《タイのお土産》本物のパームシュガーを見つけたらすぐに買え

調味料タレ

パームシュガーはタイの台所に欠かせない調味料。ソムタムを初め普通の砂糖では味が出せない料理や菓子がたくさんある。日本では血糖値の上昇がゆるやかな健康によい砂糖として知られている。そんなパームシュガーについての話。

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パームシュガーとは何か

砂糖の木をご存知ですか。
タイには砂糖の木があって、その木になる砂糖の実の中には砂糖の塊が詰まっている。
それを精製したのが砂糖。
というのは冗談だけど、砂糖の木から砂糖を作るのは本当。

日本語でさとうは砂(粒のような)糖と書く。
タイ語ではナム ターン。
ターン(オウギヤシ)の花序(実のつくところ)から出るナーム(汁液)、「ターンの汁」という意味。
ターンの汁液を煮詰めたのが本当の砂糖。
つまりターンは砂糖の木というわけ。
ヤシの木から採れる砂糖なので日本ではパームシュガーと呼ばれている。

タイ料理はパームシュガーが欠かせない

タイ料理はパームシュガーが欠かせない

よく勘違いするのだけれどオウギヤシとは別にサトウヤシという木がある。
タイで砂糖を採るのはサトウヤシではなくオウギヤシの方。間違えないように。

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日本人絶賛のパームシュガー

パームシュガーは、カリウム、マグネシウム、亜鉛、などのミネラルが豊富で食後の血糖値上昇がゆるやか、という特徴がある。
簡単にいえば身体に優しく健康によい砂糖。
そして、ただ甘いだけの砂糖と異なり、様々な旨味、風味を含む。
「香りがよいし、とてもおいしくてそのままでも食べられる」
「土産に最適」
「一口食べて大ファンになっちゃった」
日本のサイトではパームシュガーを絶賛。
しかし、その風味ゆえ、使い方は砂糖より限定される。

《タイのお土産》本物のパームシュガーを見つけたらすぐに買え
パームシュガーはタイの台所に欠かせない調味料。ソムタムを初め普通の砂糖では味が出せない料理や菓子がたくさんある。日本では血糖値の上昇がゆるやかな健康によい砂糖として知られている。そのパームシュガーについての話。

普通の砂糖とパームシュガーの違い

普通の砂糖とパームシュガーの違いは原料。
普通の砂糖はたいていサトウキビを原料にして作られている。
上にも書いたけれどパームシュガーはパーム(ヤシ)から作られたシュガーである。
それから、ブラウンシュガーとパームシュガーの違いも同じ。
ブラウンシュガーは一般に精製度の低いサトウキビ砂糖を指す。

 

本物のパームシュガーが貴重なわけ

ターンは20メートルを超す高木。
汁液を採るにはその天辺にまで登り、花序をナタで掻いて滴る汁液を竹筒で受け止めなければならない。
ゴムの樹液の採集を椰子の木の上でやっているようなもので、下に落ちれば間違いなくあの世いき。
ナムターン採り(コン パート ターン。ターン掻き人)は日に何本ものヤシを上り下りし、そういう危険で大変な作業を繰り返している。
しかし、労多い割には収入が少なく、格好もいいものではないため、若者たちには見向きもされず、後継者問題に悩んでいる。
今尚木に登っているのはほとんどが中高齢者だそうだ。

オウギヤシはとても高くなる

オウギヤシはとても高くなる

出回っている物の多くは偽物

採る人が減っているのに需要は増しているのだから、パームシュガーに見せかけたものが出回っているに違いない、と思って調べてみたらその通りだった。
以前ほど木が植えられなくなったこと、木が全体に老いて高く伸びてしまい(30m近くになる)採集が困難であること、採集を受け継ぐ者がいなくなったこと、などにより原料が激減。

オウギヤシはとても高くなる

本物のパームシュガー(オウギヤシの汁液で作られた砂糖)は、なかなか手に入らない。
市場とかで売られている安いパームシュガーの多くは、焦がして色をつけた砂糖や澱粉で、ターンの汁液を使っていないそうだ。

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本物のパームシュガーでも気が抜けない

たとえ本物が手に入ったとしても、最近のパームシュガーにはたいていザラメ、澱粉(ベセー。餅米から作った水飴)などを加えて増量、ときには漂白剤を使って白くしているものさえある。
なぜそんなことをするかというと、ひとえに消費者の愚かさゆえ。
本当のパームシュガーは香りよく柔らかな甘さが持ち味なのだけれど、色は茶色っぽくてとてもきれいとはいえない。
固形パームシュガーの場合、常温で保存するとますますさえない色に変色するし型崩れを起こす。
精製砂糖のきつい甘さと薬物的な白さになれた無知な消費者はこういう本物の砂糖に対し、甘くない、おいしくない、色がキモイ、汚らしい、と感じ、黒くて形の悪い柔らかな甘さのまっとうなパームシュガーを避けてしまう。
生産者は売れないと困るので消費者の気に入るように澱粉で粘りを出して型崩れを防ぎ、砂糖で甘さを添加、漂白剤で白くする、というわけである。

滅茶苦茶硬かったココナッツシュガー

鬼のように硬かったココナッツシュガー

*まっとうなパームシュガーでも、たいてい砂糖(ザラメ)だけは混ぜている。
これは常温で溶けやすいパームシュガーの溶解を防ぐため。10%程度の砂糖であれば味もそう変わらないのだけど、そんな甘さに満足しない消費者のため20%近く加える生産者もいるとか。
すべては消費者への配慮なのだ……。

*もちろん、すべての生産者がこういうことをしているわけではなく、良心的な生産者はいるし、近年は、安心して食べられる伝統的でまっとうなパームシュガーを作ろう、という団体も出てきている。
価格の割に価値あるパームシュガー。
産地(ペッチャブリー県周辺が有名)へ見学ついでに買ってくるのもいいかもしれないね。

ココナッツパームシュガー

現在、パームシュガーとして見かけるのは、ココヤシから作られたココナッツシュガー(ナムターン マプラーオ)であることが多い。
でもオウギヤシの方が、味、香り、価格、とも上といわれている。

家庭でよく使われるピープ砂糖

家庭用ココナッツシュガーの大半はサトウキビが原料

パームシュガーはときどき大手スーパーでも売っているのを見かけるけれど、果たしてそれが本物かどうかはわからない。
レッテルにパームシュガー100%と表示してあっても「純度100%のパームシュガーが含まれています」の意味で表示していることがあるのだ。それがどれだけ含まれているかは不明である。

パームシュガーとナムターン ピップの関係

以前、タイのパームシュガーが素晴らしい、という話を聞いて、どんなものだろうと調べてみたらなんのことはない、家の台所に転がっているヤシ砂糖のことだった。
でも、こいつは通常、石油缶のようなブリキ容器に入れられていてパームシュガーなんて呼ぶにはあまりにも庶民的。
タイの人たちは素直に缶砂糖(ナムターン ピープ)と呼んでいる。
確かにこんな名じゃあ日本では売れそうもないよね。

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