日本の寿司は本当に受け入れられているのか
世界的な日本食ブーム。
タイでもデパートや大型スーパーには必ず日本料理店が入っている。
とりわけヒットしているのが寿司である。
その寿司には2種あって、一つは本当の日本式寿司。
でも高級なうえ、本物の味を好む人以外には今ひとつ馴染みにくい部分もあるようだ。
もう一つは一般的なタイ人の口に合うよう工夫された「タイ種、タイ系(スシ パン タイ)」と呼ばれるなんちゃって寿司。
これが大うけしている。
タイ系寿司の特徴
まず、高級感の漂わない入りやすい店構え。
路傍の屋台や市場で箱に寿司を並べているだけの店は入る必要すらない。
値段は一貫10~20B。
渋い色の日本の寿司に対しとてもカラフルで美しい。
プチケーキかと見紛うくらいだ。
何より驚かされるのは酢飯でなく普通のご飯。
恐らくうるち米ともち米を混ぜているのだろう。
それを渾身の力で握りしめている。
何事も手加減しないのがタイのよいところ。
タイ系寿司のびっくりネタ
寿司に酢飯を使わないだけでも驚きなのにその上に載るネタはもっとすごい。
いくつかご紹介しよう。
揚げニンニクレバー(タップトードカティアム)
タイの人たちには寿司=生魚の概念がない。
ご飯の上に料理を載せたもの、ととらえているのだろう。
肉を載せたものでは、揚げ豚バラ肉、ライム和え豚、ライム和えレバー、など。
魚はタイを代表する焼いたグルクマ。
卵焼きにはチャオムという硫黄臭のする木の芽を混ぜ込みタイらしさを出している。
肉系は醤油でなく焼肉のタレ(ナムチム チェオ)、魚や卵焼きはエビペースト(ナムプリック カピ)につけて食べる。
ここまでくると普段食べている料理の下に握ったご飯を置いただけのような気もしてきた。
アリの卵の軍艦巻
魚の卵を載せるのならアリの卵を載せたって良いじゃないか。
日本人は魚卵を尊びタイ人(東北や北部)はアリの卵を尊ぶ。
いっておくけれど、アリの卵は肉より高い高級食材である。
ツムギアリという大型のアリで卵も米粒よりでかい。
それにしてもいったいなぜアリの卵を載せようと思ったのか。
素晴らしい発想力だ。
タガメの卵寿司
日本ではタガメは絶滅危惧種に指定されタガメを知らない人も増えている。
タイではタガメは食用として養殖され、タガメを知らないタイ人はいない。
そのタガメとタガメの卵をあしらった寿司。
これは販売されているのではなく個人の創作料理。
タガメは揚げてあるそうだ。
それにしてもインパクトあるね。
フルーツ寿司
桃、リンゴ、マンゴー、ドラゴンフルーツ、イチゴ、ブドウ、キーウィ、などフルーツネタの寿司。
しかもカオニオムーンを使う。
カオニオムーンというのはココナッツミルクを染み込ませた甘いもち米である。
そう、日本人に大人気のマンゴーライスのライス。
これってもうマンゴーライスを寿司の形にしただけだよね。
やっぱりタイはすげえなあ。
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