激うまカオマンカイ 激まずカオマンカイ

料理

チェンマイの老舗カオマンカイ屋を十数年ぶりに訪れて感動した話と世にもまずいカオマンカイを食べて心が震えた話です。

 

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娘も目覚めた元祖海南島鶏飯

家の娘は小さい頃、肉があまり好きでなく、カオマンカイのご飯はニコニコ食べるものの、肉は必ず残しました。
この娘が肉もご飯も残さずに食べるカオマンカイ屋がチェンマイにあります。
チェンマイの人なら誰もが、「ああ、あの店か」とうなずく有名な老舗です。
かれこれ50年はやってるんじゃないでしょうか。
ぼくもこの店のカオマンカイが好きで、チェンマイに住んでいた頃はよく通いました。

去年だったか、十数年ぶりにその店へ家族を連れて行ってみたのですが、何も変わってません。
顔ぶれもほぼ昔のまま。
さすがにみんな歳をとったなあ、とは感じましたけれど、十数年の空白が信じられないくらいです。
移り変わりの激しい現代、こういうのってすごくほっとしますよね。

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店は鶏飯の本場、海南島出身一家の経営で、ぼくが通ってた頃はあまりタイ語の上手でないご主人が頑張ってたのですが、今はその息子さん夫婦(といってももう七十近い)が采配を振るっています。
この店はタイにしては珍しく店員が客に気配りをするし、てきぱきしていて気持ちいい。
そんなところもまったく昔のままです。
ほんと、純タイ系の料理店で、タレの減り具合を見回ってついでくれるところなどないですよ。

店はものすごい活気に満ちていて、なんかこう各テーブルから食欲の塊が
「わしゃ、カオマンカイ食うんじゃあ」
とか叫びながら立ち上りぶつかり合っているようです。

この店の人たちは本当にカオマンカイ一筋。
毎日毎日、起きてカオマンカイを作って、売って、寝て、この繰り返しで何十年もやってきた。
そして死ぬまでカオマンカイを作って、一族の誰かが店を継ぎ、またカオマンカイを作るのでしょう。
頭が下がります。

豆腐屋は一生豆腐を作り続け、せんべい屋はせんべいを焼き続け、パンダはササを食べ続ける。
生きるってこんなものですよね。
ワンパターン、マンネリこそが人生です。
「私は何のために生きてるんだろう」
なんて迷いなんか寄せ付けない逞しさがこの店の人たちにはある。

ここへタイの人を連れて行ってあげると例外なく喜ばれます。
で、半分タイ人の血が流れてる娘もたいそう喜び、チェンマイへ行くたびに、カオマンカイ、カオマンカイ、と騒ぐようになってしまった、というわけ。
チェンマイでのお昼はこの店!と勝手に決めて、ほかの料理には目もくれない。
食べ物にかけてはかなりの信念と執念を持っています。
こいつが好きなものを食べているときはほんと幸せそうで、こんなに嬉しそうな顔するんだったら、また食べさせてやりたい、という気になります。
将来、どんな男が彼女に振り回されるのだろう。今から楽しみです。

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すっげえまずいカオマンカイを食べた話

某県の大型スーパーで超ド級のまずいカオマンカイを食べたことがあります。
まず、ご飯。信じられないことに最下級の折れた砕米を使っていました。
普通なら鶏の餌にするやつです。
もしかすると鶏の餌をそのまま持ってきたのかもしれません。

しかも炊き方がまたすごい。
ご飯はもうべちょべちょ。スプーンで軽く圧してみたらぐにゅんと潰れました。
「とてもジューシーで柔らかくお口の中でとろけるご飯」
肉だったら褒め言葉ですけどね。
一口食べたら鳥肌が立ちました。

ご飯にのっている煮鶏はスルメじゃないかと思うくらい硬くパサパサ。
いったい何をどうしたらこんな鶏になるのか不思議です。
ショーケースの中の鶏は丸々太ってつやつやととてもうまそうだったのに、おかしいなあ、と思って再度見ればイミテーションでした。
普通、鶏のイミテーションをケースに飾るなど考えられません。

タレは酢に唐辛子を入れただけ。
スープはクノールのスープの素に砂糖をぶちこんでつくってました。
「食えるものなら食ってみろ!」
という感じ。客に何か恨みでもあるのでしょうか。

ぼくは朝から動き詰めでとてもお腹が空いていたのですが、それでものどを通りませんでした。
未だかつて味わったことのないまずさ。
見渡せば、あちこちのテーブルにこの店のカオマンカイがほとんど手付かずのまま残されていました。

でも、機会があればもう一度行って、ぜひこの鳥肌が立つような驚愕のまずさを味わいたいと思います。
もしかするとこの店は、そんな物好きなリピーターに支えられているのかもしれませんね。
「これこれ。このまずさがたまらん。これを食べた後は家のご飯がとてもおいしく感じる」
とかね。

以上、カオマンカイに関する思い出でした。

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