生血入りスープ麺のおいしさと危険について

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血入りスープ麺ナムトックはとてもおいしい

タイを代表する麺、クイッティアオ(クエティオ)。
米の国らしく屑米から作る米製の白い麺です。
スープは一般に豚の骨を煮た簡単なスープ。
なので、卓上に置かれた後、酢や砂糖、ナムプラー、唐辛子、ピーナッツ粉などを各自が丼に放り込み自分の気に入る味に仕上げます。

そんなクエティオですがときおり妙に複雑な味のスープに出会うことも。
クイッティアオ ナムトックと呼ばれる豚の生血を混ぜたクイッティアオです。
普通のクエティオよりずっとおいしい、と熱愛ファンも多数。

血の塊料理の安全性と食べ方作り方
日本人にはまったく馴染みのない、豚の血ゼリー、血豆腐、などと呼ばれる血を固めた食品。中国や東南アジアではごく普通に食べられ外国人観光客も知らずに口にしているわけだけれど、その安全性、味、栄養、はどうなのか、という話。

なぜスープに血を加えるのか

日本人にはなじみがありませんが、動物の血は、ヨーロッパをはじめ多くの国で食材として扱われています。
タイの場合、なぜスープに生血を加えるのかというと、おいしくなるから。
クエティオは簡単に作れる分、味も単純。
血を入れることで味に深みが出て濃くなります。

※昔は栄養の面からも血が食用にされていたようです。

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タイ保健省が警告、血入りスープの危険性

もう十年以上も前になりますが、タイ保健省は、
「クイッティアオ ナムトックは豚レンサ球菌感染の危険性あり。腎不全などで最悪死に至る」
と警告、国民に注意を促しました。

豚レンサ球菌症というのは豚の感染症なのですが人にも感染し、髄膜炎、多臓器不全、聴覚障害などを引き起こします。
タイでは豚の生血や生肉料理が主な感染源。
とりわけ全国で広く食べられているナムトックは調理の仕方次第ではとても危険、ということです。

なぜナムトックは危険なのか

豚の生血はもともと寄生虫や感染症の恐れがありますが、熱を通すことによって安全に食べられます。
ナムトックも最初から血をスープに加えて煮ているタイプなら全く問題はありません。
ところが丼に麺や具を入れた後でさらに追い血をしたり、普通のスープに生血を混ぜる店があります。
生血の入ったお玉でスープをすくい、それをそのまま丼に注ぐわけです。
これも熱さえきちんと通っていれば大丈夫なのですが、スープの温度が低かったり、血の量が多かったりすると完全に殺菌されず生き残った菌に感染する可能性が出てきます。
今は昔より衛生に対する意識も高くなっているし、感染豚も少なくなっているようですが、用心することにこしたことはありません。

※クイッティアオ ナムトックを食べて下痢をした、腹が痛くなった、というのはほぼ生血が原因なのでそういう店には二度と行かないこと。

血の塊入りの人気料理
あなたはもうすでに血の塊を食べている。タイ料理、けっこう血の塊を使っている料理が多いのですが大半の人は気づかず口にしています。豚の血ゼリー、血豆腐入り料理にはどんなものがあるのか、という話です。

なぜナムトックなのか

ナムトックは「水が落ちる」。通常は「滝」を指しますが「水が滴る」くらいの意味で使われることもあります。
血入りスープがナムトックと呼ばれるようになったのは材料から「水が滴っていた」という知ってもしょうもないくらいつまらない理由です。
「滝のそばで売られていたから」というのは真っ赤な嘘であります。

 

クイッティアオ ナムトックとクイッティアオ ルアの違い

血入りスープのクエティオを舟クエティオ(クイッティアオ ルア)と呼ぶこともあります。
舟クエティオとは、昔、運河や水上市場などで舟を漕ぎながら売っていたクエティオ屋を指します。
舟クエティオでは生血入りスープのナムトックタイプを売るところが多かったため、今ではナムトックも舟クエティオと呼ばれるようになったわけです。
ちなみに舟クエティオは陸に上がり店先に舟を飾るクエティオ屋を指しましたが、今ではその舟もなくなり、生血入りスープを提供する店のことを指すことが多くなりました。

店先に舟を置いて調理する現代の舟クエティオ

店先に舟を置いて調理する現代の舟クエティオ

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