果物を食べるのに長けたタイ人は、パイナップルやグァバをちょちょちょいと白い粉につけてから口にします。すると果物が激うまに。そんな魔法の粉についての話です。
ちょっとヤバイ白い粉
タイでは切ったり剥いたりすぐに食べられるようにしたカットフルーツには、たいてい白い粉の入った小袋がついてきますす。
この粉、ちょっとヤバイしろもの。
果物をちょんちょんとつければあら不思議。
何の変哲もなかった果物が激うま果物に、なんてね。
ほら、西瓜に塩をかけて食べると不思議においしくなるでしょう。
ほっぺたがこうきゅんと。あんな感じ。
でも塩よりもっと劇的に味が変化します。
果物にプリック グルア、塩と唐辛子!
粉の正体はプリック カ クルア、またはプリック クルア。
塩と砂糖と粉唐辛子を混ぜた調味料です。
どちらかといえば砂糖の含有量が高く日本人の感覚では砂糖唐辛子。
でも、タイの人たちは塩唐辛子(プリック クルア)と呼んでいます。
塩あるいは砂糖を果物につけることはどの国でも見られますが、塩に砂糖を混ぜそのうえ唐辛子を加えるところがタイ風。
砂糖(甘味)、塩(鹹味)、唐辛子(辛味)。思えば見事な組み合わせではありませぬか。
三味が果物とまぐわい新たなうま味を創成、なんちゃって。
果物をそのままかじるのはサルと同じ?
タイの人たちに言わせれば、
「プリック クルアをつければ果物の酸味が抑えられ、甘味がくっきりはっきり、いっそうおいしくなる」
のだそうです。
ぼくはどちらかといえば、
「果物はそのまま味わうのが一番」
なのですが、タイの知人は、
「果物をそのまま食べるのではサルと同じではないか」
「一手間加えてこそ人間というものである」
などと屁理屈を捏ねています。
一理ありますね。
プリック グルアと相性のよい果物
この魔法の粉、どんな果物でもおいしくする、というわけではありません。
基本的に酸っぱい果物、味の薄い茫洋とした果物と合います。
一番のおすすめはパイナップル。
試すときは覚悟して下さい。
一度、塩唐辛子をつけた味を覚えるともう後へは引き返せません。
プレーンなパイナップルが口にできなくなってしまいます。
いや、マジ、パイナップルと合いますから。
それから、酸っぱい青マンゴー、ザボン、グァバ、チョムプー(ローズアップル)などが定番。
グァバはときどき妙に味の薄い外れがあって思わず顔をしかめてしまいますが、そういうときに活躍するのがこいつ。
味の薄さを補ってニコニコしながら食べることができます。
あ、グァバの場合は梅粉を混ぜた梅粉塩唐辛子、ウメコの塩唐辛子もよく使われますのでお試しください。
つけくわえれば、タイ人はなぜか西瓜は何もつけずに食べます。
プリック グルアの作り方
色々レシピを見ますとどうも砂糖2に塩1というのが黄金比率のようです。
唐辛子は適当に加えて下さい。
下のレシピでは唐辛子小さじ3とありましたがさすがに多すぎるのではないかと思い適宜に変えておきました。
人によっては化学調味料を少々入れることもあるようです。
粉唐辛子ではなく臼で搗いた生唐辛子を使うレシピもありました。
材料
・砂糖 80g
・塩 40g
・粉唐辛子 適宜
プリック グルア ボエの作り方
グァバによくつけて食べられるウメコの塩唐辛子のレシピです。
といってもただ混ぜるだけなんですけどね。
材料
・砂糖 80g
・塩 40g
・梅粉 小さじ3
果物のディップはどうかと思う
塩唐辛子を「果物のディップ」とおっしゃる方が少なくないのですが、これ、ディップですか。
砂糖とか塩はさすがにディップではないような気がするのですが。
最近、ディップという言葉が流行っているようで、何でもかんでもディップ。
塩唐辛子じゃだめなんですかねえ。
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