≪タイ大麻解禁≫やって良いこと悪いこと

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2022年6月、タイではこれまで麻薬指定だった大麻がリストから除外された。とはいえ全面解禁ではなく麻薬としての利用は依然処罰の対象になる。規制解除後、何ができて何をしてはいけないかという話。

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大麻解禁によってできるようになったこと

・申請、許可を受ければ商業目的の栽培、販売が可能。
ただしTHC(麻薬成分)含有量が0.2%以下であること。

・大麻草を使った飲食物の提供が可能。
これが最も日本人に関係があることだろうか。飲食店で大麻草入りの料理や飲み物を合法的に楽しむことができる。

・大麻製品の購入、使用が可能。
すでに美容、健康方面で大麻草成分入りの商品が多く出回っている。

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大麻解禁後もできないこと

・利用できるのは大麻草の葉、茎、根の部分のみ。花房と種は指定薬物リストから除外されていない。
・麻薬、娯楽としての利用は禁止。
公共の場でマリファナタバコをスパスパ吸ったりするのは違法。禁錮および罰金刑が科される。
・日本は大麻取締法があるため、タイで市販されている大麻製品の持ち込みは不可。

日本人は大麻に手を出していいのか―日本大使館の見解

・大麻取締法は国外犯処罰規定が適用され、海外に居住する日本人が大麻及びその製品の栽培、輸出入、所持、譲渡、譲受(購入を含む)等を行った場合には、同様に処罰対象となることがある。
・在留邦人及び渡航者は、日本及びタイの法律を遵守した上、日本国外であっても安易に大麻に手を出さないよう注意。

色々な解釈の仕方があるけれど、今のところ日本政府としては、大麻数グラムを所持していただけで逮捕されマスコミや世間から袋だたきに遭う国内の事情、国民感情を考慮のうえ行動してください、ということだろう。

日本で大麻が悪となった理由

日本人はかなり古くから大麻を栽培し利用してきた。
現代の日本人は大麻に強い拒否反応を示すけれど大麻が違法となったのは近年のこと。
しかも日本人が決めたのではなくアメリカに押しつけられた。

・1948年「大麻取締法」成立。大麻草の無許可栽培、所持、譲渡を規制。後、禁止された。
・大麻取締法は終戦後GHQ司令部の主導で実施。これは日本人の健康や社会をおもんばかってのことではなく、大麻草を原料とする布や紙が自国のビジネスと競合し不都合であったため排除した、という話がある。

以降「大麻は悪」と繰り返し喧伝され魔薬となった。
その大麻を禁止したアメリカでは大麻の有用性が見直され解禁が加速している。

タイで大麻が解禁となった理由

タイが大麻解禁に踏み切ったのは一言でいえば経済活発化が狙い。
タイも古くから大麻を利用してきた。
面倒なので調べてないけれど大麻が禁じられたのは日本同様近年になってからだろう。
が、時代は再び大麻解禁の流れに変わり、これを大きなビジネスチャンスととらえたタイは素早く対応した。
大麻関連で新産業を興し国を潤そうというわけだ。
大麻メディカルツーリズムを合法化、海外から観光客を呼び込み観光業界を活性化。
押しの新メニューで国内外から客が訪れ飲食業界も潤う。
さらには農業業界。
大麻は強い植物で土地を選ばないし手を掛けなくても育つ。
農村地域の新たな収入源になり得るわけだ。
大麻産業は国民の期待も大きくすでに100万人以上が大麻栽培の登録申請を行っている。

大麻についての基礎知識―大麻の成分

大麻活用上、知っておいた方がよいのがTHCとCBDという成分。
大麻草(カンナビス)にはカンナビノイドという成分が含まれ、カンナビノイドはCBD(カンナビジオール)とTHC(テトラヒドロカンナビノール)の2つに大別できる。
通常の大麻はCBDよりTHCの方が高い。

CBDとは

カンナビジオール(Cannabidiol)の略称でカンナビノイド成分の一つ。
精神へ与える作用(向精神作用)や中毒性がないとされ医療や健康、美容などに利用されている。
主な効能は、不安軽減、リラックス効果、鎮静効果、ストレス緩和、不眠緩和。
美容分野では、抗酸化作用、抗炎症効果、ニキビ、やけどなど皮膚への作用。
副作用は、眠気、立ち眩み。ほとんどないかあっても軽いらしい。
ほかの薬との作用は医師に相談。

THCとは

テトラヒドロカンナビノールの略。
高揚感、開放感、酩酊感など感覚や精神を活性化させる。精神的疾患や疼痛緩和にも効果。
脳、精神に作用し依存性があるため日本では違法薬物に指定。医療用としてのみ使われる。

*依存性はカフェインを上回らないという研究結果もある。

大麻、マリファナ、ヘンプの違い

マリファナもヘンプももともとは大麻のことだけれど近年は以下のように使い分けることが多い。

マリファナ
THCを多く含む大麻。嗜好用に葉や花房を乾燥させたものを指す場合もある。

ヘンプ
THCをほとんど含まないよう改良された品種。様々な大麻製品の原料となるため産業用大麻と呼ぶこともある。
ヘンプの定義は国によってばらつきがあるけれど多くはTHCの含有量が0.3%以下の品種を指す。
CBDはマリファナ、ヘンプのどちらからも抽出できるものの法的な問題があるため一般にはヘンプ由来のものが使用される。

日本の場合

日本には今のところ産業用大麻の定義がない。
大麻は茎と種を除きすべて違法。
海外では合法である葉や花房から抽出したCBD製品も持ち込めない。

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大麻解禁は懸念材料も少なくないけれど、国全体としてみれば利益の方が大きいと判断したタイ。
それが蛮勇であったか英断であったかはこれから決まる。

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