ゾウの目が小さくトラが縞模様になった理由

文化

昔、タイのゾウは目がパチクリ
大きく、トラにも黒い縞模様が
なかったそうです。なぜ、ゾウの
目は小さく、トラに縞模様が
できたのでしょうか。
こんな言い伝えがあります。

 

昔むかし、一匹のトラが「オレこそは万物の王者だ」と、大いばりで森を歩いていると、ゾウに出くわしました。
「しめしめ、これこそは王者に相応しい獲物だわい」
それ、食べてしまえ!
「ちょっと待った。トラさん」
飛びかかろうとしたトラにゾウがいいました。

「あんたは私を食べられないよ。私は今、人に囚われの身なんだから」
「何だって?お前のような大きい奴がどうしてあんなちっぽけな人間に捕まったりするんだ。食べられたくなくてオレ様を騙しているんだろう」
「私の足を見てごらん」
ゾウの足はツタのロープで木と繋がれていました。
「わかったかい。私は人間の〈知恵〉に捕まってどこにも逃げられないんだよ。まったく〈知恵〉って、たいしたものさね」
「トラさんは自分が王者だというけれど、人間の〈知恵〉には敵いはしないさ」

「人間の〈知恵〉とはいったいどんなものなんだ。一度見てみたいもんだが・・・。あんた、連れて行ってくれるかい」
「いいよ。ちょっとロープを切っておくれよ。案内してあげるから。〈知恵〉というやつがどんなにすごいか見せてやるよ」
〈知恵〉を見たくてたまらないトラはロープを噛み切ってやりました。
ゾウはトラを飼主の家の近くまで導いて行くと、
「パオー!」
と鳴きました。

「はて。ありゃオイラの象の声だ。あいつは森で草を食べているはずなんだが」
不審に思った男が家の外へ出ました。そのとたん、
「グワー!」
待ち伏せしていたトラが飛びつきました。
「ちびすけめ。〈知恵〉はどこだ!オレ様がちょっと飛びついただけでこのざまじゃないか。〈知恵〉とやらもぜんぜんだな」

「なあんだ。お前は〈知恵〉が見たかったのか。早く言いなよ。持ってきてやったのに」
「何だと。置いてきたと言うのか。ああ。オレは〈知恵〉が見たいんだ。早く持ってこい」
「見たいなら先にオイラを放せ。持ってきてやろう」
トラは男を放してやりました。
「でも、〈知恵〉は怖がりだから、お前の恐ろしげな姿を見て森へ逃げ込んでしまうかもしれん。悪いけど縛っておくよ」
一刻も早く〈知恵〉が見たくてたまらないトラは男の言いなりになりました。

家の中へ入った男は籐の鞭を持って現れ、身動きできないトラを力の限り打ちつけました。
「バシン!バシン!」
「この嘘つきめ。お前はどうしてオレを打つんだ」
「まだわからないのか。これが〈知恵〉というものだ」

惨めなトラの姿を見てゾウは笑いが止まらなくなりました。
「わっはっはっは、わっはっはっは」
「ああおかしい。なんてざまだ。王者だなんて威張っているからだよ」
「わっはっはっは、わっはっはっは」
トラは打たれたところが縞模様になってしまい、いつまでも笑い続けたゾウはどんどん目が小さくなって、ついにはもとに戻らなくなった、ということです。

これが人間の〈知恵〉の正体なら悲しいなあ・・・・・・。

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