タイで一番おいしい!と評判の珍しい
塩井戸の塩をはからずも10キロも
手に入れてしまったてん末と、岩塩の
使い方について考えてみた話です。
タイで一番おいしい?塩井戸の塩
タイ北部、山々に囲まれたナーン県。
その東の辺境、ラオスとの国境近くに塩井戸(ボー クア)という村があります。
名の通り、村には塩水が湧き出る井戸があって、はるか昔からこの塩水で塩が作られてきました。
人によっては
「塩井戸の塩がタイで一番!」
というくらい評判です。
塩水が湧き出る井戸を使っての製塩は珍しく、タイではここにしかありません。
そのためナーン県の観光地にもなっています。
塩の生産はごく簡単。
井戸から水を汲み、一晩置いて澱を沈めた後、粘土で作った炉に乗せた釜で煮ます。
貴重ですが塩は塩。嘘みたいに安いのは嬉しい限りです。
海塩と岩塩の違いと使い方
塩井戸の塩水は岩塩の層に染み込んだ水が沸いてきたものなのだとか。
そもそも岩塩とは何かというと
「地殻変動で閉じ込められた海が数千、数億年かけて固形化した海の化石」
だそうです。いい言葉じゃないですか。
海塩との違いは、いくつかのミネラルが流出し鹹味が増していること。
溶けにくい。
にがりを含まないこと。
らしいです。
岩塩はふりかけて使う?
岩塩といえば肉料理。
豆腐をにがりで固形化させることでもわかるように、にがりはタンパク質を凝固させる働きがあるため、肉にはにがりを含まない岩塩の方がよろしい、と書かれている一方、肉を焼く前の肉を引き締める下処理は岩塩だと溶けにくいので海塩の方がよろしい、と書かれています。
信じるも信じないもあなた次第。
ようするに岩塩は溶かして染み込ませるような使い方ではなく、ふりかけて塩の味を味わうような使い方をしろということですかね。
バスソルトと歯磨きにも使える岩塩
食用以外ではバスソルトによいらしいです。
「岩塩には、保湿効果、美肌効果、発汗作用、保湿効果、デトックス効果、抗酸化作用、などがあり、入浴時に大さじ2杯ほどを入れるとシワやシミにも効果的です」
ほんまかいな。
ま、お肌すべすべのおじさんには、どれも必要ないですけど。
それから歯磨き粉の代わりにも使えるとか。
「岩塩には、殺菌効果があり口内を清潔に保ち口臭を予防します」
でもこれ、普通の塩でも同じじゃないですか。
なんてツッこみを入れてしまいましたが、実際、商品化もされているところを見るとそれなりの効果が期待できるのでしょう。
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ビール箱4箱分の塩井戸の塩
以前から評判高い塩井戸の塩をなんとか手に入れたいと思っていたのですが、ナーンは山また山の土地柄で交通もきわめて不便。
山道を何時間も走らなければならず、たどり着くのは楽ではありません。
日本のみなさんからすれば笑ってしまうほどの山道なのですけど、運転嫌いなぼくにとってはなかなか行き難いところ。
そのボークアの旅番組をテレビでやっていて、
「あの塩欲しいなあ」
と呟いたら、
「買ってこようか」
たまたま帰省していた娘のワカメが言いました。
偶然、近いうち友達とボークアへ遊びに行くのだとか。
「どのくらい欲しいの」
「持てるだけ」
というわけで送られてきたのが写真のビール箱4箱。
「うへえええ!一生使えるなあ」
うれしい悲鳴です。
かねてから欲しかったボークアの塩がビール箱4箱も送られてきて大喜びしたのですが、箱を開けてみると、中は塩ではなく、いらなくなった娘の古着でした。
そりゃそうだよね。いくらなんでも塩がビール箱4箱ということはないよね。
がっかり半分、安堵感半分。
山奥の寒村に咲く塩の花
塩は後日、別便で来ました。
2キロ入りが3袋と、塩の花が3カップ。
塩の花というのは、製塩で一番最初に出てくる大きく薄い結晶。
価格は普通の塩の数十倍でした。
まず普通の塩を使ってみることに。
「ううううん」
すっごくおいしいような、いつもの塩とあまり変わらないような。
こういうものって、よほど繊細な舌の持ち主でないと宝の持ち腐れなのかもね。
でもけっこう気に入ってます。やはり何かが違うのでしょうか。
もう一生、塩は買わない
偶然ボークアへ遊びに行ったワカメから塩が送られてきてしばらく後、今度は下の娘、ミカンの友達が4キロ持ってきてくれました。
「ナーンの塩が欲しい、すっごく欲しい」
とずいぶん前から言っていたもので、ミカンがナーン出身の友達に頼んでいたそうです。
10キロの塩。もう死ぬまで塩は買わなくてすみそう。
ちなみにミカンいわく、
「ボークアの塩はスパ用にとても良い」
とのことです。
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