甘い赤飯が世界を統べる
竹筒で炊いたもち米をカオラームと言います。
基本の材料は、餅米、水、塩少々。
これはおこわバージョンで、市販されているものはこれに、黒豆、ココナッツミルク、砂糖、を加えたスイーツバージョンです。
一見、赤飯に似ていますが、甘くまったりしているところが異なります。
うげえ、赤飯に砂糖?
いやいや、実際に食べてみて。びっくりするほどおいしいから。
甘い赤飯、そのうち日本でも流行るかもしれません。
プリンとコラボした竹筒飯
カオラームはけっこう古くからある伝統菓子。
若者たちの目には少し時代遅れに映り、なかなか手に取ってもらえません。
そこでカオラームを生業にしている人たちは知恵を絞り様々なカオラームを生み出しました。
たとえばカオラーム サンカヤー。
サンカヤーは、卵、砂糖、ココナッツミルク、からなるタイのプリンです。
タイ嫁が買ってくるカオラームはどういうテクニックを用いているのかカオラームの中心部分にそのサンカヤーが餡として挿入されています。
北部にはもち米の上にサンカヤーをのせたスイーツがありますがその応用でしょうか。
日本人にも受けるうまさです。
グリーンカレーやカパオ(ガパオ)とコラボした竹筒飯
はあ?となったのが、カオラーム キオワーン。
皆様の大好きな通称グリーンカレーとカオラームがコラボしたいかがわしき一品です。
写真を見たところ普通のカオラームの上部にキオワーンが収まった形をしています。
このほか、カパオ炒めと合体したカオラーム カパオくん、肉チマキと共演したカオラーム バアチャン、銀杏を使ったカオラーム ペ クイ、なんていうのもあるようです。
これらは惣菜系のカオラームなので食事代わりに頂きます。
竹筒飯のおいしさは竹にあった
カオラームには専用の竹を使わなければなりません。
普通の竹とどこが違うのかというと竹の内側の薄皮です。
この竹の薄皮は炊きあがると餅米にぴったり張り付いて器の竹が剥きやすい。
しかも薄皮のおかげで餅米は細長いままの形を保ち餅米が触れないので手が汚れません。
なにより食べるときにパリッと裂けて心地よい食感が楽しめます。
普通の竹ではこうはいかないそうです。
*カオは「飯」、ラームは「(容器に入れ煎じるように)火を通す」こと。
竹筒でもち米を炊く方法
今では日常のご飯は炊飯器や蒸し器(タイ北部、東北部はもち米が主食)になってしまいましたけど、竹が豊富なタイでは昔から竹筒を使ってご飯を炊いていました。
日本では竹筒を寝かせる横置きが主流なのに対し、タイでは縦置きが主流。
米もうるちではなくもち米を使います。
*なぜもち米かというと、もち米が主食の地方(タイ北部、東北部)の調理法だから。
下のレシピはスイーツ用ですが、普通のもち米も作り方は同じです。
竹筒飯のレシピ
材料は、もち米、黒豆、塩、砂糖。容器用の竹と栓につかうバナナの葉。
(主食用のもち米の場合は、もち米と水、少々の塩のみ)
作り方
・水に浸けておいたもち米をよく洗いザルで水を切る。
(先に米を5時間ほど浸けておくレシピ、竹筒に米をセットした状態で数時間置くレシピ、ほとんど水に浸けないレシピ、があった)
・米と煮ておいた黒豆と混ぜる
・鍋にココナッツミルクを入れ、砂糖、塩を加えてよく溶かす。
(ココナッツミルクが濃いタイプの場合は水で薄めてもよい)
・黒豆を混ぜた米を竹に入れる。竹をごく軽く下に打ち付けしっかり入れる。栓をするため上部は5センチほど空けておく。
(竹が太い場合は10センチほど残す)。
・お米より心持ち多めにココナッツミルクを入れる。泡を追い出すよう少しずつ入れるのがコツ。
・バナナの葉を畳んで竹に詰める。
(パンダンリーフやヤシの繊維を詰めることもある。大切なのは蒸気がほどよく抜けること)
・熾火の上に斜めに立てかけて回しながら焼く。
(竹筒を立て、取り囲むように火を焚く方法もある。動画では廃棄されたトウモロコシノ芯を使っていた)
・竹が全体に黄色くなれば完成(早ければ30~45分)。
・冷まし割って食べる。
(普通は外側を手で簡単に剥けるよう削ぐが熟練技が必要。素人はやめておいた方が無難)
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