日本では新米が古米より高いのは当たり前。というより古米を食べることなんてまずありませんよね。でもタイ人は日本人ほど新米に思い入れがありません。スーパーでは新米と古米の両方が並べられ、ときには古米の方が高かったりすることもある、という話です。
家は毎日もち米とうるち米を食べている
ぼくは日本人。
タイ嫁はコムアン(北部人)。
というわけで、家は毎日モチ米とうるち米の両方を食べています。
うるちはぼく。
モチ米はタイ嫁と犬用。
いや、別にタイ嫁を犬扱いしているんじゃなくて、タイ北部はモチ米を食べる習慣なのです。
犬はモチ米を食べる習慣、じゃなくてモチ米の方が若干安いから。
家には常に4、5匹の犬がいるのでエサ代もばかになりません。
もちろん犬がモチ米を喜んで食べたりはしませんが、肉や魚だけだと量が足りない。
ようするに増量剤ですね。
ときには増量剤ばかりのこともありますが。
モチ米は蒸し立てに限る
昔からの習慣でタイ嫁は毎朝6時過ぎに起きてモチ米を蒸します。
「最近の炊飯器はモチ米だって炊けて保存もできるのだから、無理して早起きしなくても…」
といっても頑として聞きません。
「朝は蒸し立てのモチ米に限るのよ。犬のご飯だっているじゃない」
家の犬、毎日炊き立てのモチ米をハフハフしながら食べてます。
炊飯器さえなければ・・・
ちなみに、ぼくの主食であるうるち米は炊飯器で炊きそのまま放置。
硬く黄色くなっても、
「まだ酸っぱくなってないから大丈夫」
と、全然平気。
炊飯器がなけりゃあ、毎日炊き立てのご飯が食べられたのに。
ときどき炊飯器を発明した人を呪い殺したくなります。
新米より古米が高い!
「間違って新米を買っちゃった。ああ、やだやだ!」
タイ嫁が昨日から愚痴り続けています。
「米は野菜と同じだよ。野菜だって新鮮な方がうまいだろ。日本人は新米を喜ぶんだけどね」
「新米はべとべとしてやだあ。あたし、硬いのが好きなのよお」
試しに食べてみると、ぼくにはまだ硬いくらい。
うるち米の場合、新米を好む日本人と対照的にタイ人は古米を好む人が多く、価格も新米古米ほぼ同じか古米の方がやや高いくらいです。
古米が喜ばれる理由
「うるちの古米は余計な水分が飛んでうまくパサパサに仕上がる」
とタイの人たちは言います。
日本人はタイ米をパサパサとかパラパラとかいいますが、あれ、わざとそう炊いている部分もあるんです。
なぜかというと、タイでは総菜をご飯にかけて食べるため汁などをよく吸っておいしく頂けるから。
タイ嫁が言うにはモチ米も古米の方がべとつかずさらりとした仕上がりになるのだとか。
日本人はそのべとついた感じが好きなんですけどね。
でもモチ米に関しては古米より新米の方がおいしいし、新米の評価の方が高いようです。
ま、その人の好み次第。
いずれにしろ、タイに暮らすとふっくら米だけが米ではないことがわかってきます。
というわけで、タイのスーパーでお米を買う際は古米、新米をご確認下さい。
もっと詳しくタイの古米新米について知りたい方はコチラをどうぞ。
減りつつある強飯人口
北部人は伝統的に強飯、モチ米を食べてきました。
しかし、今その伝統が崩れつつあります。
モチ米を食べる人が減りうるち米を食べる人が急増。
このままでいくとうるち派とモチ米派の比率が逆転しそうな勢いなのです。
理由は、モチ米を蒸すのが面倒くさい。
炊飯器でもモチ米は炊けるのですが、実際に炊飯器で炊いている人は多くありません。
モチ米は強火でがっと蒸しあげるものなのです。
うるちは手間がかからないし、いつでも熱いご飯が食べられる。
対し、モチ米は一晩水に浸けたり蒸したりするのが面倒で、熱々のおいしさを維持するのが難しい。
加え、食生活の多様化。コンビニの乱立。
選択肢が広がり強いてモチ米を食べる理由がなくなった、というわけ。
北タイの蒸したてのモチ米は世界に冠たるおいしいもの、とぼくは思っています。
おいしくてつい食べ過ぎ、老体に堪えるから食べるのをひかえているくらい。
日本人のぼくが言うのもなんですが、こんなに素晴らしいもの食べないのは実にもったいない。
「面倒」の人に与える影響力ってすごいですよね。
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