タイの人たちとつきあっていくと
必ず遭遇するのが借金問題。彼らは
なぜこんなに気安く借金を申し込み、
なぜ安易に応じ、なぜ返済を嫌がるの
でしょうか、という内容の記事です。
気安く借金をする人たち
「ねえ、お金貸してよ」
知り合って間もないのに、あるいはそう深い仲でもないのに、タイの人たちから借金を申し込まれ、驚いたこと、ありませんか。
タイに長く暮らす日本人で、こういう経験のない方はほとんどいらっしゃらないのじゃないかと思います。
特に庶民は実に気安く、まるであいさつでもするかのように借金を申し込みます。
タイ生活の大原則
「極力、金を貸さない」
これ、タイに暮らす上での大原則。
なぜなら、貸したところで返してくれる可能性は低い。
借りたらもうこっちのもの。こう考える人がとても多いんですね。
きちんと返さなければまた何かあったときにまた貸してもらえなくなる、などとと先のことは考えません。
彼らにとっては今がすべて。
借金の返済を迫れば逆ギレされる
返してくれなければこちらとしても困るし腹が立つ。で、
「貸したお金、返して」
返済を催促。
日本では借金の返済を迫られた場合、
「お願い、もうちょっと待って」
とか、借りた方が懇願するものですが、
タイの場合、
「なんだ。返してもらえないのがそんなに心配なのか。チッ」
借りた方は腹を立てます。何しろ貰ったように思ってますからね。
今更何を、という感じです。
善悪は自分を中心に決められる
この辺の感覚、思考を理屈で説明しますと、タイではほとんどのことが客観的ではなく主観的に判断されることに起因しています。
つまり、善悪は社会的なものよりも自己中心に決められ、自分にとって良いことが善、悪いことが悪。
だから、借りた金を催促する者は、自分に不利益を与える悪いやつ、こう認識されてしまうわけです。
金を貸しても感謝されない
日本では金を貸した方が上。
タイでは借りた方が上。
貸したが最後、立場が逆転、
「頼むから返してくれ」
貸した方が借りた方を拝み倒すことになります。
貸すのなら、あげるつもりでなければなりません。
ところが、それで感謝されればまだしも、
「ああ、この人はいい人だ。いくらでも金を貸してくれる」
味をしめて2度3度借りにくる始末。
感謝もされず、恩に着ることもなく、金は戻ってこない。やりきれません。
金は貸すのが当たり前
「じゃあ、貸さなければ良いじゃないか。何を考える必要があるんだ」
そうです。その通りなのですが、これが意外に難しい。
タイには伝統的に、富める者は富まざる者に分け与えるのは当然、という考え方が根強くあります。
借金を申し込めば必ず貸してくれるもの、と思い込んでいますから、貸してもらえない場合、相手は相当ご立腹。
「金を持っているのに貸さないとはなんてひどいやつだ!クズだ!」
などとボロクソに言われます。
分け与えることを知らない者は評判を落とし嫌われるのがタイ社会。
まず、このことを覚えておいてください。
そして、それでも、金は貸すべきではない、と言っています。
どちみち人間関係にはひびがいく
金を貸すと、返済を巡り、かなりの確立で仲が悪くなります。
金を貸さないと、相手は腹を立て、かなりの確立で疎遠になります。
貸しても貸さなくても、人間関係にはひびがいく。
それなら、最初から貸さないほうが得だし、貸した後の余計なごたごたも避けられる。
「絶対すぐ返すから。ね。頼むよ」
「借りるときはみんなそう言うんだよ。でも金を手にしたら気が変わる」
「返してもらわなければこっちが腹を立てるし、催促すればあなたが腹を立てるだろう」
「仲が悪くなるのは目に見えているじゃないか。もう今まで通りには付き合えなくなるよ」
「できれば、あなたとの関係は大切にしたい。だから金は貸さない」
借金の申し込みをされた場合、ぼくはまずこう説明します。
彼らにはなかなか理解し辛いことのようですが、これで腹を立て離れていくような人物なら、もう付き合わない方がよい、と割り切っています。
我が道を行くべし
もしどうしても貸さざるを得ない場合は、たとえ親族であっても、契約書を書くとか、担保をとるとかしておくこと。
金銭に関してはシビアに対応するのが結局お互いのため。
もちろん、タイの人たちのように大らかに金を貸してうまくつきあっている方もいらっしゃいますけどね。
どちらのスタイルを選ぶかはあなた次第。
まとめ
・極力、金を貸さないのがタイに暮らす上での大原則。
・金は貸したら最後、返してもらうのが難しい。
・借金の返済を催促すれば腹を立てられる。
・金を貸しても感謝されない。
・金は貸してもらえるのが当たり前、がタイ社会。
・金を貸さない人間は評判を落とすタイ社会。
・金を貸しても貸さなくても人間関係はかなりの確立で悪くなる。
・タイの人のように気安く金を貸してうまくつき合っていけるのならそれが何より。
-以上-
ご健闘を祈ります。
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