チェンマイに「おいしい店」はたくさんあるのだけれど「チェンマイのおいしいもの」は意外に少なく大半がチェンライと被っている。というわけでチェンライを含めたチェンマイのおいしいものの話。
サチマ〈カオソーイ タット〉
中国語で沙其馬(サチマ、シャーチーマー)。
小麦粉に卵を混ぜて練った生地を小さく切って揚げ砂糖やハチミツを絡めた菓子。
元々は中国の駄菓子なのだけれどタイ北部で広く食べられている。
一見、5センチ角ぐらいのおこし。でも柔らかくさくっとしている。表面は飴状。
よく言えば伝統的。悪くいえば少し古い感じの菓子。
うまい!というほどではないのだけれど何となくポリポリやってしまう。
土産物屋や市場、雑貨屋などで売られている。とても安い。
イチゴ〈サトローベーリー〉
イチゴはタイ人に人気の高級果物。
イチゴ狩りを目当てに日本へ行くタイ人も少なくない。
日本からの土産としても好評。
タイでは冷涼なチェンマイやチェンライで栽培されている。
かつては残念なイチゴが多かったのだけれど近年は日本人の指導もあってよいイチゴができるようになった。
季節は12月~3月。
北部風ソーセージ〈サイ ウア〉
サイは「腸」、ウアは「詰める」。つまり「腸詰め」。
乾燥唐辛子、にんにく、レモングラス、ウコン、などを臼で搗き、挽いた豚肉と混ぜ合わせて塩、エビ味噌などで味付け。それを腸に詰め、弱火でじっくり焼いた、もしくは揚げたハーブ入りソーセージ。
日常の総菜として土産として人気。
「北部ではこれだけは見逃せない!」
「冷えたビールとサイウア、この世の天国!」
などと日本人も絶賛。
一般のソーセージのようにくびれを作らず蛇のようにとぐろを巻いているのが外見上の特徴。
普通はそのまま食べるけれど、フライパンで焼くかレンジでチンするといっそううまくなる。
ネーム ソーセージ〈チン ソム〉
「にんにくが効いて酸味が絶妙」
「もっちりした食感がたまらない」
という熱狂的ファンが多いネーム。
ネームはミンチ状にした豚もしくは水牛の肉に薄く切った皮とご飯粒、にんにくを混ぜ、バナナの葉で何重にも包んで発酵させた食品。
ご飯粒による乳酸発酵の影響で肉が酸っぱくなることから北部の方ではチンソム(酸肉)という。
ネームは食べたことがあっても、チン ソムを食べたことのある方は少ないんじゃないかな。
この二つ、まったく同じものなのだけれど北部ではバナナの葉で包んだものをチン ソム、ビニールチューブ入りのものをネームと呼び分けている。
もし機会があれば北部料理店で「チンソムの熾火焼き(チンソム モック)」を食べてみて欲しい。
本当に絶品。チンソムの一番おいしい食べ方だとぼくは思っている。
タイ ソーセージ〈ムーヨー〉
豚肉を挽いて練りバナナの葉で幾重にも包んでゆがいた(蒸すこともある)ものをムーヨーという。
これが本来の形だけれどバンコク辺りではビニール包装が一般的なため、日本人はこれも「タイソーセージ」と呼んでいるようだ。
日本人て魚肉ソーセージの影響かチューブに入った長いものを見るとすぐに「…ソーセージ」と言いたくなっちゃうらしい。
ムーヨーはソーセージというより豚肉のはんぺん、カマボコの類。
最近、北部の観光地でセイロに入れた熱々ムーヨーを食べさせる店が増えている。
ぷりぷり。しこしこ。あつあつ。うまうま。お見逃しなく。
ムーヨーは生でも食べられるし、焼いたり揚げたり、どう調理してもいける。
ぼくはバナナなの葉から取り出したのをもう一度ボイルして、醤油やマスタードで食べている。
いけまっせ。
ハチミツ〈ナムプン〉
北部は良質のハチミツが採れるので昔から有名で養蜂も盛ん。
運がよければ野生のミツバチの蜜も手に入る。
チェンマイのロンガン(ラムヤイ)のハチミツはおいしいことで知られる。
ローヤルゼリー、プロポリスなど蜜蜂関連の製品を売る店も多い。
ツチグリ〈ヘッド トーブ〉
北部で熱狂的に愛されているころころ丸いキノコ。日本語でツチグリ。
このキノコは一年に一度、暑季と雨季の端境期の数週間しか出回らない。
高く売れるのでシーズンがやってくると多くの人が目の色変えて山に入る。
お勧めはツチグリと酸っぱい竹の子の炒め物。
ツチグリの外皮はちょっと硬めで噛めば中の柔らかいクリーミーな白いお肉がつるんと飛び出してくる。
この食感がとても気色良く、竹の子のしゃきしゃき感とほのかな酸味がたまらない。
旬は5月頃。
一口饅頭〈カノム バーン アーチャーン〉
一口で食べられる中国式の小さな饅頭。
この手の菓子、「モチ」あるいは「カノム ピア」と言う。
安物のモチやカノムピアはけっこうまずいのだけど、チェンマイで売っているカノム バーン アーチャーン(先生の家のお菓子)はまっとうに作った白あんに塩タマゴの黄身が入っていて(入っていないやつもある)けっこういける。
娘が好きなもので以前はチェンマイへ行く度に買っていた。
セントラルデパートとかロータスで売られている。
1箱150B前後と、タイの菓子にしてはかなり高い(手を抜かないで作ればこれくらいの値段はすると思う)。
タイ風ポン菓子〈カオテーン〉
型に入れて干したモチ米を揚げた菓子。
日本のポン菓子に似ている。
タイ人のブログを読むと「おこし」を日本のカオ テーンと紹介していた。
普通のもち米を使った白、黒砂糖を混ぜた茶、黒米を使った紫、の三種がある。
白と紫は上に溶かした黒砂糖(煮詰めたサトウキビ汁、あるいはヤシ砂糖)をかける。
茶色は最初から黒砂糖を混ぜているので何もかけないのが普通(かけたものもある)。
タイ菓子はあまり好きではないのだけれど、クロエ ブレーキ テーグ(熟したバナナを立て切りにして揚げただけのバナナチップス)とカオ テーンだけはよく食べる。
豚の皮の揚げもの〈ケーブ ムー〉
豚の皮の揚げ物はタイ全土に見られるものの有名なのは北部のケーブムー。
チェンマイやチェンライの郷土料理店で食事すると必ず出てくる。
脂肪分があって香ばしく、カリカリした食感で塩味がほんのり。微妙においしい。
日本人観光客にもけっこう好評。
ケーブムーには脂肪つきのティットマンと脂肪を除いたライマンがある。
脂肪付きの方が味は良く、上手に揚げたやつはさくっとしてすんごいうまい。
脂肪なしは脂を取り除いて揚げてあるので大きく膨らみ中がスカスカ。
味の面で言えば脂肪付きの滋味にはかないけれど健康美容を気にする女の人には人気。
主に市場や土産物屋で売られている。
*チェンマイといえば誰も彼もカオソーイのことばかり書いているけれど、ぼくはチェンマイのカオソイがそれほどおいしいとは思わない。
なぜなら家でそれ以上に口に合うカオソーイを食べているからだ。5555(ハッハッハッハ)。
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