《賭け事好きのタイ人》ギャンブルの実態

タイ人

タイは厳しくギャンブルが規制され、正式に許可されているのは競馬と宝くじのみ。しかし実際には闇賭博、オンラインカジノなど様々なギャンブルが行われ、とりわけ地下宝くじは庶民に人気、という話。

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タイ人がギャンブルにはまりやすい理由

タイは厳しくギャンブルが規制されている。
これは極めて妥当な措置である。
もし日本のように競馬、競輪、競艇、パチンコのような公認のギャンブルが身近にあればものすごい数の人が依存症になって多くの不幸を生み出すに違いない。
タイ人は根っからのギャンブル好きである。

なぜタイ人はこうもギャンブルにはまるのであろうか。
一番の原因は楽観的な性格だと思う。
タイの人たちは何事も悲観的見方をしない。
すべてはうまく行くだろうと甘い見通しばかりする。
客観性がなく主観でのみ物事を判断し感情的になりやすい。
おまけに労せず楽に稼ぎたい願望を強く持っている。
ようするにギャンブルにおいても勝つことばかり考えて負けることを考えない、といったところだろうか。

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庶民の密かな楽しみ地下宝くじ

タイで発売されている宝くじには公営宝くじと、その1等の下2桁、あるいは3桁を予想する地下宝くじがある(いわゆるナンバーズ形式)。
公営の方は1等600万バーツで1枚実質100バーツと、最低賃金が300バーツちょっとの国としてはかなり高い。
地下の賞金は3桁の場合、1バーツにつき500バーツ。掛け金はくらでもいい。1バーツから賭けられるし狙いが絞りやすいこともあってかなりの人たちが地下宝くじで遊んでいるようだ。

地下宝くじに問題はないのか

地下宝くじの胴元はチャオ ポー(親分)と呼ばれるその土地土地の影の有力者や小金持ちたちである。
通常、当選金はきちんと支払われる。
が、問題は当選者が多過ぎて損をしそうになったときである。
こういう場合、彼らはもっとも手っ取り早い方法で対処する。
そう、トンズラしてしまうのだ。

そして、金が貰えずカッカしていた人たちの頭が冷えたのを見計らってひょっこり舞い戻り、本来の半額くらいの払い戻しでお茶を濁す。
「殺してやる!」
と息巻いていた人も、もうこの頃には、
「一銭も貰えないよりかましだ」
と諦め、次回また同じ胴元からくじを買うのである。

《楽して儲ける》タイ人に学ぶ宝くじに当たる方法
原則的にギャンブルが禁止されているタイには競輪も競艇もない。その代り宝くじがすごく盛ん。もともと楽して儲けようという気風がとても強く賭け事が好きで仕方ない人たちである。その宝くじの買い方、値段、抽選などに関する話。

執念が当りを呼ぶ

近年胴元はパソコンを導入し、当たりそうな番号は受けつけない、賞金を半分以下にする、など安全対策に余念がないが、それでもけっこう損することはあるらしい。
庶民の頭の中には常に3桁の番号が駆け回っている。
地下宝くじに対する執念というか熱意はものすごく、ときには異常なまでの当選率を呼ぶことがある。
数十年彼らを観察していて、ぼくは超能力のようなものを信じるようになった(笑)。

地下宝くじは公然の違法。
タイは治安に直接影響のないものに対してはかなり寛容なので、今のところはそれほど厳しく取り締まれてはいないようだが、むろん、警察の目にとまれば逮捕されることになる。

タクシン首相と合法化された地下宝くじ

以前、この地下宝くじが一度合法化されたことがある。
そのやり方というのがとても面白かった。
チャオ ポーたちの地下宝くじが日の目を見たのではなく、政府がそっくりそのまま地下システムを取り上げて胴元になってしまったのだ。

庶民の多くが月に二度、汗水流して得た金を惜しげもなく地下宝くじに注ぎ込んでいるのだから全国規模で動く金は相当なものであろうということは容易に想像がつく。
そしてそれはチャオ ポーの懐に転がり込んでいる。
政府にとってチャオ ポーは目障りな存在である。
地下宝くじを取り締まって資金源を絶ってしまえば彼らを弱体化させられるけれど、これだけ一般庶民に支持を得ているのでは禁じきれるわけがない。

一時はなりを潜めてもどうせまたやるに決まっている。
政府への反発もすごかろう。
じゃあ、いっそのこと政府が闇の胴元になってしまえ!
チャオ ポー問題は解決し歳入も増える、というわけだ。
何と頭のいい人たちであろう。

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地下宝くじのことをフイ ターイディンという。フイは俗語で宝くじ、ターイディンは地下、アンダーグラウンドのことである。
で、合法化された政府のフイはフイ ボンディン、地上のフイと呼ばれるようになった。
「オレたちはこれからどうやって生活していけばいいのだ!」
などと、理不尽な公営化反対の声を上げた一部の胴元たちもいたにはいたけれど、チャオ ポーたちは意外に大人しく政府のお達しに従い、フイは地下から地上へたいした混乱もなく移行した。
叩けば埃の出る身である。下手に逆らって隠し持つ金の出所を突つかれ財産没収ということにでもなったら困るのだろう。

ところがである。
この合法宝くじは何年もしないうちにぽしゃってしまった。
かのタクシン元首相はナンバーズのオンライン化を進め、ナンバーズの発行機はぼくらの村のような田舎にまで行き渡り一度は機能した。
しかし、例によってオンライン化に際し巨額の不正な金が動いたことが発覚。
タクシンさんは革命で国を追われてしまった。
オンライン化されたナンバーズはごたごたに巻き込まれて消滅。
フイは再び地上から地下へ潜りチャオ ポーたちの手に委ねられることになってしまったのである。

連日遊べる株価予想ナンバーズ

最近は株式市場の平均株価を予想するナンバーズが流行っている。
株価ナンバースは連日遊べるし、当選番号操作が懸念されるタイの宝くじに比べ不正が行われず信頼できるのが人気の理由だそうだ。
当初はタイの株式だけだったが、最近は各国の市場が導入され、中でもニッケイを対象にしたナンバーズが多い。
いやはやなんとも。

タイ人
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