《8本脚のアリ発見》タイのちょっと変った昆虫たち

動植物

ワンピースのウソップのような鼻の
ビワハゴロモ、アリにそっくりのクモ、
クマンバチにそっくりのガ、
千と千尋のカマジイそっくりのクモ、
タイの珍しい虫たちの話です。

 

 

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ウソップのような鼻のビワハゴロモ

ビワハゴロモという珍虫がいるのは図鑑を見て知っていた。
虫屋(虫マニア)に人気があるらしく、タイやインドネシアに出かけ、ビワハゴロモ発見!などと、興奮した調子で書かれている文をよく目にする。
ぼくがビワハゴロモを初めて見たのはラムパーンの山村。
鼻がにょきっとのびたテングビワハゴロモである。
身体は緑ベースにクリーム色のコケのような斑が入っていて、鼻が赤い種と青い種の二種がいる。
鼻を含めた体長は5、6センチ。タイ北部で普通に見られるビワハゴロモはたいていこの二種だ。

なにかと思えばビワハゴロモの幼虫らしい

なにかと思えばビワハゴロモの幼虫らしい

横にいたつれあいが、
「これ、カイディン(土鶏)ていうのよ」
と教えてくれた。
彼女の説明によれば、鳴き声が鶏に似ているから、というのだけど、チーーチーーと抑揚のない鳴き声で、どこが鶏なのかよくわからないし、なぜ土なのかもわからない。
珍しかったもので捕まえてわざわざラムパーンから持ち帰ったのに、家の周辺をよく調べたらそこら中にいた。

ビワハゴロモは逃げない

それから二十数年。今も庭の龍眼の木には十匹ほどが張り付いている。
この虫は龍眼とかリンチーなど甘い果実のなる樹が好きらしく、セミのような尖った吻(ハゴロモはセミやカメムシの親戚)を木に差込み一日中樹液を吸っている。
というか、場所が気に入れば、何日でも何週間でもそのままの姿勢で動かない。
人が近づいても逃げない。
さすがに手の届く距離にまで近づくと身体をよじって嫌がるそぶりを見せるが、逃げない。
たとえ近くの枝を切り落としても逃げない。

不思議だらけのビワハゴロモ

それでいて鳥に食べられないのは不思議だ。
この虫の類は翅の下に派手でハッとするような色彩の下翅を隠し持つからそれで鳥を脅かすのだろうか。
ビワハゴロモは滅多に動かないけれど、動くときは意外に長い針のような足を使ってゆっさゆっさ身体を揺らしながら移動する。

場所が気に入れば何日でも動かない

場所が気に入れば何日もそのまま動かない

よく言えばユーモラス、悪く言えば気色の悪い歩き方である。
飛び方もバタバタバタと今にも墜落しそうなプロペラ機のようどこかおかしい。
いずれにしろ、観察したり写真を撮ったりするのにはとても楽な虫だといえる。

ビワハゴロモとトカゲの関係

ある日、ビワハゴロモの後ろにトカゲが張り付いているのを見た。
跳びかかる機会をうかがっているのかと思ったがトカゲはぴくりともしない。
そのままじっと何かが起こるのを待った。
しかし、時が止まったかのように何事も起きなかった。
それからも幾度となくビワハゴロモの後ろで動かないトカゲを見て、アリはカイガラムシのお尻から出る甘い汁をなめる、という話を思い出した。

2匹は時が止まったように動かなかった

2匹は時が止まったように動かなかった

案の定、ビワハゴロモは糖尿体質で甘いオシッコを飛ばすらしい。
タイのビワハゴロモではないけれど、アリとか蛾、カタツムリがビワハゴロモの後ろでじっと甘いオシッコを待っていて、ほとばしり出た瞬間、すかさずキャッチするそうだ。
しかし、アリや蛾はともかく、動きののろいカタツムリなんてどうやってオシッコを飲むんでしょうね。
顔をお尻に差し出してオシッコをかけられるのを待っているのかな。

ビワハゴロモはおいしい?

タイの一部の地域の人たちはセミを食べる。
ぼくの住む村ではあまりセミが捕れないので食卓に並べられたことはないのだけど、煎ったセミはパリッとしていてなかなかいけるとか。
セミが食べられるならビワハゴロモも食べられるに違いないと思っていたら、嘘か本当かラオスの方ではビワハゴロモを食している、という話を聞いた。
しかも、龍眼とかリンチーの樹液を吸っているため体液がとても甘いのだそうだ。
ちなみに我が王国(現在人口は王様と王妃と5匹の犬たち)は、ビワハゴロモを幸運を呼ぶ昆虫として手厚く保護し、ぼくは毎日龍眼の木の下に立って彼女たちの数をチェックするのが日課である。
今のところ味見はしていない。

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8本脚のアリ、擬態クモ発見

ご飯を食べていると天井から何かがツツツーと降りてきた。
ぱっと見、アリだけど実はクモ。その証拠に足が8本ある。
クモがアリに擬態するメリットは何だろう。
まず考えられるのは、アリだと見せかけて油断させアリを食べちゃうだまし討ち。
確かに、アリを補食するクモもいる。
でもこいつの場合、アリを補食するというよりアリに襲われないよう仲間を装ってい可能性が高いのだそうだ。
アリはとても凶暴な上に常に集団。
ヤクザの集団対ごろつき1匹。
ともすると食べる前に食べられちゃう危険がある。
ようするにクモはアリにびびって変装している。

アリそっくりのクモ

アリそっくりのクモ

それにしてもアリにそっくり。歩き方まで似ている。
アリの形や歩き方を観察し、こいつを真似りゃあ襲われないだろう、などと考えるだけの知恵があるのなら、その知恵をほかのことに使えばいいじゃないかとも思う。
虫やクモに高い知能はないだろうし、自然淘汰説も納得がいかない。
擬態を見るたび、ぼくは神様の存在を信じたくなる。

擬態は神の仕業か宇宙人のいたずらか

ついでに言えば、家の周辺には枯葉そっくりのキリギリスがいる。
枯れ枝というか、板壁文様のナナフシも木の葉蝶もいる。
ぼくが好きなのはクマンバチそっくりのガ、クマンガである。
いかつい顔。黒い、いかにも強い毒針を持っていそうな扁平で太い腹。
ドキッとするぐらいそっくりで、何もそこまでやらんでもと思うけど、よく見ればやっぱり触覚の辺りがガなのである。
あまりそっくりだと乱暴なクマンバチに犯されたり、ライバルと勘違いされて襲われたりすると困るから、少しガの痕跡を残しておいたのかもしれない。

これは普通のクマンバチ

これは普通のクマンバチ

この虫たちはいかにしてこういう姿に至ったか。
学者さんたちは、突然変異と淘汰の結果が擬態だという。
じゃあ、どうしてガは突然変異でクマンバチに似たやつが生まれるのだろう。
敵に襲われないためには徐々にクマンバチに似ていったのではなく、最初からクマンバチそっくりでないと意味がないはずだ。
どことなく似ている、といった程度ではすぐに淘汰されてしまうものね。
ガはじっとクマンバチを観察していて
「クマンバチは強そやし、格好も似とるで、いっちょ、こいつの姿を真似しちゃろうか」
そう思うのだろうか。
もしそれだけの思考能力があるのならガなんてやめたらどうだ。
仮に、ガがそう思ったとして、そうもやすやすとガがクマンバチに似せて身体をパッとつくり変えることができるのだろうか。
鏡もないのに、どうして自分に見えない細部に至るまで似せられるのだろう。

なんだかわからないけど動いていた

なんだかわからないけど動いていた

ネットで調べていると、不思議に思うのはぼくだけでなく「擬態は宇宙人のいたずら」という説もあった。思わず笑ったけど、そういいたくなる気持ちはわかる。
どう考えてみても、擬態は誰かの何かの意志が働いているとしか思えない。
その意思というのが細胞やDNA辺りに潜んでいるのかあるいはまったく別のところにあるのかは知らないけれど、もしそういうものが存在するとすれば、それこそが神のような気がする。
ハヤブサだとか宇宙ステーションだとか、ここのところ人類はしきりに宇宙を目指している。
ぼくには、その意思が種のさらなる拡大と保存を狙い、人が踊らされているように思えて仕方ない。

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千と千尋のカマジイ発見

とてもきれいなクモを見つけ、これは絶対新種に違いない、と思い込み、仕事を放り出して昼からずっとそのクモの観察に夢中になった。
新種に間違いないだろうけど、とりあえず、ネットで「タイ、クモ」と打ってみたらすぐにこのクモの写真が出てきてがっくり。

けっこう走るのが速くて写真を撮るのが大変

けっこう走るのが速くて写真を撮るのが大変

ハエトリグモの一種、とのことであった。
夢のない時代である。
それにしても、このクモ、千と千尋のカマジイ(だったかな)に似てると思いませんか。

カマジイに擬態した?ハエトリグモ

カマジイに擬態した?ハエトリグモ

 

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