《栽培、収穫から精製、焙煎まで》庭になったコーヒーを飲む

飲み物

庭にコーヒーの木を植え、なった実をコーヒー豆に精製。それを自分で焙煎して飲む。というコーヒーの完全自給自足の話です。

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庭で採れたコーヒーを飲む

数十年前、タイ北部は貧しさゆえケシ(阿片の原料)栽培に手を出す人が少なくなかった。
それを憂いた前国王ラーマ9世がケシに代わる換金作物としてコーヒーの苗を農村に配布。
家も3本おすそわけにあずかり、植えた木から採れたコーヒーを飲んだことがある。
栽培から収穫、精製、焙煎まで完全なる自家製コーヒーである。
「これはうまい!」
たまたま訪れて試飲した知人は絶賛。
正直なところぼくはそれほどとは思わなかったけれど、自分の家で採れたコーヒー豆を自分で煎って飲むのはやはり格別である。

赤く色づいたコーヒーの果実

赤く色づいたコーヒーの果実

その頃家は毎年洪水に見舞われ、何度も水に浸かったコーヒーの木は残念ながらみな枯れてしまった。
後、家周辺の気候もずいぶん変わり、春先の嵐も秋の洪水も嘘のようになくなったのでまたコーヒーを植えてみようと思ったのが数年前。
1本30Bで買った苗を4本植えたところ今年1本がようやく飲めるほどの実をつけた。
といっても精製すれば200gいかないくらいの量である。

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コーヒーの木

コーヒーの木はなかなか気難しいところがあって、日当たりのよいところでは葉が変色してしまい、日陰に植えると実か赤く熟さない(日陰より日向の方が実のなりはよいようだ)。
最近は小さな木を観葉植物にする人もいる。

コーヒーの木に花が咲くと木が白く見える

コーヒーの木に花が咲くと木が白く見える

コーヒーの花

家のコーヒーの木は2月頃白く清楚な花を咲かせる。
香りも清々しいけれど短命で見頃は2日ほど。

コーヒーの花は清々しい香り

コーヒーの花は清々しい香り

コーヒーの実

白い花はやがてコーヒーチェリーと呼ばれる実を結ぶ。
色合いはさくらんぼに似ているものの実は少し扁平。
この実の中に入っている2個の種がコーヒーになるわけだ。

コーヒーチェリーと呼ばれるコーヒーの実

コーヒーチェリーと呼ばれるコーヒーの実

コーヒーチェリーはおいしいか

ネットを見るとコーヒーチェリーを食べて「おいしい!」と感激している人がいる。
確かに糖度はあって甘いだろうけれど青臭い匂いがする。
ぼくはとても口に入れてみたいとは思わない。

実の収穫はアリとの戦い

タイ北部は10月から11月頃収穫期を迎える。
実は一斉に熟さないので真っ赤に熟れた実だけを摘む。
あまり楽しくない作業である。
原因は黒アリ。
家のコーヒーの木には黒アリがめったやたらいる。
どこからかアブラムシやカイガラムシを運んできて放牧のようなことをしているのだ。
アリはこれらの虫のお尻から出る甘い汁が好きらしい。
折悪しく放牧場はちょうど実のついている辺り。
実を採ろうとすると身体に這い上って渾身の力で食らいつき、一度食らいついたら殺されても離さない。
ギ酸(蟻酸)という毒を吐きかけるので噛まれた部分は電気のような痛みが走る。
数カ所同時テロに遭うとめくるめく快感に襲われ逝ってしまいそうになる。
ランブータン、竜眼、ライチ、四角豆。
収穫は黒アリとの戦いである。

収穫したコーヒーの実

アリと戦いつつ収穫したコーヒーの実

*作業を開始して数十分。
「さあ、終わった」
と思ったら、実を入れたバケツをひっくり返してしまい地面に散乱。
ああ。
また一粒ずつ拾い上げるのに時間がかかった。

コーヒーの実の精製

コーヒー豆とは赤い実の中に入っている種のこと。
種は薄く硬い殻(パーチメント)で覆われ、殻にはにゅるにゅるしたぬめり(ミューシレージ)がまとわりついている。
コーヒーの実をコーヒー豆にするには不要な皮やぬめり、殻を取り除かなければならない。
同じ実でも精製法によって味が大きく変わるのでどう精製するかは重要ポイント。
主な精製法は以下の通り。

10Bで買ったセラドン焼きのカップ

10Bで買ったセラドン焼きのカップ

ウォッシュド

皮を剥きぬめりを取った後、乾燥させる。
最も一般的な方法。
水に浸けてぬめりを取るのでウォッシュド。

ナチュラル(ドライ プロセス)

収穫した実をそのまま乾燥させた後に皮とぬめりを取る方法。
フルーツ感が素晴らしい味と言われるけれど、水分の多い果実を均一に乾燥させるのは手間も時間もかかるし技術的な難易度も高い。

生豆を1個1個選別

生豆を1個1個選別

ハニー プロセス

皮を取り除いた後、ぬめりがついたまま乾燥させる方法。
ぬめりの糖分が染みこむのだろうか、この製法で精製されたコーヒー豆は甘味が増すと言われる。
ぬめりの残り具合によって味も異なり、まったく除去しないものから半分くらい取り除くものまで色々ある。

*生豆にしてから乾燥させる方法もある。

皮を剥いた状態

皮を剥いた状態

*ウォッシュドは気が進まないしドライは乾燥した実から種を取り出すのが大変そう。
というわけで家は皮を取り除いてそのまま干すハニープロセスを選んだ。

コーヒー豆の乾燥

商業用のコーヒー豆は産地から船便で消費地に送られることが多いため輸送途中でカビが生えたりしないよう時間をかけてよく乾燥させる。

*家の場合は長期保存するほどの量もないし数日干せば大丈夫じゃないかと思う。
豆の水分量が味にどう影響するのかは知らないけれど、コーヒー豆がフルーツの種ということを考えれば新鮮な内に飲んだ方がよいような気もする。
実を収穫してから雨続きでまだ干せていないため、以下はコーヒー園で買い付けた豆の話。

コーヒー豆を取り出す

コーヒー豆は薄く硬い殻の中に入っているため、乾燥後この殻を砕き豆を取り出さなければならない。
家は布の袋に入れ上から棍棒で叩いて殻を砕いた。
これで精製は終わり、市販されているコーヒーの生豆と同じ状態になる。
ちなみに長期保存するさいは殻をつけたままの方が長持ちする。

右が殻付き左が普通の生豆

右が殻付き左が普通の生豆

コーヒー豆の焙煎

コーヒー豆の焙煎機は破廉恥なほど高い。
個人ではなかなか手が出ないので手網などを使ってシャカシャカ煎ることになる。

自作のコーヒー焙煎機

自作のコーヒー焙煎機

ぼくはブリキ板で焙煎機を作った。
天候が悪く収穫した豆はまだ飲んでいないけれど、あと10日もすれば庭で採れたコーヒーを飲むことができるだろう。
楽しみだ。

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