日本同様、麺食い民族のタイ。様々な麺料理が食べられているわけですが、その中でひときわ異彩を放っているのがイェンターフォー。何しろスープがピンク色でしかも酸っぱい。今までマイナーだったイェンターフォーが近年注目を浴びている話です。
見てびっくりイェンタフォー
「なんじゃこれ」
イェンターフォー(イェンタフォー)を初めて見た人は心の中で叫ぶに違いない。
麺料理らしいが、スープがピンク色をしている。
おいおい、大丈夫か。
思いっきり身体に悪そうじゃないか。
若い着色料世代なら
「わあ、きれい!」
と声を上げるかも知らんがおじさんは自然色世代。
ついつい眉をひそめてしまう。
イェンタフォーはおいしいか
恐る恐る食べてみる。
ピンクのスープはやや濃いめ。
まろやかな酸味が特徴。
意外にいけるじゃないか。
麺は基本、きしめん風幅広米粉麺。
このほか細麺、ビーフン、中華麺、春雨などもチョイスできる。
麺は少なめだが具沢山なのは嬉しいね。
揚げ豆腐、パートンコー(練って揚げた小麦粉。油條)、魚のつみれ、空芯菜。
揚げたワンタンの皮はパリパリで食べるもよし、ふやかせて食べるもよし。
ほう、揚げた魚の皮、クラゲまで入っている。珍しいなあ。
これは何だ。
レバーに似ているが。
ああ、血を固めたやつだ。
日本人はこういうのちょっと苦手かも。
これはタコかな。イカかな…。
たまにはこういう謎に満ちた料理を食べて小さな驚きを味わうのも悪くない。
インスタント イェンタフォー
そのイェンターフォーのインスタントが大きな顔をしてスーパーやコンビニに出回っている。
イェンターフォーの癖に生意気。
何となく癪なので食べてやった。
麺はセンヤイ。
きしめんに似た幅広の米粉麺だ。

コンビニで買ったママー社のイェンタフォー
スープはもちろんあざといピンク色。
うま味と酸味が前面に出ている。
どうせくそまずいのだろうと思っていたら予想外にうまかったのでますます腹が立って完食してしまった。
なんてこった。
日本でもオンラインで売られているようなので興味があればお試しください。

残念なことに予想外にうまかった
ピンクのスープの正体
イェンターフォーのピンク色の正体は紅麹で豆腐を発酵させた紅腐乳。
このほか、ケチャップ、チリソース、粉唐辛子なども使われる。
それぞれ独自のレシピがあるので何が入っているかは店によって異なる。

乳製品のおまけにもらった取っ手付き丼
*嘘か本当か知らんが昔は赤石灰を混ぜているので大量に食べない方がよいと言われていた。
斬新なピンク鍋イェンタフォー モーファイ
イェンターフォーはどちらかといえばマイナーな麺料理。
路傍の大衆食堂でいつもの料理に飽きたときなど少し変わったものが食べたくて注文するようなイメージだったのだが、イェンターフォー モーファイの登場で大きく変わった。
直訳すれば、イェンターフォー(釀豆腐)モーファイ(火鍋)。
簡単に言えばピンク鍋。
進化したイェンターフォーはタイスキのようにショッピングモールやデパートへ進出し始めたのだ。
システムもタイスキと同じ。
好きな具をオーダーし、ピンク汁(最近はあまり色がきつくない)で煮て食べる。
具は、魚つみれ、ラグビーボールつみれ、白豆腐つみれ、黄豆腐つみれ、ワンタン風魚つみれ、エビつみれ。
練り物ばかりだ…。
このほか、エビ、イカ、揚げたサーモンの皮、キクラゲ、クラゲ、血の塊、挽肉、コリコリイカ。
野菜はほぼ空心菜のみ。
そして一応メインのクエティオ センヤイ(米粉きしめん)。
タイ人の好きな物ばかりを集めたらこうなりました、といった感じの鍋である。
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