たとえば日本という国が箱だとすると、外から見なければその形がわかりません。が、箱の外からでは箱の中身が見えません。というわけで、外に暮らしている娘が留学で日本の中に暮らしていたとき送ってきた感じたこと驚いたことの話です。
娘が日本で驚いたこと
娘のミカンが日本留学中に送ってきたメールには次のような驚きが書かれていました。
車が人を見て止まる
タイでは道路を渡るとき先に車を行かせるけど、日本はその反対。
先に人を行かしてから、車が出る。
それだけでなく、人が渡る横断歩道との距離は相当離れている。渡るときはかなり安全。
ミカンは横断歩道を渡るとき車が距離をとって停車してくれるのにびっくりしたそうです。
タイではブレーキをかけるどころかアクセル踏んで突っ込んでくるのに日本人は死ぬほど驚きますけどね。
暖かい自動販売機がすごい
自動販売機は普段つめたい飲み物を売っているのに、冬になると暖かい自動販売機が出てきます。
温かい飲み物と冷たい飲物を一緒に売っても、温かい飲物を押したらそのとおりに出てきます。
コンビニにも必ず暖かい冷蔵庫がありびっくりした。
日本の自動販売機はすごい、という話は知っていたものの、冷たいものと暖かいものを同じ販売機で売っている、というのには驚いたようです。
さらにはコンビニで温かい食品を並べているケースにも驚いていますが「暖かい冷蔵庫」ってありえませんよね。
老人が働いている
コンビニ、スーパーでおじいさんおばあさんが働いている。
日本は老人が多いと聞いたことがあるだけれど、こんなに多いとは思わなかった。
タイでも徐々に高齢化が進んでいますが、働く人は少ない。
というより、老人の働ける環境がまだ整っていないのでしょうね。
ほとんどの老人は老人らしく隠居生活をしています。
数少ない例外はタクシーの運転手でしょうか。
こういう運転手に当たるとなかなかのスリルが味わえます。
電車が時間ぴったりに来る
電車は時間ぴったりに来て、ぴったりに出る。
日本では誰でも電車のアプリを利用している。
どこに行くときでも、スマトフォーンのアプリを使って、電車はそのアプリにある時間通りに来るのはすごく便利。
外国人は日本の交通機関の異常な正確さに驚くようです。
タイなんてもう最初から時間通りの運行なんてやる気がありません。
電車、市内バスには時刻表すらないのですから。
待ってりゃいつかはくる。そんなものです。
これはこれで楽ですけどね。
運転手が遅れを気にして事故を起こすことなどありませんし。
長距離バス、列車、飛行機には時刻表がありますが、あくまでも目安。
たいてい遅れて出発し、遅れて着きます。
大きいカラスがたくさんいる
カラスはすごく大きい。そしてとてもうるさい。近くにいたくない。
ときどきカラスに頭を蹴られた人の話やゴミ漁りの話を耳にします。
タイには日本のカラスのように大きくて人を襲うような鳥が身近にいません。
上の娘も驚き怯えていましたが、カラスってそんなにどこにでもいるんですか。
ぼくが日本にいた頃はあまり見かけませんでしたが。
お酒が安くて種類が豊富
お酒はタイより半分くらい安い気がしました。
ビールは低アルコール、女性向きのビール、ピーチ、ぶどう、みかん、りんごなどいろんな味があるのにびっくり。
これは心底うらやましい。
うらやましくてうらやましくて死にそう。
昔はタイの方がずっと安かったのですが、日本がどんどん値を下げたのに反してタイはどんどん値上げ。
「酒は悪いものだからできるだけ高くして飲まないようにしよう。それでも飲むのならご勝手に」
宗教の戒律と経済の好転を利用して政府が酒飲みたちから金を搾りとっています。
それから日本は酒の種類が本当に豊富。
普通のビール一つにしても、数えるのが面倒なほど種類があってしかも安い。
タイは、豹、象、獅子、虎、など数種のビールしかなく選択肢が狭いうえ高い。
ビールから遠のくことになった要因の一つです。
台風が怖い
台風が来る日は風がすごく強い。
外に出ると風と一緒に飛んでいきそうだった。
寮にいるときも、閉まっているベランダのドアががたがたすごい音を立てた。
上の娘もそうでしたが、日本で経験した台風には恐怖を感じたようです。
タイの最悪の天気は、すぐにおさまる嵐です。
それに天気がすごく変わりやすいのにも驚いていました。
日本人が天気予報をこのうえなく愛するのもこのせいでしょうか。
娘は気づいてないようですが、日本の天気予報の正確さと細かさを知ったらびっくりするに違いありません。
タイの天気予報はサンダルを蹴飛ばして表だと晴れ、裏だと雨。占いのようです。
付け加えますと、タイ人は雪に対する憧れを持っています。
娘のみかんも日本へ行く前は「雪を見たい、触りたい」といっていました。
初めてどこかで残雪に触れたときは、
「雪に触ったよおおおお!」
とかラインで知らせてきたのですが、その後、連日雪に降られてその寒さとうっとうしさにうんざりさせられたのでしょう。今では、
「雨も雪も嫌い!」
といっております。これが現実ですよ。
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日本は娘にとって初めての外国だったのですが、大概の情報はネットで得られるし、家で日本のテレビ番組をしょっちゅう見ていたせいかあまりたいした驚きはなかったようです。
この点では、外国の見るもの聞くものすべてが珍しく素直に目を丸くすることのできた昭和世代の方が幸せだったのかもしれませんね。
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