タイソーセージの話1

食品

タイの市場や繁華街周辺にはよく炭火焼ソーセージの屋台が出ています。
大ぶりなソーセージはコンロの上で罪な匂いを漂わせながら焼かれ、こんがり焦げたところなんか実にうまそう。
しかも一本十バーツ前後ととても安い。
たまらず焼き立てを一本もらい、いっきにかぶりつく。
ぷつん、と弾けたソーセージの中からは……えっ?えっ?
春雨がにょろり。ご飯粒がぽろり。

スポンサーリンク

「コショウの効いたぷりぷりした肉はどこへいった!」
「騙された!」
思わず叫びたくなります。しかも酸っぱい。
「腐ってんじゃないか!」
思わず疑いたくなります。
これぞタイが世界に誇る米ソーセージ。
本物のソーセージを期待しているから驚くので、最初からこういうものだと知っていれば、これはこれで愛すべきソーセージです。

タイの人たちはつい最近まで、自分たちが飼っている家畜を屠って肉を得ていました。
肉は貴重でしたが、一度家畜を屠ると大量の肉が得られます。
その日の内にはとても食べきれない。そこで、酸肉、干し肉、肉そぼろなど、様々な保存方法が考えられました。
サイコーク イサーンもまた肉を有効に利用するため工夫された食べ物の一つです。
サイは「腸」、コークは「流し込む」、イサーンは「東北」。つまり、東北の腸詰め、東北ソーセージ。

作り方は簡単。まず赤肉と脂身を細かく叩き、ご飯粒、にんにく、塩を加えて混ぜ、腸皮に詰める。
次にポーという植物繊維の紐で縛り、日に軽く干すだけ。
朝とりかかれば夕方には焼いて食べられる。
ご飯粒を混ぜるのは肉の量を減らすためではなく、発酵させてまろみと酸味を出すため。
発酵が進むと酸味が強くなるので長期の保存はできません。持ってせいぜい二、三日です。

この東北ソーセージの全国普及版が、先に挙げた米ソーセージ。
広まる過程で肉の量が減らされるのに反比例して米の含有率が増えていき、ついには春雨まで加えられる惨事になってしまったわけです。
肉で出来ている本家の東北ソーセージはご飯のおかずとして扱われもち米とペアで売られます。
対しサイコーク・カーオ(米ソーセージ)、サイコーク・ウンセン(春雨ソーセージ)などと呼ばれる全国普及版ソーセージは主成分が米。

《タイのベトナムソーセージ》豚カマボコがハンパなくうまい件
日本人がタイソーセージと呼ぶ食品は、東北式ソーセージ(サイコーク イサーン)、北部式ソーセージ(サイ ウア)、酸肉(ネーム)、香腸(クンチアン)、豚ソーセージ(ムーヨー)の5種がある。今回はその中から豚ソーセージの話。レシピ付き。

ご飯をご飯のおかずにする人はいませんね。
だから、小腹の空いたときにおやつとしてかじりつきます。
味の面では米ソーセージの方が酸味が強い。
まだ東北ソーセージが全国に普及していなかった頃、東北地方を訪れた人がお土産にソーセージを買って行ったわけですが、家に着いて食べる頃には発酵が進み、かなり酸っぱくなっていた。
その味が定着したと推察されています。

米ソーセージには必ずショウガ、キャベツ、唐辛子を添えて食べる。

ご飯と春雨で増量を図り、ついには肉がほとんど消滅してしまった米ソーセージ。
消費者に少しでも安く提供しようと努力をした結果なのか。
それとも利幅を上げるためのインチキかなのか。
いずれにしろ本家を差し置いてこれだけ広まっているということは、支持される何かがあるのでしょう。
ぜひ一度騙されてみて下さい。

食品
スポンサーリンク
ushiomをフォローする
タイ国玉手箱

コメント

タイトルとURLをコピーしました