タイ料理が年々甘くなっている。料理だけでなく、緑茶、豆乳、コーヒー、ありとあらゆるものに大量の砂糖が放り込まれ、結果、肥満と糖尿患者の激増。なぜタイ人はこんなにも砂糖を使うのか、という話。
年々甘くなって行くタイ料理
これまで、
「タイの飲み物はバカ甘くて飲めたものじゃない」
「タイの食べ物はバカ甘くて食えたものじゃない」
とおっしゃる日本の方に、
「タイ人が日本へ行くと逆に、日本の料理は何もかも甘くて仕方ない、とかいってますよ」
などとタイを擁護してきたのだけれど、近年、もう庇いきれないほどタイの砂糖依存症が激しくなっている。

かなり強烈な甘さのタイ風カスタード
タイ嫁も若い頃は甘いものをほとんど食べなかった。
今は甘いものが好きで好きでたまらない。
結果、妊娠8ヶ月の妊婦と間違えられるほどのスイカ腹になってしまった。
タイ嫁だけではなくタイ人全体の味覚がすっかり変化したようだ。
タイの食べ物、飲み物はなぜこんなに甘いのか
なぜタイ人はこんなに砂糖好きになったのか。
「砂糖は人の活動エネルギーとして即効性があり、だから暑さでバテがちなタイの人たちに好まれる」
「砂糖には防腐効果や脂肪の酸化防止効果があるため食品の傷みやすいタイでよく使われる」
と書く人がいた。
確かにこれらも要因の一つではあるけれど、後付けというか結果としてそうなっているだけで、当初からそんなことを考えて砂糖をバカバカ消費するようになったのではないと思う。

タイの鶏卵そうめん
実際、昔はこうじゃなかった。
料理に砂糖を入れることはあまりなかったし、太った人を見つけるのは難しかった。
一人当りの年間砂糖消費量の統計を見ても以前は日本よりタイの方が消費量は低かった。
タイ人が砂糖をパカパカ放り込むようになったのはこの20年ぐらいのことである。
その理由は経済の発展。

国全体が貧しかった頃は節約していた砂糖が好きなだけ使えるようになった。
甘いは美味い。美味いは甘い。
砂糖の美味さに目覚めたタイの人たちはとめどなく砂糖を欲していった。
タイの人たちは何にしろ適度ということがなく1度好きになってしまえばのめり込みやすい性格だ。
もっと美味く。もっと甘く。
結果、肥満症と糖尿病の激増。

このチーズケーキはとてもうまかった
2018年の国際砂糖機関の統計ではタイが43.4kg、日本が16.5kg。別の統計ではタイが55kg、日本が15.8kg。
いずれにせよタイ人は年間、日本人の3倍もの砂糖を摂取している。
日本人が何を食べても何を飲んでも「甘い!」とぼやくわけだ。
砂糖税の導入と甘い飲料
行き着くところまで行き着いたのか、ここにきてようやく健康意識が高まり、砂糖を抑える動きが出てきた。
タイ政府も成人病予防の観点から、飲み物に対し砂糖の含有量に応じて税をかける砂糖税を取り入れ、段階的に税率を引き上げている。
それを受け、砂糖控えめ、無加糖の飲料が次々と新発売。
けっこう好評のようだ。

誰もが一度は驚く激甘緑茶
ちなみに、日本人に特に評判が悪いのがこのタイの甘い飲み物。
砂糖をたっぷりぶち込んだ緑茶にびっくりするのはタイ到着のセレモニーのようなものである。
実際、タイの業務用砂糖の40%以上は飲料に用いられ、食品に用いられる量よりも断トツに多いのだ。
ぼくもどんどん飲料の砂糖税を高くするべきだと思う。
砂糖は習慣性のある食品で、取り過ぎが身体によくないことは明白である。
その代わり酒税をもっと安くして欲しい。お願い。
コメント