ネットでは、ピータンはよくない、害がある、と書かれることが多いけれど本当だろうか。大量継続摂取が悪いのは何もピータンだけではないし鉛が含まれているのもピータンだけではない、と信じてぼくはピータンを食べ続けている。
アメリカ人が選ぶ最もキモイ食品
「何これ?キモ!」
タイのスーパーでパック入りのピンクのタマゴを見て首を傾げたことのある人は少なくないに違いない。
あれはピータン。
ピータン、好きですか。
何でもアメリカで世界のキモイ食品ナンバー1に選ばれたことがあるそうだけど、ぼくは嫌いではない。
タイのピータンがピンク色している理由
でもタイのピータンって、殻がピンク色。
これは気に入らない。
なぜピンク色しているかというと、赤石灰(プーンデーン。石灰にハルウコン〔薑黄〕を混ぜたもの)を塗るから。
通常の白石灰もアルカリ(ピータンはアルカリの作用で熟成する)のため、差し支えないそうなのだけど、通常のタマゴや塩タマゴと区別するためにプーンデーンを使い始めたのだろうといわれている。
現在はアルカリ溶液に浸し着色料を使用してピンクにしているらしい。
タイ語で馬のオシッコタマゴ
ちなみにピータンはタイ語で「馬の小便タマゴ(カイ イオ マー)」。
馬の小便のように臭いから。中国語のイアマーが訛った(ふざけていった)。などの説がある。
その美名を変更もせず使い続けているところがえらい。
若いお姉さん方、店で、
「馬の小便タマゴください」
なんていい辛くないんでしょうかね。
昔ピンクのタマゴには鉛が含まれていた
昔、保健省が市販されているピンクのピータンを検査したところ、ほぼすべてから基準値を超える鉛が検出され話題になったことがある。
ピンクピータンは知る人ぞ知る危険な食品だったのだ。
もう見ただけで毒々しいじゃない。ピンクのピータンなんて。
きっと何かあると思ってたんだ。
ピータンはやっぱり、泥でくるまれた昔ながらの製法のピータンに限るね。
本物が消えモドキはばかる
ピンクのピータンなんて絶対に口にしない。
そう決心して数年。
最初のうちはけっこう泥つきピータンが出回っていたのだけど、そのうち姿を消してしまった。
近年手に入るのはピンクピータンばかり。
本物が消え、モドキがはびこる。
これ、ひとえに消費者のせいだ。
本物は売れない。ならば、粗悪であろうが体に悪かろうが売れるものを作るまで。
ピータンに限らないけどね。
ピータンはもともと危険食品?
というわけで、ぼくはピンクのピータンを避け、昔ながらの製法のおいしくて体に害もない泥ピータンをひたすら捜し求めていた。
そんなある日、改めてピータンについてグーグル様にお尋ねしたら、なんとなんと
「ピータンは古来より鉛を含んだ泥で作られていて、食べ過ぎると鉛害を引き起こす可能性あり」
とあった。
ほかにも「ピータンは危ないので食べ過ぎないように」と警告を促すサイトが多数。
驚倒、一驚、喫驚、驚天動地、びっくり仰天。
まっとうなピータンもどうやら危険性において変わりないというのだ。
むしろ近代的製法によるピンクのピータンより危険性大、とする意見すらある。
それでもぼくはピータンを食べる
上記のようにネット界ではピータンの害ばかり書き連ねて脅かすようなサイトが多いけれど、このような記事を書く人はきっとピータンを食べたことがないかピータンのおいしさを知らないかのどちらかだろう。
実際、どのような害があったか、という体験談は一つもない。
害が出てくるのはあくまでも異常に大量に継続的に食べ続けた場合の話。
大量継続摂取が悪いのは何もピータンだけでないし、鉛が含まれているのもピータンだけではないものね。
それに現在では鉛を使わず短期間でできる製法が開発され、ピンクピータンでも安全性は高まっている。
本当に危険ならあれだけたくさんの量がスーパーに並べられているはずない。
と信じてぼくはピータンを食べる。
タイのピータン料理、カイ イオマー ソンクルアン
知ってる?箸の先にピータンをつけてちびりちびりなめながらビールを飲むとビールが甘く感じられとてもおいしくなるんだよ。
ちなみに、タイではピータンはごく普通の食材だけれど、ピータン料理というのはほとんどなくて、たいてい殻を剥いてそのまま、あるいは飾りピータン(カイイオマー ソン クルアン)にして食べる。
飾りピータンは切ったピータンに唐辛子とかピーナッツを添えて飾っただけの簡素な料理。
お粥屋(タイのお粥屋は居酒屋を兼ねている)で酒のつまみにされることが多い。
先にも書いたけど、ビールとよく合うのでお試しください。
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