意外に知られていませんがタイはヘビ大国。そこら中にヘビがいて毎年多くの方が被害に遭っています。被害に遭わないためにはまず敵を知れ、というわけでタイで遭遇する可能性のある毒ヘビについての話。
タイのヘビの種類は日本の20倍以上!
驚いたことに日本に生息するヘビは奄美沖縄などの島を除くとわずか8種なのだそうです。
毒ヘビはなんとマムシとヤマカガシの2種のみ。
日本では毒ヘビが見分けやすいし対処もしやすいということですね。
一方、タイには180種以上のヘビがいてそのうち毒ヘビは24種(毒ウミヘビ等は除く)。
ヘビ毒には神経毒と出血毒がありタイで毒ヘビに咬まれると対処が難しいということです。
毒ヘビと無毒のヘビの見分け方
咬まれて最も気になるのはそれが毒ヘビかどうかということ。
タイのサイトには次のように書かれていました。
毒ヘビ
多くの毒ヘビ、コブラの仲間は上顎前方に毒を送り込む毒牙を持つためドラキュラのように2本の牙のあとが残る。
*絶対的な見分け方ではないようですが目安にはなると思います。
無毒のヘビ
八の字、もしくはサメの歯のようにほぼ均一で並んだ歯形が残る。
歯が多いため傷口も多数で広くそこから血が出る。

裏庭に出たコブラを引き裂く飼い犬たち
遭遇する可能性のある毒ヘビ
無毒のヘビは咬まれても抗生物質を飲めばたいてい事なきを得ますが毒蛇はそうはいきません。
よくて長引く後遺症、最悪の場合命を失ってしまいます。
以下はタイで咬まれる被害の多い代表的な毒ヘビです。

ヘビに睨まれたカエル
グー ハウ(コブラ)
ご存じ毒ヘビといえばコブラ。
このコブラ(タイコブラ)がタイは全土に棲息。
しかもジャングルなどではなく民家の近くにいるため咬まれる事故が絶えません。
湿気のあるところ、特に蟻塚周辺を好むとタイでは言われています。
毒は神経毒と出血毒の両方が含まれ、毒性はマムシの数十倍あるそうです。
目を狙い毒を吐きかけるコブラもいます。
*家の庭で最もよくみかける毒ヘビもコブラです。


グー キオ ハーン マーイ(グリーン スネーク)
意訳すると茶尾緑蛇。
体調は 70㎝ 前後。
全体は鮮やかな緑で尻尾の先周辺だけが茶色です。
タイにはグリーンスネークと呼ばれる緑色のヘビが何種かいますが、尻尾が茶色のヘビには特に気を付けてください。
*娘が大学時代、教授が洪水で逃れてきたこのヘビに咬まれ病院に運ばれたそうです。
グー サームリアム(Banded Krait アマガサヘビの仲間)
背が尖って三角形のような胴をしているためタイ語で三角ヘビと呼ばれます。
体調は100~180㎝。黄色と黒のツートーンカラー。
タイ全土に棲息。
猛毒です。
グー メオ サオ(Russell’s Viper ラッセルクサリヘビ)
グーは「ヘビ」、メオは「猫」、サオは「急に止まる、力が抜ける」の意味。
体調 90~150 ㎝。
頭は三角形で胴はずんぐり。
敵意を感じると恐ろし気な威嚇音を出します。
基本、夜行性でネズミ、カエル、鳥などを捕食。
中部、東部に多く猛毒です。
グー カパ(Malayan Pitviper クサリヘビの仲間)
体調 50~80 ㎝。夜行性。
ゴム園の枯れ葉や石影などによく潜んでいるそうです。
タイ全土、特に南部に多く棲息しています。
猛毒。
咬まれる被害の多い毒ヘビです。
咬まれたらすぐにヘビを確認
ヘビの毒は種類によって毒の成分が異なるため、抗毒血清を打つためにはヘビの種類を特定することが重要とされています。
以前は、何がなんでも咬んだヘビを捕まえて病院へ行け、と言われていました。
ヘビの種類を特定するにはヘビの知識もいるし暗闇や藪などで咬まれる場合もあり、なかなか困難なことです。
病院側もヘビの種類だけの血清を用意するのは費用が嵩んで大変。
詳しくは知りませんが、タイの研究機関がこの問題に取り組み、多種のヘビに効果のある血清を開発したそうです。
それでもすべての毒ヘビに効くわけではないでしょうから極力ヘビの種類、特徴を覚えておくにこしたことはありません。
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犬の方がコブラより強い
家は庭の手入れをあまりしないのでヘビ屋敷となっています。
もちろんコブラもいて、この間も犬たちがよってたかってかみ殺していました。
こういうことが年に何度かあります。
幸い今のところ被害には遭ってませんが、タイには本当に普通にヘビがいますから油断なさらぬよう。
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