タイのタクシードライバーがぼる理由

一般

タイのタクシーは外国人観光客をぼりたがる。
わずかばかりのお金のために観光客に嫌な
思いをさせてどうする、などと一度は考えた
ことがあるのではないだろうか。
でも彼らには彼らなりの理由がある、
という話。

 

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遠回りをするタクシードライバーの心理

バンコクのメーター制タクシーは地理に明るくない客が乗ると遠回りをすることが少なくない。
遠回りしてもそれだけの距離は走り時間がかかるのだから、ただ新しい客を探す手間が省けるだけのことである。
途中で、おかしいぞ、と気づいた客と口論になるかもしれない。
それでも遠回りをする。
100バーツのところを180バーツで行けば「80バーツ儲けた!」という気になるらしいのである。

「ぼくはしないけど他の連中はね、すぐ遠回りして料金を稼ごうとするんだ」
バンコクでたまたま乗ったタクシードライバーがいった。
「そんなことしてたんじゃあ利用客に嫌われて商売も繁盛しないよね」
「連中はね、そんなこと考えないんだ。毎日いくらかの金を得て酒が飲めればいいんだよ」
そういうことなのだ。

遠回りを警戒し過ぎて失敗

ぼくは近道をしようとした、まともなタクシードライバーに文句をいったことがある。
車が目指す方向と逆に走り出したので、
「そっちじゃない」
というと、運転手が慌ててハンドルを切ってぼくに行き先を確かめた。
すると運転手は、
「さっきの道を行って高架道路へ上れば渋滞にも遭わず早く着けたのにー!」
と、財布でも落としたかのように大げさに嘆いた。

バイク式サームロー(三輪)

バイク式サームロー(三輪)

バンコクの抜け道には疎いので説明を聞くと確かにその通りだった。
運転手はそれから降りるまでくどくど愚痴をいい続けた。
渋滞に引っかかると「それみろ」と後ろを振り返り、信号で止まればまたバックミラーに恨めしげな目を映してみせた。
客の損には頓着しないが自分の損には敏感で執拗なのである。
あまり遠回りを心配し過ぎるとこういうことも起きるので注意して欲しい。

乗客から見る良いタクシーの条件

外国人旅行者が関わり合うタイの人たち、といえばまず、タクシー、トゥクトゥク(オート三輪)、ソーンテーウ(乗り合い)、といったタクシードライバーである。
タイは観光国のわりに公共の交通機関が発達していないため個人でどこかへ行こうと思えばこれらの乗り物の世話にならざるを得ない。
タクシードライバーはある面においてタイとタイ人を代表しているということになる。
旅行の印象をけっこう左右されるからなるべくなら良いタクシードライバーにお世話になりたい。

つまり、
①客を客として扱い
②正当な料金で
③安全に目的地へ運ぶ。
こんなタクシー ドライバーであれば、まあ、いうことはない。

タクシードライバーから見る良い客の条件

上の条件をタクシードライバーにいわせると、

①荷物を運んでお金をもらうのも人を乗せてお金をもらうのも同じこと。

②儲けるチャンスがあるのに正当な料金に拘るのは馬鹿らしい。
何も知らないお金持ちの外国人から余分にもらうのは当たり前。
変なところへ連れて行かれないだけでも感謝してもらいたい。

③車というものはハンドルを少し動かすだけで、いや、動かさなくてもぶつかるようにできてある。
それなら、ぶっ飛ばした方が早くつくし気持ちいいではないか。

これもバイク式サームロー(三輪)

これもバイク式サームロー(三輪)

つまり、タクシードライバーの思うよい客の条件とは
①文句言わずに
②たんまり払って
③大人しく運ばれる人

客とタクシードライバーの間には深くて暗い溝が横たわっているのである。

タクシードライバーのタイ式損得勘定

バスターミナルとかでひがな一日客待ちをしているタクシードライバーたちがいる。
バスがターミナルに入ってくると、バスから降りる人々にわっと群がって客引きをするわけだけれど、こういうタクシードライバーたちの車は高い。
たとえば町からターミナルまで流しの車で40バーツだったとすると、ターミナルから町までも40バーツのはずである。
しかし、黙っていても客がくる場合、タクシーでもホテルでも通常料金ということはあり得ない。
運転手は客を見つけるとまず「80バーツ」でジャブを放ち、客が「50バーツ!」と打ち返してきたら、すかさず「60バーツ」でカウンターを決める。

地方の乗り合い自動車、ソーンテーオ(スィーロー)

地方の乗り合い自動車、ソーンテーオ(スィーロー)

去る者が去ってバスターミナルに静けさが戻り、客にありつけなかった運転手はまた次のバスが来るまで暇になる。
こういう運転手なら40バーツでも走るのではないか?
甘い!
日本人の考えでは、
「どうせ暇なのだから、40バーツの通常料金でも一銭にならないよりましだろ」
となるだろうが、違うのだ。

彼らは、うまくやれば60バーツ取れるところを40バーツの通常料金で走ると、
「20バーツ損した!」
と考えるのである。
彼らはひたすら60バーツ払ってくれる客がつくのを待つ。
その間は仲間とマークルット(タイの将棋)などをして暇を潰し、たとえそのまま客が現れなかったとしても、
「今日はついてなかったなあ」
と、諦めて帰るし、料金に頓着しない客が三人もつけば、
「ああ、今日はいい一日だった」
と満足して焼酎を呷る。
こういう生活なのである。

今や絶滅危惧種のサームロー(人力車)

今や絶滅危惧種のサームロー(人力車)

町を走るタクシーがタイ人なら40バーツのところを外国人には60バーツ請求するのも同じ理屈である。
タイ人料金で外国人を乗せるのは「20バーツの損!」なのだ。

外国人にとってはまったく迷惑なタイ式損得勘定だが、近年はぼられた乗客が腹いせにSNSで投稿することが多くなったし、運賃は値上がりしないし、タクシードライバーたちもなかなか大変なようだ。

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