卵焼き カイチオ(カイ ジャオ)
まずは日本人にも好評のタイ風卵焼きカイ チオ(チアオ)。
カイは「卵」、チオは「揚げるように炒る、焼く」の意味。
日本の卵焼きは油をうっすら引く程度ですがタイの卵焼きは油をたっぷり注いだ中華鍋に溶き卵を流し込んでつくります。
日本人の感覚では卵焼きというより卵揚げ。
タイ人自身も「卵を揚げる(トード カイ)」と表現しております。
卵焼きの具について
卵焼きは具なしと具入りがあります。
最もポピュラーな具入り卵焼きは豚挽肉のカイチオ ムーサップ。
このほか、ネギ、長尺ささげ、トマト、シャロット、ネーム(酸っぱい発酵肉)、チャオム(アカシアの仲間の若葉)、などが定番の具です。
食べ方について
大衆食堂ではカオ カイチオが大人気。
卵焼きをただご飯にのせただけの超シンプルな料理なのですがタイ人のソウルフードといって過言ではないくらい愛されています。
そしてカイチオに絶対欠かせないのが甘くてピリッと辛いソース(ソース プリック)。
カイチオを食べる楽しみはこのソースにあり、です。
ニンニクの効いたスィーラーチャー(シラチャ)ソースもいけますよ。
作り方はこちら
炒り卵 カイコン
コンは「混ぜる」の意味。
日本風のしっかり火の通った炒り卵、とろっとしたスクランブルエッグ、タイ風、色々なタイプが食べられています。
味付けもナムプラーだったり白醤油、オイスターソースを使ったり様々。
ただ、炒り卵自体はややマイナーな料理です。
オムレツ カイヤッサイ
ヤッサイは「押し込む、詰め込む」の意味。
炒めた具材を薄焼き卵で四角く包んだタイ風のオムレツです。
具材は何でも良いのですがたいていは、玉ねぎ、人参、トマト、などの野菜と挽肉を炒め合わせます。
味付けには、ケチャップ、オイスターソース、白醤油、胡椒、砂糖、など。
ちょっと見、ミートソース。
タイの洋食といったところで子供にも人気です。
目玉焼き カイダーオ
目玉焼きはタイ語でカイ ダーオ(星)、目玉焼きを作ることは「星卵を揚げる」と表現。
中華鍋にたっぷりの油を注ぎ、中火で熱くなるまでよく熱してから卵を投入。
泡だった白身に周囲の油を回しかけながら作るのがタイスタイルの目玉焼き。
「黄身は半熟でもいいけど、縁は絶対にカリッカリじゃないとだめ」
タイ人の譲れない一線だそうです。
油に投入する前に白身を軽くかき混ぜたり水を少し入れたりするのが膨らませるコツだとか。
作り方はこちら
揚げ卵 カイルーグ(ルーク)クーイ
ルーグクーイは「婿」のこと。
ゆでタマゴを揚げ、甘酸っぱいタマリンドソース(タマリンド、ナムプラー、砂糖を軽く煮詰めたもの)をかけた上に、パリッとした揚げシャロットを散らした料理。
「おいしいのはおいしいけど、甘過ぎて惣菜としては今ひとつ」
というのがこれを食べた日本人の大方の感想。
海外から見れば日本の料理もかなり甘い方なのですが予想だにしなかった甘さに驚かれるようです。
そういうものなんだ、と頭を切り替えればけっこうおいしく頂けると思います。
日本のだし巻き卵だって相当な甘さですしね。
※ルーグには「玉」の意味があり、卑猥なネーミング、と書かれることが少なくありませんが、この解釈は後付けだと思われますのであまり本気にしない方が恥をかかないですみます。
串焼き卵 カイ ピン ソンクルアン
殻付きの卵を串に刺したB級グルメで店先の炭火コンロに並べられているのをよく目にします。
それにしても、どうやって殻付き卵を串に刺しているのか。
実はこの卵、串焼きとありますが蒸した卵を串に刺し焼いているように見せかけているんです。
殻を割って食べるとまた不思議。
黄身がありません。
その秘密は作り方。
蒸す前に卵の先端に穴をあけ、卵を取り出した後、攪拌して白醤油などで味付け、また殻に戻して蒸す、という手間のかかることをしているので黄身がありません。
何から何までユニークな料理ですね。
※ピンは「焼く」。ソンクルアンは「飾り立てた」の意味で、料理に使うと「具沢山の」の意味合いになることが多いのですが、この場合、具は入ってませんから「ひと手間かけた」ぐらいの感じでしょうか。
※店によっては串に刺してないこともあります。
以上。
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