タイの季節の特徴と冷房を弱くしない理由

生活

タイは年中暑いように思われているが、意外にしっかり季節がある。それぞれの季節の特徴と観光、タイ人はなぜ冷房を弱くしないのか、という話。

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タイには三つの季節がある

「タイは、暑い、より暑い、最高に暑い、の三季です」
と、ウケを狙って口にする人がいる。
このフレーズもだいぶくたびれて感心してもらえることは少ないのだけど、まあ、北部以外はだいたいそんなもの。
とにかく暑い。
だいたい3月から5月が暑季で、6月から10月までは雨季。11月から乾季に入り(南部を除く)、やや涼しくなる。

暑季 【3月~5月】

連日、やりきれない暑さが続く辛い季節である。
何たって蚊が夏バテをして飛べないといわれるくらいだ。
最高気温はだいたい37℃から38℃。世界的に見ればたいしたことはない。

しかし、暑い。
夜になっても気温が下がらない。風は吹かない。首をくくりたくなる。
昔はこの時期、お年寄りがよく亡くなった。
その代わり、といっては何だけれど乾季の間途切れていた果物たちが待ちかねたようにわっと出てくる。
果物でも食べて暑さに負けないよう頑張んなさい、といったところだろう。

意外なことにこの季節、最も暑いのは北部や西部。
5月頃「戦場にかける橋」で有名なカンチャナブリーを観光したところ気温は 42℃。
危うくスルメになりかけた。

飛ぶ鳥も 焼かれて落ちる 四月かな

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暑季の観光

暑いのが苦手な人は暑季を避けるべきかもしれない。
服装は日本の夏の服装。とにかく汗をかく。
日差しはきつく、いつ熱中症になってもおかしくない。
それと忘れていけないのが冷房対策。
タイの人は年中冷房をガンガンかける。

3月頃は日本との気温差も大きいので体調を壊しやすい。
4月中旬はソンクラーン(タイ正月)があり、帰省や旅行で国内交通は大混雑、ホテルも取り辛いので要注意。
年にもよるのだけれど南部のリゾートは5月頃までであればまだビーチが楽しめる。

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冷房を弱くしない理由

寒い国では暖房料金を取ったりしないのに暑い国では冷房は有料サービスの一つだ。
バス、列車、食堂、ホテル、冷房があるかないかで料金が違う。
冷房は効かせば効かすほどサービスが良いことになっていてどこもガンガンに効かせている。
「寒いから弱くして」と頼んでも絶対に聞いてくれない。
冷房をすることがサービスだから人がいくら寒くても関係ないのだ。
それに冷房を止めると冷房料金を取る根拠がなくなってしまうし、冷房が弱いとタイ人から不満の声が上がる。

タイの人はどういうわけか冷房には滅法強い。
カンカン照りの太陽と、これでもか、これでもか、の冷房にいたぶられて外国人旅行者は体調を崩すことになる。
タイ旅行には冷房対策を忘れないように。

灼熱の タイにて凍死 外国人

雨季 【6月~10月】

雨季は6月頃から始まる。
暑さはいくぶん楽になるのだけれど湿気がものすごい。
身体中にカビが生えてくるような感じだ。
雨は降るし晴れたら晴れたでものすごく蒸す。
海は荒れて泳げない。

地面までかびてしまう

地面までかびてしまう

蚊は飛びまくる。
農繁期で祭りのような楽しみもない。
お坊様は寺に閉じこもる。
まったく、どうしようもない季節である。

*雨季の間(安居)、お坊様は寺にこもって修行に専念する。
みだりに歩き回って成長しかけた草や作物を踏んづけたりしないため、ということになっているのだけれど、本当は外へ出てもつまらないからに違いない。

 入安居 寺に篭りて 不貞寝かな

雨季の観光

タイの雨は降るだけ降ればさっと上がることが多く1日中降り続くことは少ないが、9月の雨季真っ盛りの頃は連日雨が降り続くこともある。
服装は日本の夏の服装。やっぱりとにかく汗をかく。
でも暑さに関しては日本の夏よりまだましかも。
一度7月頃日本へ帰ったところタイより暑く感じたことがある。
冷房対策も忘れずに。

ピマイのサイガーム

ピマイのサイガーム

それからバンコクは大雨が降ると冠水して大変なことになる。
濡れても大丈夫な履き物が望ましい。
折りたたみ傘は必需品。
雨季にはほとんどの果物が旬を迎え、果物好きには嬉しい季節だ。

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乾季 【11月~2月】

乾季の初め、11月から年末にかけては涼季である。
涼季とはいっても北部はけっこう気温が下がる。
タイ最高峰のインタノンでは氷点下を記録し、平地の最低気温が5度を割った年もあった。
その年はみんな霜に目を丸くして記念写真をばしばし撮り、市場では山と積まれた毛糸の帽子と靴下が本当に飛ぶように売れた。
生まれて初めて靴下を履いた、という人も多かった。

日本人にも人気の空指し山

日本人にも人気の空指し山

寒さに憧れている中部、南部人は毎年、年末頃になると寒さを体感するため車で大挙して北部へ押しかける。
山の上にテントを張り「うわー、まじでさぶい」とかいってはしゃぐのだ。
寒さに感動するタイ人というのはなかなか見ものである。

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一月も末になると徐々に気温が上がり始め、気がついたら30度を超えているようになる。
しかし、乾燥しているのでそれほど身体には堪えないし、朝晩はまだ涼しい。
この間、雨は降らない。
降らないといったら一滴も降らない。
天気はいいし、気温もちょうど。
祭りが多くて楽しいし、海は波が穏やかで泳ぐのにもってこい。
農家たちは収穫後で懐が暖かく、みんなにこにこしている。
なんと素晴しい季節だろう。
ずっとこんな風だったら本当にタイから離れられなくなる。

と思う人も多かったのだが、近年、この時期は北部を中心に煙害がひどくなった。
太陽がぼやけるくらいの猛烈な煙害だ。
原因は野焼きとされ、4月まで庭で枯れ葉を燃やすのも禁じられる。
呼吸器官の弱い人は要注意の季節だ。
それと、果物の枯渇期でもある。
おいしいタイの果物を味わうことができないのも残念なポイントだ。

乾季の観光

服装は日本の初秋ぐらいの感じかな。
ただ上にも書いたように北部はけっこう冷える。
こんな季節でもタイ人は冷房を止めない。
冷凍マグロになりたくなければ冷房対策は年中必要だ。
南部の西、プーケット側は乾季、海の状態がよくなりハイシーズンに入る。
逆に南部の東側、タイ湾に面している地方は11月、12月が雨季真っ盛りなので注意。
ビーチは1月末から2月くらいからがよいと思われる。

以上。

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