日本ではもっぱら生で食べられているバナナ。輸入されているバナナはほとんどが生食用なので手の加えようがないんですね。でも本来バナナは煮ても焼いても食えるヤツ。タイでは果物としてだけではなく、食材としてスイーツとして幅広く利用されています。バナナを極めたタイの人たちの思いがけない食べ方をご覧ください。
焼きバナナ クロエ ピン
バナナを焼いただけのシンプルこのうえないおやつ。
なのに、いや、それゆえか、意外にはまってしまいます。
完熟バナナは焼くと炭水化物が糖分に変わって甘味がぐんと増加。
甘過ぎるぐらい甘くなるのにはびっくり。
皮のまま網の上にのせる完熟バナナに対し、未完熟のバナナは皮を剥いて焼き、板で圧してココナッツミルクベースの甘いタレをかけて頂きます。
このタレがまたたまらないんですよねえ。
タレだけをすすりたくなるくらい。
バナナ本来のナチュラルな甘味を堪能するのであれば皮付き。
人手を加えた菓子的な味わいを求めるのであれば未完熟の皮なし。
どちらを選ぶかはあなた次第。
*ハックムックというやや大振りのバナナは生食には向かないのですが、焼くと独特の匂いと甘みが出るためよく焼きバナナに使われます。
この手の丸焼きバナナは火が通るまで時間をかけてじっくり焼き上げるのがコツなのだとか。
どこで買うの、どうやって買うの?
庶民のおやつなので主に市場やその周辺の屋台で売られています。
輪切りを串に刺したものと丸のままがありますが、売り子はまず英語が話せません
どちらも欲しいだけの数を指させば通じると思いますので頑張ってください。
ただ、安いものなので1本買いは嫌がる人が多いです。
面倒であればお金を見せて、
「これだけちょうだい」
といえばたいていわかってもらえます。
普通は3本で○○バーツのような売り方をしています。
バナナの品種にもよりますが、だいたい10~40バーツぐらいです。
バナナのフライ クロエ ケーグ
未完熟のバナナに衣をつけて揚げたバナナフライはおやつの定番。
外国人を含め、バナナを調理したものの中ではこれが一番人気です。
味は甘い芋のフライといったところ。
実際、芋のフライ(さつま芋、タロ芋等)も一緒に売られています。
日本だと芋のフライは惣菜ですが、タイでは菓子感覚なんですね。
「外はカリッカリ、中フワッフワ。ゴマが香ばしくておいしい!
テレビのレポーターならこう表現するに違いありません。
バナナフライはバナナに衣をつけて揚げただけなのに店によって大きく味が異なります。
まずは人の多い人気店で味の基準を覚えるのも手かも知れませんね。
何事も修行。基礎が大切です。
付け加えれば、もともと栄養価の高いバナナに油が加わって相当に高カロリーだし、おいしいのでつい食べ過ぎてしまうし、ぽっちゃりさんには要注意のスイートです。
なぜ日本で流行らないの?
「こんなにおいしいのになぜ日本で作って売らないのかなあ」
バナナのフライを食べた日本人の多く方が不思議に思います。
揚げバナナに使われるバナナはナムワーという肉質のしっかりしたバナナ。
残念ながら日本にはこの手バナナがなく、揚げることがでない、というわけです。
どこで買うの?どうやって買うの?
これも市場や屋台、路傍の店で買います。
バナナのフライは通常、欲しいだけの金額を言って袋に詰めてもらいます。
ですので指で2とか3とか示すか、お金を見せるかします。
今のところ最低販売額は20バーツです。
干しバナナ クロエ ターク
バナナの豊富なタイ。
食べ切れずに捨ててしまうことも多いのですが、もったいない、と思えば干して保存。
干しバナナの作り方は簡単。皮を剥いて天日で4、5日、あるいは機械で乾燥するだけ。
何も足さず、何も引かず、ただ干しただけなのにハチミツをかけたようにすっごく甘くなります(本当にハチミツを添加したものもあり)。
干しバナナは製造過程でビタミンCが失われるものの、水分が抜ける分だけほかの栄養素は凝縮。小さく縮んでも一本は一本。これもまた食べ過ぎには要注意です。結局、バナナ菓子は全部要注意(笑)。
なぜ日本で流行らないの?
余ったバナナ、捨てるのもったいないですよね。
この記事を読んだ方の中には、
「その手があったか、今度からバナナが余ったら干してみよう}
などと思われる方がいらっしゃるかもしれませんね。
実は昔日本にも干しバナナがあったそうですが、臭くてまったく人気がなかったそうです。
それもそのはず。日本で一般的な大型の香り系バナナは干しバナナに向きません。
中型のナムワーや小型のレップムーナーンという香り系ではない品種のバナナを使うのが普通です。
香り系バナナは干すと逆に臭くなってしまいます。
どこで買うの?どうやって買うの?
長期保存が効くし簡単に製造できることから土産物屋でよく売られていますよ。
大手のスーパーでも目にします。
パック入りなので買い方に困ることはありません。
バナナのココナツミルク煮 クロエ ブアッチー
漫画家がよくネタにする煮込みバナナ。バナナをココナツミルクと砂糖で煮込んだデザートです。
「えっ、バナナの煮物?気持ち悪い!」
そういわずに食べてご覧なさい。笑った自分を恥じてしまいますよ。
ココナッツミルクで煮た菓子は通常ヤシ砂糖を使い、その汁の茶色っぽい色がタイの僧衣を想像させるところから、カノムケーン ブアット(出家汁菓子)と呼びます。
煮込みバナナの場合は白糖を使用するため汁が白色に。
白い衣は坊さんでなく尼さんですよね。
というわけで煮込みバナナは 「尼さんバナナ(クロエ・ブアッチー)」と呼ばれています。
本来は未完熟バナナを使うのですが、食べきれずに余った熟しバナナで作ってもいけますよ。
ただし、これももっちりタイプのバナナを使います。
日本の香り系バナナは柔らかく熱に弱いし香りが邪魔をするので生食するほかないのでしょうね。
どこで買うの?どうやって買うの?
市場や屋台、路傍の店などで買えますが、尼さんバナナだけを売る所はあまりなく、たいていタイスイーツの器が店先にずらり並べたような店に置いてあります。
買い方は指さすだけ。あるいは欲しいだけのお金を見せる。
同じものではありませんが、セブンでもバナナとココナッツを組み合わせた似たようなスイーツが冷蔵コーナーに置かれています。
練りバナナ クロエ クワン
ひたすらバナナを練って練って練りまくった菓子。
見かけは真黒なキャラメルといったところかな。
味もキャラメルに似ています。
味はそこそこだけれときどき妙に食べたくなります。
どこで買うの?どうやって買うの?
主に土産物屋で買えますが、スーパーなどで売られていることもあります。
袋入りなので買い方には困りません。
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いかがでしたか。
タイの人たちのバナナの食べ方。
日本にも生食用ばかりでなくあらゆる用途に使えるもっちり系のバナナが輸入されるといいですね。
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