれません。
酸っぱい果物ならなんでもソムタム
北部ではソムタムをタムソム「酸っぱい搗いたもの」と呼び、パパイヤ以外にも、青マンゴー、サントール、タマリンド、ザボン、などの果物が使われます。
ようするに酸っぱいものであればなんでもタムソムになってしまうわけ。
これら従来のタムソムに加え、近頃は甘味のある果物、ぶどうやリンゴを用いたフルーツポンチに似たハイカラなタムソム(タム ポンラマーイ)も好評。
でもやっぱり、タムソムの王者はパパイヤであります。
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