あまり知られてませんがタイはメディカルハーブ大国。生薬を用いた伝統医療が普及しています。病気を治すよりまずかからない。身近なハーブを日常の料理や飲み物に取り入れて健康に、という話です。
タイ伝統医療局が勧める家庭用サムンパイ
タイ伝統医療局がすすめる「手に入れやすく庭でも簡単に育てられるサムンパイ10種」の中から6種をご紹介。
サムンパイとは
サムンパイ(サムンプライ)はタイの伝統医薬。
簡単にいえばタイ式メディカル ハーブですが植物以外、動物、鉱物なども含みます。
血糖値を下げる マラ キーノック
ツルレイシ、ゴウヤの仲間です。
大きさは3~10センチと小型。
期待される効能
解熱、内熱軽減、食欲増進。
血糖値を下げ、糖尿病、白内障、腎臓病などの予防によい。
利用の仕方
ゆでたり蒸したりしたものを料理に添えて食べることが多いです。
炒めてもいけます。
ジューサーでジュースにして飲む人もいるようですがかなりきつそう。
実際に試してみた
マラ キーノックは「鳥糞ゴウヤ」の意味。
実を食べた鳥の糞から生えてくることが多いためだと思います。
鳥の多い家の庭はこれがそこら中にはびこって大変。
結果、よく食卓に出てきます(笑)。
かなり苦いですが悪くはありません。
気分爽快食欲増進 タカイ(レモングラス)
トムヤムクンに浮かんでいるネギのようなやつ、といえばおわかりでしょうか。
シトラールの爽やかな香りがする稲科の植物です。
期待される効能
食欲増進、除痰、駆風、リフレッシュ。虫除けとしても利用されます。
利用の仕方
香りがよく臭みを消す働きがあるので色々な料理に使えます(結構硬いです)。
とりわけヤム(ライム和え、タイ風サラダ)には欠かせません。
レモングラスをメインにしたヤムタカイという料理もあります。
スープ類には根元の白い部分を適度な大きさに切って叩き潰しヤム類には刻んで使用します。
レモングラスのハーブティーは日本でもよく知られています。
タイの場合、シロップを加えたりニオイアダンと一緒に煮たりします。
実際に試してみた
ヤム料理が好きなこともあってめったやたらレモングラスを食べてます。
老いてなお食欲旺盛なのはこのせいかも。
ハーブティーは香りよく確かにリフレッシュしそう。
美肌に抗炎 ブアボック(ツボクサ)
セリ科の植物。タイ語は「陸のハス」を意味します。
日本ではゼニクサ、クスリクサと呼ばれることもあるようです。
期待される効能
解毒、解熱、内熱(身体の内部にこもる熱)、腹の張り、胃炎など消化器官の傷、皮膚病、美肌、利尿、等によく、健康促進、長寿、脳や神経の活性化、記憶力増進、鎮静効果、があるといわれます。
止血、傷、打ち身、内出血などに貼り薬としても用いられます。
利用の仕方
普通はジュースにして飲みます。
冷蔵庫が普及し清涼飲料水が出回るまではこれがのどを潤す飲み物として路傍で売られていました。
ナムプリック(唐辛子などを搗いたペースト)に添え生食することもあります。
ジーンと来るようなやや青臭い匂いとほろ苦さがあります。
実際に試してみた
ジュースはあまり飲みませんがときどき生食しています。
いずれにしろ効果を期待するにはある程度継続する必要がありそうです。
風邪といえば ファー タライチョーン(センシンレン)
センシンレンはキツネノマゴ科の一年生植物。
インド方面原産で東南アジアに広く分布。
タイでは「風邪、喉の薬」と認識され、風邪で公立病院へ行くとたいていセンシンレンのカプセルを処方されます。
期待される効能
もともとは、解毒、解熱、下痢、赤痢の薬。
今は、風邪、喉の痛み、気管支炎、呼吸器系の感染症、筋肉痛、大腸炎、整腸、免疫力増加、などに効果が期待できると言われています。
*3日間の使用で効果がみられなかったり悪くなったりした場合は服用をやめること。
妊婦、授乳期間中、肝臓や腎臓に問題がある人は使用禁止。
*ハーブとして市場に出回ることはないし庭にも植えていないので試したことはありません。もっぱら薬用のようです。
美しい黒髪にマクート(コブミカン)
ピンポン玉を一回り大きくしたくらいの柑橘類。
その名の通り実の表皮がでこぼこして柑橘系の化粧品のような強い香りがあります。
トムヤムに入っている濃い緑の葉はコブミカンの葉です。
期待される効能
皮は、駆風、腹の張り、めまい。
ジュースは美髪効果。
利用の仕方
香り付け、匂い消しとして葉をそのまま汁物に入れたり、あるいは刻んで炒め物に散らしたりします。
削った皮を使う場合もあります。
昔の人は実のジュースで髪を洗ってました。
*市販されているシャンプーにはコブミカンのエキスを配合したものが多数あります。
*食器用洗剤にもコブミカンが使われています。
腹の張り、除痰にカパオデーン(ホーリーバジル)
カミメボウキ、トゥルシー、などとも呼ばれるシソ科の植物。
カパオにはカパオデーン(赤カパオ)とカパオカーオ(白カパオ)の二種があるのですが、ここでは薬効が高いとされる赤の方を使います。
期待される効能
腹痛、腹の張り軽減。駆風(体内の余分な空気を出すこと)、除痰。
利用の仕方
生でも食べられますがおいしくはありません。
普通は料理に入れるかハーブティーにします。
カパオを使った料理といえば日本でも大人気のパットカパオ(パットガパオ、ガパオ炒め)。
パットカパオには白を使う人が多いですが赤を使ってもおいしくできます。
カパオを生かした最高の料理といってよいかと思われます。
実際に試してみた
カパオの効能がすぐに感じられるのはカパオのハーブティー、カパオ茶。
のどが狭まって不快なときに飲むとすぐにのどが広がる感じがします。
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人の身体は食べ物からできています。
健康は毎日の食事から。
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