タイでは果物の王様ドリアンが1キロ500円前後。食べないと損ですよね。今回は本当においしいドリアンとはどういうものなのか、ドリアンの品種についての話です。
ドリアンは1つじゃない
一口にドリアンといいますがドリアンて品種がたくさんあるんですよ。
でも全国的に出回っているのはモーントーンとチャニー。
これにデパートなどで売られている高級品種カーンヤーオを加えた3種がタイドリアンの代表品種。
量は少ないながらこのほか10数種が市場に出回っています。
本当においしいドリアンとは
まず、よいドリアン、おいしいドリアンとはどういうものか。
タイ人のツウにいわせると以下の条件を満たしているものだそうです。
甘くまったりしている
ドリアンが果物の王様と呼ばれるのは風貌もさることながらカスタードクリームのような甘くまったりした味が人を魅了するからです。
品種によっては甘味が勝ったり、まったり感が勝ったりするわけですが、両方のバランスの取れているものがおいしいとされています。
果肉がべっとりしていない
水分を多く含んでいる果肉は数時間で果肉がどろっとしてしまいます。
ドリアンツウはこの状態を「魚の塩辛になる」と言って嫌い、乾いている果肉がよしとされます。
繊維がなく食べた後腹が張らない
ドリアンの果肉には繊維を多く含むものと含まないものがあります。
繊維が多いと舌触りが悪く食後腹が膨れた状態が長く続きます。
匂いがきつくない
匂いのきついものは「ガスがある」と呼び、このガスが腹を膨らませる要因になるといって嫌います。
ドリアンの品種
それではタイにはどんなドリアンの品種があるのか見ていきましょう。
1. モーントーン
大玉(2~5㎏)。
タイでドリアンといえばこれ。
実が金(トーン)色をして枕(モーン)のようなずんぐりした形であることからついた名前が金枕(モーントーン。実際には淡い黄色)。
モーントーンの味の特徴
種が小さく可食部分が多い。
臭いは柔らかめ。
ほかの品種に比べ癖がない。
ただし繊維は少し多め。
2. チャニー
中玉。
チャニーはテナガザルのこと。
茎は太く短い。溝が深め。
チャニーの味の特徴
黄色い果肉は色濃く、甘くてまったり味も濃い。
果肉がねっとりしている。
種は小ぶり。
臭いはきつめ。
安いことから庶民の行く市場などでよく売られている。
3. カーンヤーオ
中型種。やや丸っこい。
棘は小さく短めで、茎(カーン)が大きく長い(ヤーオ)。
カーンヤーオの味の特徴
甘味が強くまったり。
肉質はとても滑らか。
果肉の色はチャニーよりやや薄めの黄色。
種は大きめ。
中国系に好まれとても高価。
***** 以下、三大メジャー以外のドリアン *****
4. ロン ラップレー、リン ラップレー
ロン ラップレーは中玉(2~3㎏)。
旬は5月~8月。
皮は薄く臭いは柔らかめ。
甘くまったり。
肉質は細かで柔らかい。
種が矮小化し可食部分が多い。
リン ラップレーはロンより小さく1~2㎏。
種は矮小で匂いは弱い。
きめ細かい肉質が評判。
房がはっきりしている。高価。
*ドリアンの産地はタイ東部なのですが、これらは下北部ウタラディット県のドリアン。
5. プアンマニー
小玉。1キロ前後。
種が大きく可食部分は少なめ。
色濃く赤の混じった黄色。
モーントーン種より甘くまったり。
肉質は細かく繊維がほとんどない。
*食べる部分が少なく不人気だったのですが最近は味がよいと評判になり生産量が増えています。
6.カドゥム
小玉。1キロ前後。
種が大きく果肉が少ない。
甘い。まったり感は今一つ。
匂いは強くない。
栽培が容易なため安価。
7.ノックジップ
大玉(3~4㎏)。
モーントーンに似るがより甘くクリーミー。
果肉は色濃く種が小さい。
繊維質ではないが果肉の水分量は普通。
匂いは強くない。
プアンマニーのように棘が密集。
もともとドリアンの名産地バンコク近郊のノンタブリーで栽培されていたものが東部へ持ち込まれた品種。
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現実には、観光客がタイでドリアンを食べるとしたら入手が容易なモーントーンかチャニーの2択になります。
でも、機会があればほかの品種も味わってみてください。
ぜんぜん味が違うのにびっくりしますよ。
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