タイ語の読み書きはとても簡単。なぜならタイ語は42文字しかありません。しかもローマ字のように母音と子音を組み合わせるだけ。早い人なら数週間で基礎的な読み書きができるようになります。
実は超簡単なタイ語の読み書き
タイ語の読み書きは難しいと思ってませんか。誤解ですよ。クルンクルンと音符が踊っているような文字を見慣れていないだけの話です。
タイ語の読み書きはとても簡単。なぜならあの音符文字、たった42文字しかありません。
ひらがなより少ない!
アルファベットよりは多いですが、アルファベットが1語ずつ配列(綴り)を覚えなければならないのに対し、タイ語は表音文字。ローマ字と同じ子音と母音でできてますので42文字と母音を覚えればたいていの語は読めてしまいます。
早い人なら数週間。
基礎的な読み書きは必死に頑張らなくても遊び半分で十分。
余暇を利用して楽に学べます。
1章 タイ語に使われる文字の種類と書き方
まず、タイ語がどういう風に成り立っているのか見てみましょう。
タイ語のつくり
タイ語は、母音記号、子音字、声調記号、の組み合わせによって表されます。
基本、ローマ字の要領なので漢字を覚えるよりよっぽど楽なものの驚かされるのが母音の位置。
母音は子音の後ろだけでなく前にも上下にもつくところが少し面倒です。
声調記号は子音の右上。母音があればその上に置きます。
まずはコーカイから始めよう
コーカイはタイ語のイロハ、アルファベット。タイの人たちが文字を習い始めるときには、まずこのコーカイから入ります。
コーカイとは
タイ文字の中心となる子音字は全部で42文字あります。その42の子音字の中には、まったく同じ音の文字がいくつか重複してあるため、混同しないように、一つ一つの子音字にその子音字を使った言葉が添えられています。
このように子音字に名前がつけられたものを総称して コーカイ と呼びます。
もともとコーカイは子音字の一つなのですが、イロハのイのように、文字列の一番最初に置かれるので、タイ語の子音字全体を指すときも、コーカイと呼ばれます。
1. コー カイ(鶏のコー)
タイ語の読み書き、初めの一歩はコーカイの一番最初の文字、鶏のコーから。
コー カイは発音記号でいうとkの音。
わかりやすくいえばカ行の発音。
つく母音によってカキクケコのように変化します。
*カ行とかカキクケコというのはたとえであってまったく同じ音ではありませんのでご注意ください。
息を出す音、出さない音
注意して欲しいのは、タイ語には息を出さずに発音する無気音のkと息を強く出して発音する有気音のkh があるということです。
この文字はkの音なので息を出さずに発音します。
息を出さずに発音するためガのようにも聞こえ、カタカナタイ語ではガと表記する人もいるようです。
日本語ではカとガはまったく異なりますが、タイ語ではカとガの区別は曖昧です。
したがってカとガの区別で悩むより息を出すか出さないかに注意して下さい。
基本的なタイ語の書き順
タイ文字の書き方は左から右へ向かって。
クルリン丸のあるものは丸から先に書いていくのが基本です。
タイ文字(子音)の読み方
それから、コーの音ですが、母音は日本語のオではありません。
口をオのように丸めずアとオの中間のように発音する母音 ɔɔ なので気をつけて下さい。
コー カイに限らずタイ語の子音を単独で口にする場合はすべてこの母音をつける習慣です。
2. コー カイ(卵のコー)
2番目は卵のコー。
コー カイは発音記号でいうと kh の音。
わかりやすくいえばカ行の発音。
つく母音によってカキクケコのように変化します。
先の鶏のコーが息を出さない k の発音に対し卵のコーは kh。息を強く出す有気音です。
先のコー カイのカイは鶏、このカイは卵の意味。
カタカナで書くとどちらもカイですが、タイ語ではまったく異なる音です。
息を出すか出さないかがどれだけ大切かおわかりいただけるでしょうか。
意識せずカイと言ったのでは卵のカイか鶏のカイか正確に伝わりません。
さらにはこの文字、声調を持ちます。
声調というのは音の上がり下がり。
詳しくは後に説明しますので、ここではこの文字は尻上がりになる上昇声であることだけ覚えておいてください。
3. コー クワーイ(水牛のコー)
3番目は水牛のコー。
またまたコーです。
この辺がタイ語の少しややこしいところ。
コー クワーイは発音記号でいうと kh の音。
わかりやすくいえばカ行の発音。
つく母音によってカキクケコのように変化します。
先の卵のコー同様、息を強く出す有気音です
では卵のコーと何が違うのかというと声調。
この文字は普通に発音します。
4. コー ラカン(鐘のコー)
4番目は鐘のコー。
またまたコーです。
コー ラカンは発音記号でいうと kh の音に相当。
わかりやすくいえばカ行の発音。
つく母音によってカキクケコのように変化します。
先の卵のコー同様、息を強く出す有気音です
では水牛のコーと何が違うのかというと、ほぼ何も変りません(笑)。
タイ語に同じ音の文字がいくつもある理由
タイ語には21の頭子音(音節の頭にくる子音)があります。それに対して子音文字は42あります。
つまり、音の重複している文字がいくつもあるということです。
たとえば、kh の音を表す文字はつい最近まで5文字ありました。
さすがに多すぎると思ったのでしょう、そのうち2文字は廃止され現在は3文字が使われています。
これは、タイ語の語彙の大半を占めるサンスクリット、パーリー語を何とか原語に忠実に書き表そうとしたためなのですが、反面、同じ音の文字でも単語によって使い分けをしなければならず、タイ語の学習を複雑にする結果を招いてしまいました。
5. ゴー グー(ヘビのゴー)
5番目はヘビのゴー。
コー ラカンは発音記号でいうと ŋ の音。
わかりやすくいえばガ行の発音。
つく母音によってガギグゲゴのように変化します。
ただし、日本語のガギグゲゴではなく、ンガ、ンギという感じで鼻に抜ける音です。
6. チョー チャーン(お皿のチョー)
6番目はお皿のチョー。
チョー チャーンは発音記号でいうと c の音。
わかりやすくいえばチャ行の発音。
つく母音によってチャ、チュ、チョのように変化します。
息を出さない音
注意して欲しいのは、息を出さずに発音する無気音の c と息を強く出して発音する有気音の ch があるということです。
この文字は c の音なので息を出さずに発音します。
息を出さずに発音するためジャのようにも聞こえ、カタカナタイ語ではジャと表記する人もいるようです。
7. チョー チン(鉦のチョー)
7番目は鉦(しょう、かね)のチョー。
チョー チンは発音記号でいうと ch の音。
わかりやすくいえばチャ行の発音。
つく母音によってチャ、チュ、チョのように変化します。
先のお皿のチョーが息を出さない c の発音に対し鉦のチョーは ch 。息を強く出す有気音です。
さらにはこの文字、声調を持ちます。
詳しくは後に説明しますので、ここではこの文字は一度下がって尻上がりになる上昇声であることだけ覚えておいてください。
《楽々タイ語の読み書き》第2回 コーカイその2、に続きます。

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